http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/439.html
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/fe3bcc6cf07fdb067dd04bd42b7d7735
2013年04月14日 世相を斬る あいば達也
「日本維新の会」の勢いが一気に下降線を描いているようだ。極めて素晴らしいことだが、不用意に喜んでもいられないだろう。彼らを支持した国民層の知的レベルを考えれば、トンデモナイ方向に向かいかねないわけだから、国家としては、さらに悪い方向に傾く心配さえ出てくる。時事通信によると、「日本維新の会」は今年1月に支持率のピーク4.6%を境に、順調に下げ続けているそうである。この調子だと、次回の調査では1.0%、参議院選の直前には0.5%の支持率になる可能性が高くなってきた。時事は以下のように報じている。
≪ 維新、支持率低迷続く=自民との差別化課題
日本維新の会の支持率が上向かない。3月末に初の党大会を開き、夏の参院選に向けて気勢を上げたが、与党の過半数阻止を掲げる一方、自民党などとともに 「改憲勢力3分の2超」を目指す方針が有権者には分かりにくいと映っているようだ。時事通信の4月の世論調査で維新の支持率は前月より0.5ポイント下が り1.5%にまで落ち込んだ。
昨年12月の衆院選で野党第2党に躍進した維新の支持率は、今年1月に4.6%を記録したが、その後は低落の一途をたどっている。
維新は党大会で、石原慎太郎共同代表の意向を反映し て「(現行憲法は)日本を孤立と軽蔑の対象におとしめた」などとするタカ派色が強い綱領を採択。こうした点が「維新は自民党の補完勢力」(民主党幹部)との批判につながっており、党内からは「維新の支持層が自民党に流れている」(若手)との危機感が出ている。
参院選を控え、自民党との差別化をどう図っていくかが課題で、橋下徹共同代表(大阪市長)は最近、「改革を進める安倍晋三首相には協力するが、自民党では既得権益に切り込めない」との論法を展開している。
ただ、こうした理屈が奏功しているとは言い難い。ある幹部は、改憲手続きを定めた96条の改正で安倍政権に歩調を合わせる橋下氏に「すり寄りすぎだ」と苦言を呈する。橋下氏ら「大阪勢」と国会議員団の連携の悪さも維新の泣きどころで、党勢拡大への懸案は山積している。≫(時事通信)
安倍自民のアベノミクス(円安・株高)効果が参議院選まで息切れせずに継続すれば、おそらく自民党の圧勝が予想出来る。この場合は、野党側がどんなに最善の手段で選挙に臨んでも、勝ち目も、今後に繋がる結果すら得られないだろう。しかし、円安にせよ、株高にせよ、海外ファンド系の仕手戦のような趣きで相場が形成されているのだから、ここから更に買い増しをする海外ファンド勢は少ないだろう。米国の株高にも資金を回しているので、金庫の手持ち資金はお寒い状態の筈である。
海外ファンド勢は、一定の水準を超えた時点で、日本の機関投資家が動き出すに違いない、と云う思惑絡みだっただけに、参入してくるのが個人の提灯規模では、売り抜ける前に相場が崩れる問題があり、動きづらくなっている。6月のまとめようと考えているアベノミクスの「成長戦略」は、多くのサラリーマンが目を剥くような内容であり、安倍晋三が整合性のある考えを持たない政治家である事に、初めて気づくに違いない。彼が最初の首相としての反省を含めて考えを改めたのは、政治主導は極力控え、官僚依存、米国依存を忠実になぞることに気づいただけである。
アベノミクスへの期待感は、偽ガン特効薬のキャッチコピーのようなもので、嘘と知りつつ、久々に空騒ぎしてみたかった大衆心理を煽るには充分な仕掛けを持っていた。しかし、空騒ぎの空気だけで、時間を延ばすことは困難なわけで、実体経済に効果が及ばない限り、賞味期限は来月には切れる羽目になる。国民が、自分の財布が重くなったと自覚しない限り、インフレが間近に迫っている、或いは消費税が10%になるからと云う動機付けで、チャラチャラ消費が拡大するなど妄想以外のなにものでもない。
マスメディアは飯を食わされたからかどうかは別にして、アベノミクスだ、TPPだと、あきらかにプロパガンダ報道を続けている。株価が上がる事は悪い事でもないので、騙されたフリをしておこうと云うのが狡賢い国民なのかもしれない。つまり、インフレや消費増税の影響を考え、先行消費するとか、先行設備投資をする等と云う現象は一部でしか起きようがない。まして、企業の好決算やインフレに引き摺られて、賃金も上がり、消費が更に拡大するなど、誰も信じていないだろう。内閣支持率が7割と云う馬鹿げた数字も、特に悪いことも、未だしていないと云う消極的評価だろう。
ところが此処に来てヤバイ金融情勢が現れている。債権市場が大きく混乱してきているのだ。なんと値幅制限を超える国債価格の乱高下が起きており、1週間に5回も買一時停止措置が実施された。日銀は、必死に証券会社の幹部達にレクチャーをし、日銀が最後は買い支えるから、安心して国債を保有、応札して欲しいと頼み込んでいる。現に、日銀は長期国債を何兆円も買っているのだが、その後すぐに国債は急落するのだ。つまり、民間金融機関はアベノミクスの金融緩和策に極めて懐疑的なスタンスで臨んでいる現実がある。
0.2%だった日本国債10年物の金利は先週末0.6%(国債価格は下落)に跳ね上がった。黒田総裁の、金利を下げ、投資を促す前評判の看板が壊れかけている。米国財務省が、日銀の国債買い入れが財政ファイナンスである可能性もあるので、充分注意深くウォッチしている、と発言していたが、そのリスクが露呈した状況のようである。つまり、市場は愚民よりは利巧なので、財政ファイナンス的日銀のマネタリーベースの拡大、及び国債の無制限買い入れの罠に嵌る危険を回避しようとしている姿が現れている。
