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2013年4月14日 植草一秀の『知られざる真実』
淡路島で震度6弱の地震があった。
強い地震が頻発している。
政府は南海トラフ地震が発生することを予想し、その被害が220兆円に達するとの専門家調査を発表した。
国土強靭化の公共事業拡大と平仄(ひょうそく)を合わせたかのような数値が示された。
小泉政権のころ、公共事業は時代遅れだと主張していた自民党が、今度は公共事業が必要だと叫んでいるのだから、いい加減なものである。
それよりも重大なことは、220兆円もの被害が生まれる地震が発生したときに、原発がどうなるのかという問題だ。
活断層が原子炉直下を走っているという敦賀原発、東通原発、そしてその疑いが指摘されている大飯原発の問題はどこに行ったのか。
選挙で自民党が多数議席を確保すると、活断層が消えてしまったりするのだろうか。
東電福島第一原発の放射能事故の原因が、いまだに明らかにされていない。
津波が襲来する前に、地震で電源を喪失し、原子炉の冷却が不能になったとの見方が存在し続けている。
前民主党衆議院議員の川内博史氏が東電福島第一原発を訪問して、二日間、被曝しながら現地調査を行った。
東京新聞(=中日新聞)の『こちら特報部』が記事を掲載した。
東電は事実を隠蔽し続けている。
また放射能に汚染された冷却水が毎日大量に発生し、その保管を地下タンクなどで行ってきたが、大量の汚染水が外部に漏出していることが判明した。
放射能汚染水の貯蔵をビニールシートのようなもので行うこと自体が驚きを超えており、言葉も出ない。
原発周辺はいまなお高線量の放射能汚染地域であり、人間を寄せ付けない状況にある。
よくもまあ、この状態で野田佳彦氏は原発事故収束宣言など出したものだ。
そして自民党は、このような現実が存在し続けるなかで、よくもまあ、原発再稼働の方針を示したものだ。
完全に狂っているとしか言いようがない。
日本では震度6クラスの地震が頻発している。
ひとたび放射能事故を引き起こせば、国を失うことすら考えられる。
いまなお、10万人を超える人々が放射能のために避難生活を余儀なく迫られている。
放射能事故による損害もほとんど補償されていない。
日本の上空を通過するミサイルに気を取られる前に、足下を見つめるのが先だろう。
福島の放射能事故を放置したまま、他の原発を再稼働させるなどという選択肢はないはずだ。
日本は世界有数の地震大国である。
そして、その地震大国でいま、日本は地震活動期に突入している。
いつどこで、巨大地震が起こるか分からない。
政府自体が南海トラフ地震などの巨大地震の発生を予測しているではないか。
世界の原発立地を見ると、その大半は非地震地帯である。
たまたまそうなっているのではない。
地震帯の上に原発を敷設することが危険極まりないからだ。
日本など、地震の巣の上に位置する国である。
このような国で原発を利用することなどあり得ない選択なのだ。
「のまちゃん牧師のWeblog」さまから地震と原発の分布図を転載。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2013/04/14/weblog.jpg
政府の暴走を止めることができるのは主権者だけである。
主権者は選挙で適切に行動すれば、必ず政府の暴走を止めることができる。
日本国民が賢明なら、これを実行するだろう。
原発再稼働に反対する国会議員を増やせばよいのだ。
安倍自民党は原発再稼働推進なのだ。
主権者がそれでよいと判断するならそれは主権者の勝手だ。
しかし、主権者が原発再稼働はやめるべきだと考えるなら、原発再稼働反対の議員を多数にしなければならない。
原発再稼働推進派が多数を占めれば、原発は再稼働される。
いつか、地震が起こり、日本は亡びることになるだろう。
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