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いよいよ日本でも解禁!小額寄付による低所得者層の政治参加を後押し、オバマ政権誕生を支えたアメリカのネット選挙
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35504
2013年04月16日(火)堀 潤 :現代ビジネス
次期参議院選挙から、インターネットを使った選挙運動が解禁となる見通しが強まった。今月中に国会で法案が可決される見込みだ。
Facebookやtwitterなど、いわゆるSNS・ソーシャルネットワークを使った候補者本人や政党による情報発信が、選挙期間中も可能になる一方で、メールを使った発信は、受け取った個人による転送を禁じるなど制限も加わっている。
一度インターネット上に出回った情報を制度によってコントロールするのは難しい。それぞれの個別事例が選挙違反になるのかならないのかといった判断も必要になり、運用に関してはグレーゾーンも多い。
しかし、それでも、有権者と政治の現場を結びつけるうえでは大きな一歩だ。
インターネット先進国でもある、アメリカではすでに1992年からメールを使った選挙運動が行われるなど、この20年で独自の発展を遂げている。
「堀潤の次世代メディアへの創造力」では、インターネットの活用で、政治とメディアがどう変わるのか、これから3回シリーズでお伝えしたい。
■ビヨンセからの手紙。
先日、アメリカ人歌手のビヨンセからメールをもらった。
近々ニューヨークで食事をするので一緒にこないか、という誘いのメールだ。
しかもその食事会には、オバマ大統領とファーストレディのミシェル夫人も参加するので絶対に来た方がいいと書いてある。
ホテル代金は気にしなくていいし、友達を連れて来ても構わない、だから来て!と、興奮気味に続き、さらにこう書いてあった。
「もしこれそうだったら、今夜深夜までに、25ドルかあなたが払いたいと思う金額をここに送って欲しいの」
示されたリンクをクリックしてみると、オバマ氏の選挙や政治活動を支援する公式サイトに繋がった。
https://contribute.barackobama.com/?source=donatebutton-HP
ネット選挙運動を制し大統領の座を勝ち取った、いかにもオバマ陣営らしいやり方だ。
後日、確認できたが、ビヨンセやオバマ大統領との食事会は実際にニューヨークで開かれ、サイトを通じて寄付した何人かがその場に招待されたという。
オバマ氏の政治活動を支える公式サイト http://www.barackobama.com/ を
閲覧しようとすると、まずメールアドレスと郵便番号の入力を求められる。
入力が終わると寄付のページに。15jから200jまでの金額が書かれたアイコンをクリックすると、クレジットカードの登録フォームが立ち上がり、カード番号の入力を求めてくる。
一旦、カード情報を登録すると、その後はサイト内の指定のアイコンをクリックするだけで自動的に5jという小額寄付を行えるようになる。
■アメリカの民主主義を支える小口献金
オバマ氏自身、facebookやtwitter、Google+、Linked in、など10以上のSNSアカウントを所有し運営している。登録ユーザーの総数は併せて、のべ5000万人を越える。
オバマ氏の訴えが瞬く間にSNSを通じて世界に拡散されていく仕組みだ。
2012年の大統領選挙でオバマ氏が集めた献金額は、およそ8億j。そのうちの6割が、実はこうしたインターネットを入り口にした小口献金だった。
大金を寄付できない低所得の支持者であっても、手軽にオバマ氏へのサポートが行えることもあり、最大で1時間で5000万円以上が集まることもあったという。
結果的に、オバマ氏を支持する層は、所得格差や人種の壁を越え、拡大していった。
ネットをつかった小口の寄付制度が、市民の政治への参加感を高め、米国の民主主義を支えている。
日本でも、ようやく、インターネットを使った選挙戦が全面的に解禁される運びとなりそうだ。現行の公職選挙法では、選挙期間中にfacebookやtwitterで発言をしたり、Youtubeで動画を流したりすると違反となるおそれがあるが、制限付きで一部が解禁になる。
元々、公職選挙法は、候補者の誰もが平等に選挙運動が行えるようにする理念を掲げ施行されたものだ。インターネットからの発信が制限されてきた背景には、この平等主義が背景にある。高齢の候補者と若手候補者とでは明らかにデジタルスキルに乖離がある。また、資金力の違いによって、それぞれの発信力には差が出てくるという懸念もあった。
■強力なスタッフと巨額の資金が支えたオバマのweb選挙
もう一度アメリカに目を向けてみよう。
このサイトを時間があったらゆっくり眺めてみて欲しい。
Democracy in Action
2005年から独自に選挙関連の情報を発信し続けて来たこのメディアがまとめた、オバマ陣営の全容がここにアップされている。それを見ると、SNS戦略をはじめとした、IT/Digital関連のチームには100人以上が投入されているのがわかる。
デザイン、広告、分析、マネージメント、開発、撮影、などチーム内を専門分野に分け、それぞれ第一線で活躍する優秀な人材が、オバマ陣営のスタッフとして集められている。
このメンバーだけで、一つの上場企業が創り出せそうな強さだ。企画、立案、開発、運営、PRまで、すべてを彼らが自前で行い、しかも成功させている。
これらのスタッフを維持しようと思うと、相当な資金が必要なことは容易に想像がつく。今回の参院選でも資金力の強い候補が、独自のITチームを組み、有権者への発信を効果的に進めていくことが予想される。
米国では1992年の民主党大統領候補予備選挙で候補者のブラウン氏が、はじめて電子メールを使った選挙運動を行ったと言われている。その後も4年毎に、新しいテクノロジーを駆使した選挙運動が各候補によって実践され、温められた卵は、オバマ氏を孵した。結果的には、小額寄付という文化が、低所得者層の政治参加を後押しするきっかけにもなっている。
日本における、ネット選挙解禁は、民主主義が機能するきっかけになるのか。
それとも、特定の政党や候補者に風を吹かせるだけなのか。有権者の力量も問われる。
次回は、SNSの活用で、選挙を伝えるメディアはどうかわるのかを、米国の事例から。
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