今頃になって、黒田は泣きごとを言い出している。「政府の財政状況は持続できないだろうから、早期に財政支出の縮小が必要だ」、「現在の緩和策がいつまでも続くわけではない。物価目標が達成されれば出口ということになる」、「銀行券ルールはいずれ復活してくる」等と責任を政府に押しつけ出した。2%のインフレになるまで、やれることは何でもやる、と言った男とは思えない。財務省の財務官だった金融マフィアだが、実戦派ではなく理論派なだけに、自分の思考経路には過剰なくらいの自信があるのだが、市場の実戦を経験しているわけではないのだから、笛吹けど踊らない、白けた市場関係者に苛立っているようだ。これは実は相当にヤバイ現象で、安倍相場崩壊のシグナルになるかもしれない。
斯く斯く然々の理由で、安倍自民の経済政策が馬脚を現し、ミニバブルの後から、株と国債の暴落と云う忌々しき経済現象を起こす可能性は参議院選前に大いにあるのが、最近の日本の経済情勢だ。つまり、アベノミクスの終焉が接近中と云う見方が出来る。上述のような安倍の経済政策の破綻が顕在化する時期がいつなのかで、参議院選の野党側の善戦度は決まるのだろう。また、調子に乗って、自民が憲法改正を参議院の争点の一つにしてしまおうと本気で思い出した場合、公明党との選挙協力態勢に歪みが出る可能性もあるだろう。
夏の参議院選では、昨年末の総選挙の時のような“民主党政権NO選挙”の意味合いは薄れるので、投票率が戦後最低の59%ということはないだろう。4%程度投票率が上がるだけで、まず自民圧勝のシナリオは崩れる筈である。憲法改正、消費税の軽減税率適用も思うに任せない連立与党の公明党の士気は落ちている。維新の会と妾の座を争っているような趣きを見せているのだから、気分がよかろう筈もない。これに、維新の会の支持率急下降現象とみんなの党の内部分裂が参議院選前で引き摺るのか、その前に整理がつくのか、分裂するのか、それも選挙結果に大きく響くだろう。
それでは、肝心の野党第一党の民主党はどうなるのだ。野田が民主党破壊の元凶、消費増税で自民党と手を組んだ事実が多くの支持者から総スカンを食ったわけだ。この事を踏まえて、今後の党の再生を目指すのであれば、消費増税では景気条項にスポットを当て、当面消費増税凍結宣言を出すとか、原発再稼働には、さらなる検証で、事実確認が出来ない限り稼働させず、脱原発な電力構想を打ち出し、自民との対決姿勢を鮮明にする必要がある。最期のトドメに、TPPへの参加は日本の国益に反しており、新たな貿易枠組みの構築に着手すると云う方針を出せば、反自民・維新の旗印は出来あがる。
このままでは、民主党と云う政党が溶解するのは確実で、野党色を鮮明にすることでしか、生き残る方法論はない。当然、前原、野田などは不愉快の極みで、単なる離党ではなく、分党を要求するだろう。それなら、金をくれてでも、出ていって貰うくらいの腹積もりで、野党色を鮮明にさせる以外、生き残る術がないのは自明なのだから。現在の民主党に、それだけのエネルギーが残っているかどうか疑わしいが、それしか溶解を回避する選択はないのである。現執行部に、それを強行する力があるかどうかが問われている。
一見、このような行為は、維新やみんなの党を利するように見えるが、維新やみんなの党が、実は隠れ自民党だと云う色分けが国民に判り易くなるので、選挙民の選択肢において、白か黒かの単純図式が出来上がり、投票率の向上に寄与する。このような流れが出来ずに、生活の党が民主党と連携することは、選択肢を複雑にするので、避けるべきである。市場原理主義に傾倒する連中を整理した後の民主党には最低限の力は残るし、安倍自民の自滅により、存在感のある野党になり得る。おそらく、憲法改正論議が日本中を駆け巡る時には、解散総選挙の選択は否応なくやってくるだろうから、その準備を兼ねた態勢づくりを考えるべきだ。
さて肝心の生活の党はどうなるのかだが、当面は現在同様の自主路線を小沢一郎を先頭に立て、黙々と前進するのみである。現状の党勢材料から、戦略が生まれる筈もない。愚直に現在の政策を訴え続けることである。その考えがブレナイことが、自民党に対抗する野党の核となり得るわけなので、焦らない事である。前向きではないが、アベノミクスは必ず破綻する。破綻し、あまりにも前のめりだった経済政策と云うもの、修正は殆ど不可能なので、一定の野党勢力の結集時に、存在感のある政党として、生き残っていればいい。
早晩(数年以内)には、自公維みんな的な政党の政策が、いかに国民生活をズタズタにしてしまったか明確な形で現れる。それまでは、臥薪嘗胆な政治運動になるだろうが、めげずに国民との会話を続けるべきである。そして、しつこいようだが、小沢一郎は「続・日本改造計画」を上梓して、グローバル経済の終焉に合わせた、日本の将来の具体像を、明確に国民に示すべきである。そのくらいのロングランで、事にあたらないと、またぞろ悪手に手を出す嵌めになる。本道をまっすぐに進むことである。結論ではないが、夏の参議院選の結果は、日本の政治の方向性をより不鮮明な混乱に拍車をかける結果にさせることが、日本の為である。まだ、カオスの世界が充分ではない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK146掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。