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2013/4/12 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
防衛相はマル秘情報をテレビでアピール
これを「政治利用」と言わずして何と言うのか。
北のミサイル危機に便乗して、全国11カ所ものPAC3(地対空誘導弾パトリオット)配備に走った安倍政権。薄汚い魂胆がミエミエだ。
◆敵に手の内を明かす笑えないマンガ
Xデーとして身構えたもののミサイル発射がなかった10日午後。手持ち無沙汰になってしまったからか、小野寺防衛相は東京・市ケ谷の防衛省敷地内に配備された2台のPAC3を視察した。それも記者やテレビカメラをゾロゾロ引き連れて、である。PAC3の部隊長に「事態は緊迫している。いつ命令が出てもしっかり対応できるようお願いする」と指示する様子もバッチリ撮らせていた。
「防衛体制は万全」という国民向けPRだろうが、ちょっと待って欲しい。今回、安倍政権は自衛隊に「破壊措置命令」を出したことを非公開にしてきた。過去のケースと違って北朝鮮が発射予告を出していないため、「手の内を見せられない」と秘密裏の発令となったのだ。
だったら、この命令にのっとったPAC3の配備状況だって“非公表”じゃなきゃおかしい。防衛大臣がわざわざメディアを通じて“敵”に手の内を明かしてどうする。マヌケな話で、まるでマンガだ。
軍事評論家の前田哲男氏はこう言う。
「降って湧いた北朝鮮ミサイルの脅威を『国難キャンペーン』として最大限利用しようという安倍政権の狙いが透けて見えます。参院選に向け『改憲』『国防軍』に連なるムードづくり。そして、国民の財産を守るためにはPAC3は高い買い物ではないというアピールです。PAC3の迎撃範囲は半径数十キロ程度。本気で日本列島をくまなく防衛するとなれば11台では十分ではない。ミサイル防衛強化で軍事予算を増やさざるを得ないという布石にしたいのでしょう」
実際、安倍政権は今年2月末に成立した補正予算でPAC3などミサイル防衛・監視費用605億円を積み増した。名目が「緊急経済対策」だったため、「なぜ軍事予算が経済対策なのか」と批判を浴びたものだ。今回のミサイル危機は渡りに船。脅威を煽(あお)ることで、バカな国民も防衛予算拡大に納得だと、安倍はニンマリしているに違いない。
「北のミサイルを利用した軍拡ムードに、かつてなら野党から慎重な声が上がったでしょう。今や高支持率の安倍政権を前に国会の論戦にすらなりません」(前田哲男氏)
国民は安倍の汚れた思惑に早く気づくべきだ。
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