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ピンクの首輪をつけられた猫。1月4日午後3時25分。(ダウンロード厳禁)
江ノ島の猫その後
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130413-00024379/
2013年4月13日 10時47分 江川 紹子 | ジャーナリスト
前回、話題にした江ノ島の猫の首輪の裏返し問題。その後、猫の世話をしている地元の女性が、首輪をつけかえたと証言している、という情報をいただき、確認に赴いた。
この女性(ここではA子さんとしておく)と家族は、猫たちの好みに応じて食べ物を提供したり、荒天の時に雨風をしのぐ場所を用意したりしている。首輪をつけられた猫は、ここでは「グレー様」と呼ばれていた。ふだんは、頂上付近の植物園前のスペースにいることが多い「グレー様」だが、活動範囲はかなり広く、今年初め頃までは、海に近いA子さんのところまで毎日のようにやってきていた。
今年1月4日に来たのは午後7時30頃。A子さんは「グレー様」が好きなミルクを温めた。見ると、ピンクの首輪がきつそうだったので、ミルクを飲んでいる間に外した。その時に、黒いモノ(マイクロSDカード)が付いているのに気づいた。
ミルクを飲む「グレー様」(A子さん提供)
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「最近、GPS付きの首輪が売られていると聞いたので、それかな、と思ったんです。グレー様は上の植物園でかわいがられていて、年をとってきたこともあるので、植物園の人が心配してつけたのかな、と。そう思い直して、いったん外した首輪を、もう一度つけ直しました」
その際、長さを調整し、あまりきつくならないようにした。つける時には、黒いモノが内側になるようにした、という。つまり、表向きにつけた、ということだ。
「ゆるめたので、警察官が乱暴に引っ張った時に、するっと抜けたんです。元のままだったら、首が絞まって大暴れしたりして、本当にかわいそうなことになっていたはず。問題のモノも回収できなかったかも…」
ちなみに猫は、前日3日の夕方にも来ていて、この時はA子さんの姉がミルクをあげている。その際、姉が「グレー様にピンクの首輪がついてる!」と声を挙げるのを聞いた、という。しかし、姉はこの時に首輪には触れておらず、表裏についても意識しなかった。
私が集めた写真からは、4日午後3時半頃まで、首輪は裏返しについていることは確認できた。A子さんは外す前の首輪の状態が表向きか裏返しかは覚えていない。なので、確定的なことは言えないが、A子さんがつけかえた時に裏から表になったと考えれば、首輪の裏表が変わることに犯人が介在する必要はない。
私が挙げた可能性は、犯人以外に首輪をつけかえる人はいないはず、という前提だったが、その前提が間違っていた、ということになる。なので、前回の仮説は撤回することとしたい。
日だまりの中で身繕いする「グレー様」。この後、首をかきかき…
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ただ、それでも私の中で疑問はまだくすぶっている。犯人は、本当に、マイクロSDカードを表側にして猫につけたのだろうか…。猫好きであればなおのこと、猫が移動したり、すりすりしたり、首のあたりをかいたりした時に、カードが脱落してしまう可能性を、考えるのではないだろうか…。
首輪を表向きにつけているならば、猫が苦しそうなくらいきつく巻いてあったのは、裏側につけたSDカードが脱落しないため、と考えることができる。しかし、裏返しにきつく巻いても、何の意味もない。猫が苦しいだけだ。まったく、「グレー様」に対する犯人の対応は、とても猫好きのそれとは思えない。
そういうこともあり、首輪についての疑問は払拭しきれたわけではない。今は疑問のまま心の中にとどめておきたい。もし、午後3時半以降7時半までの間の写真を探すなど、地道な努力をしつつ、何か状況が変われば、改めて考え直すことにしよう。
■犯人のアカウントに複数の人がアクセス
ところで、共同通信の記者が、昨年10〜11月にかけて、「真犯人」からの告白メールが送られたウェブメールのサイトに、パスワードを入力し、送受信の記録を複数回にわたって盗み見ていたことが明らかになった。報道によれば、記者はこれまでの犯人の声明などから類推して、数回パスワードを打ち込んだら、アクセスできた、という。
しかも、「真犯人」のアカウントにアクセスしたのは、この記者だけではないようだ。
2ちゃんねるの掲示板には、「真犯人」が2通目のメール(自殺予告メール)を送った昨年11月13日深夜以降に、自分もログインした、と語るこんな書き込みがある。
〈俺も2件目のメールの後に気づいてログインできたけど、かなり共同がログインした形跡あったからなあ
ちなみにアカウントは例の鬼殺十蔵@ヤフー。
パスワードはvxgus1234
1件目の真犯人からのメールの時に、別のアカウントのパスワードとして書かれてたっけ。 パスワード自体は2件目の前には公開されてたから、実は2件目のメール以降は真犯人じゃない可能性もあるんだよね。〉
〈俺がログインした時点では共同とTor以外ではログインした形跡はなかった。
