http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/423.html
Tweet |
http://ameblo.jp/shimarny/entry-11510770233.html
2013-04-13 21:24:44NEW ! Shimarnyのブログ
索敵をせず、分析をせず、作戦を練らず、武器を持たず、「頑張れ!頑張れ!」の意気込みだけで戦場に送り出す大手紙は、やはり国民の敵なのだろうか。
基本的に大手紙の社説が横並びで主張している場合、国民を扇動する意図がある。
本日のTPP交渉についての社説も同じである。日米協議で日本が交渉力を発揮できたのかを分析せず、交渉参加するため止むを得ないという論調である。
前哨戦である日米協議で日本が国益を勝ち取ったのか言及せず、本番であるTPP交渉で日本が国益を勝ち取るために交渉力を発揮せよと主張するだけである。
どうも大手紙のTPPの考え方と国民のTPPの考え方に埋められない溝がある。
大手紙は、たとえTPPが日米不平等条約であっても、たとえTPPが米国の植民地化計画であっても、日本は絶対にTPP参加すべきというスタンスである。
しかし、国民はTPP交渉の結果、日本の国益が守られなかった場合、国益を勝ち取れなかった場合、TPPに参加しなくても良いという考えが大勢だろう。
その結果、日本のTPP参加に不都合な情報は事実を歪め偏向報道するのである。
本日の大手紙の社説の主張も、随所に装飾語が散りばめられた内容となっている。
その一つ一つを分析することにより、大手紙の主張と事実の矛盾を解明していく。
TPP交渉の正当性を主張するため、言い訳文句を用意したのが読売新聞である。
読売新聞:日米協議決着 TPP交渉の勝負はこれから
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130412-OYT1T01535.htm
読売新聞の主張は、冒頭の「出遅れによる不利な立場をいかに巻き返すか。」というどのような結果になろうとも言い訳できる表現に全てが集約されている。
日米協議で、米自動車業界へ配慮したことも、米保険業界へ配慮したことも、米国に譲歩したことも、日本の要求が通らなかったこともはやむを得ないである。
そして何よりも滑稽なのは、何が何でもTPPに参加すべきと主張している読売新聞が、日本の国益のためにTPP交渉で主張すべき項目として「農産品5項目を関税撤廃の例外扱い」しか挙げていないことである。
これではTPPの中身を問わず参加することに意義があると言うのと同意だろう。
通商ルール作りに関与できるということは簡単であるが、前哨戦では米自動車業界と米保険業界の主張が通っただけで米国ルールとなってしまったのである。
この結果を踏まえれば、本番のTPP交渉でもどうなるのか予測ができるだろう。
最後に、絵空事のように「なにより大事なのは、自由貿易の拡大でアジアなどの活力を取り込み、日本の成長に弾みを付けることだ。」と言っているが、TPPでアジアの活力を取り込めないことは明らかだろう。
アジアで交渉参加国は、人口8500万人のベトナム、人口3000万人のマレーシア、人口500万人のシンガポール、人口40万人のブルネイである。
アジアで交渉不参加は、人口13億人の中国、人口12億人のインド、人口2億4000万人のインドネシア、人口9000万人のフィリピン、人口7000万人のタイ、人口5000万人のミャンマーである。
これまで「TPP交渉に参加すべき」しか主張してこなかったツケが、内容の乏しい、結果を踏まえない、事実を報じない低次元の社説を生んだのだろう。
日米協議の結果など何処吹く風であり、威勢だけで主張するのが産経新聞である。
産経新聞:TPP日米合意 攻めの姿勢で国益広げよ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130413/plc13041303070004-n1.htm
「攻めの交渉姿勢」と威勢は良いのだが中身を見れば何のことは無い。農業の国際競争力の強化がメインであり、国内対策を強化していく必要を説いている。
つまり、日本はTPP交渉で「攻めの交渉姿勢」となっても、「守りの交渉姿勢」となっても農業分野だけに限定されるという事実を露呈しているのである。
逆に言えば、日本は自由貿易において農業以外に制度を抜本的に改革しなければならないような分野が皆無であり十分対応できることを意味するのである。
このことを踏まえれば、米国が自国業界に頼まれて要求する内容は、自由貿易と全く関係の無い自国業界の都合の良い制度設計を押し付けることに等しい。
おそらく、米国の自由貿易協定と名を借りた自国業界を優遇する協定なのだろう。
日米協議の結果を反省すること無く猪突猛進で、TPP交渉で「攻めの交渉姿勢」を主張をする結果、TPPに隠された真実を浮かび上がらせたのだろう。
現状認識と分析が正確であるが新自由主義が正義と主張するのが日経新聞である。
日経新聞:TPP交渉 これからが国益高める本番だ
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO53927250T10C13A4EA1000/
日経新聞は、TPPで「海外市場を舞台に、強い産業をさらに伸ばし、新しい成長産業を生み出す仕組みを築くことこそが最も重要な国益である」と説く。
おそらく、全産業の自由化こそ経済を活性化させるという持論があるのだろう。
しかし、弱い産業が淘汰された場合にどうするのかというセーフティネットがないことから、外資が席巻する産業が続々誕生することになるのである。
さらに、日米協議が終わった段階で、日本で最も強い産業である自動車産業で米国への輸出関税の維持が決まり強い産業が伸ばせなくなったのである。
このことから、もし日本がことままTPPに参加することになれば、強い産業を伸ばすことはできず、弱い産業が淘汰されるという最悪の結果を生む。
これでも、なお「高い水準の自由化」を訴える日経新聞にとっての国益とは、日本の国益のことではなく無国籍の大企業の利益のことを意味するのだろう。
奥歯に物が挟まった如く意味不明の論調となったのが朝日新聞と毎日新聞である。
朝日新聞:TPP交渉―意義と原則を見失うな
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
毎日新聞:TPP日米合意 交渉力の強化が必要だ
http://mainichi.jp/opinion/news/20130413k0000m070135000c.html
両紙とも、日米協議を「早くも米国ペースになっている」「交渉力に不安を残した」と認識しているものの、TPPはアジア太平洋地域で貿易・投資ルール作りに欠かせないと主張しており消極的な賛成なのである。
もはや、そこには日本の国益という概念は存在せず「聖域の確保にこだわるな」「高い水準の自由化を目指せ」と教科書通りのスローガンが並ぶだけである。
そして、日本がTPPに参加する目的を、朝日新聞は「中国を高いレベルの自由経済圏に取り込むため」としており、毎日新聞は「中国に改革を促しさらなる自由化へと巻き込んでいくため」としているのである。
つまり、TPPは日本の国益にならないが中国を改革させるために必要となる。
この主張には、故事付け感、やっつけ感、投げやり感、言わされ感が否めない。
おそらく両紙にTPP参加で賛成表明しなければいけない義務があるのだろう。
そして、その義務を果たすため、日米事前交渉で日本が不利な結果でも、TPP参加で日本が国益を損ねても、日本のTPP参加に賛成を表明したのである。
これに両紙の政治スタンスの米国より中国重視を組み込んだことで、朝日新聞と毎日新聞のTPP賛成、中国重視という意味不明な主張となったのだろう。
振り返ってみると、ものの見事に全紙「TPP交渉参加を支持」で一致となる。
これこそ、安倍総理が日頃勤しんでいる大手紙幹部との会食による懐柔作戦が功を奏して、大手紙が安倍総理のプロパガンダと化した成果と言えるだろう。
もはや、大手紙は報道機関の体をなさず、権力迎合する国民の扇動機関である。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK146掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。