ちなみに、このパスワードはExciteメールのパスとして公開されてた。
そっちは国内生IPアドレスがごろごろしてたよ。共同も混ざってた。 〉
「Exciteメール」とは、「真犯人」が福岡の男性のPCを遠隔操作して都内の幼稚園などに脅迫メールを送った時のメールのことだろう。アカウント名は「morokkosarin」。オウム真理教がばらまいたサリンの名称が含まれている。この時、パスワードに「vxgus1234」と、やはりオウム真理教が作った毒ガス名を入れ込んでいた。この情報は新聞でも報じられた。同じパスワードが、犯行告白や自殺予告など、報道関係者などに対するウェブメールでも使われていた、ということのようだ。
こんなあっさりアクセスできる状況なら、11月の中旬以降、他にも気づいてアクセスを試みた者がいてもおかしくない。この2ちゃんねるの書き込み主が言うように、「2件目のメール以降は真犯人じゃない可能性」は、排除できない。(ただし、そうした行為は、いずれも不正アクセス禁止法に違反する犯罪として処罰される可能性があるので、試してみたりしないでください)。
回収された首輪。SDカードがついている(ロケットニュース24より)
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そう考えていくと、今年元旦の雲取山にUSBメモリを埋めておいたことをクイズ形式で知らせるメール、そして1月5日未明の江ノ島の猫メール。これは前年の2通のメールと本当に同じ人が書いたのだろうか、という疑問もないわけではない。なにしろ、前年の11月には自分がミスをしていることに気づいて、心の動揺を隠しきれないメールを送っていたのに、年が明けたとたん、かなりのハイテンション。「マスメディアの方は独占スクープのチャンスです。早い者勝ちですよ」などと、自信満々で記者たちを煽っている。ミスをしたけれども、捜査が自分の身に及ばないという確信を得られる何かが、1か月半の間にあったのだろうか…。あるいは、犯人は気持ちのアップダウンが激しいタイプなのか…
今年に入ってからの2通のメールは、雲取山のUSBメモリ、江ノ島の猫のマイクロSDカードという記憶媒体とセットだ。ただしUSBメモリの方はみつからなかった、とされている。江ノ島猫メールの方は、実際にSDカードが回収された。その中に、「真犯人」でなければ知りえない情報、「真犯人」しか入手しえないデータが含まれているのだろうか…。これについては、今後裁判の中で明らかになるだろう。
■再々逮捕でも取り調べを行わないのか?
そんな新たな問題が出てくるのを相前後して、片山祐輔氏がこれまでとは別の件で逮捕・送検された。3月22日に起訴された後、マスメディアに「被告」の呼称で呼ばれるようになった彼は、再び「容疑者」に戻った。今回は、都内の幼稚園や子役タレントの事務所に脅迫メールを送った、との容疑。警視庁がかつて福岡市内の男性を誤認逮捕した事件だ。
弁解録取書を作成した後、警視庁の捜査員が、片山氏に取り調べに応じるよう説得。録音録画をしなければ取り調べに応じないというのは、弁護士の指示なのか自分の意思なのか、と確認された片山氏は、「弁護士の助言は受けたが自分の意思でもある」と答えた、という。捜査員は10分ほどで説得をあきらめ、留置場に戻した。
捜査機関は、今なお取り調べの録音にも録画にも応じない方針らしい。被疑者・弁護人側も、録音録画をしなければ取り調べに応じない方針は変えていない。なので、逮捕をしてみても、今後も取り調べを行う見通しは立たない。いったい何のための逮捕なのだろう。被疑者に精神的なプレッシャーをかけるためなのか。それとも、誤認逮捕を出した警察が、「今度こそ、正しい犯人を捕まえたぞ」とアピールしたり仲間内で確認するためには、「逮捕」という儀式が必要なのだろうか…。
検察側は必ずしも、客観証拠だけで有罪に持ち込めるという自信があるわけではなさそう。検察官の裁判所に対する意見書によれば、片山氏が使っていたPCにウイルスを作成する環境や作成した痕跡など、彼と犯罪を直接結びつける証拠探しには苦労しているようだ。「細かい間接事実・間接証拠の積み重ねによる立証を余儀なくされている」のが本当なら、できるだけ本人の話を聞いて、それと客観証拠を1つひとつ付き合わせていく作業は必要ではないのか。
まだまだ謎が多そうなこの事件。何も自白を取るだけが取り調べではないはずだ。被疑者からの要求で録音録画に応じた前例を作りたくないなどといったつまらないことを言ってないで、事件の真相に、できる限り早く、できる限り近くに迫る努力をしてもらいたい。
(お願い)
この事件に関する情報を求めています。特に、3,4日に江ノ島に行かれた方は、もう一度写真を見直して、何か気がついたことがありましたら、ぜひご連絡ください。
情報は、areyakoreya21@yahoo.co.jp までお願いします。
江川 紹子
ジャーナリスト
早稲田大学政治経済学部卒。神奈川新聞社会部記者を経てフリーランス。司法、災害、教育、カルト、音楽など関心分野は様々。著書『人を助ける仕事』(小学館文庫)、『勇気ってなんだろう』(岩波ジュニア新書)など。
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