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「孤高の闘い」か。「衆をたのんだ暴走」か  鈴木邦男
http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/391.html
投稿者 ダイナモ 日時 2013 年 4 月 12 日 19:53:49: mY9T/8MdR98ug
 

カメラマン・福島菊次郎氏についてはこれまで何度も新聞やテレビで特集が組まれてきたのでよく知っている。その反権力の意志の強さには脱帽である。

特定の出自をもつ人たちを「殺せ」、「死ね」と拡声器で怒鳴ったり、プラカードを掲げたりしてデモをする集団がいるが、鈴木邦男氏と私の考えは違う。こうした殺人などをそそのかす行為は立法によって排除すべきである。
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@93歳の過激な闘い

竹中労さんは言ってます。「弱いから群れるのではない。群れるから弱いのだ」と。
又、映画監督の森達也さんは言ってます。「主語が複数になると述語は暴走する」と。
「私」や「僕」ならば謙虚に反省も出来るし、自分の頭でキチンと考えて話せる。でも、「我々は」となると、すぐに他人を糾弾する。「我々は○○を許さないぞ!」と叫ぶ。中には民族差別的なデモをやる人がいる。
まず〈個人〉として、考えるべきですよ。個人で闘うべきですよ。それが出来てから初めて〈連帯〉が出来るのです。
自分がないのに「群れ」の中に入ってしまっては、その人は「群れ」の中の部品でしかありません。
強い国家があれば強い国民が出来るのではありません。強い国民だけが、強い国家を作れるのです。福沢諭吉は言ってます。
「一身独立し、一国独立する」と。
そんなことを強烈に感じた2日間でした。
3月30日(土)、「強い個人」を見ました。3月31日(日)、群れの中で怒号する「弱い個人」を見ました。そのレポートです。

3月30日(土)、烏山区民センターに行きました。「オウム信者は脱会しなさい」と訴える垂れ幕がかかっています。
烏山には以前、アレフとひかりの輪の本部があったんですね。そこもやめて、「一般人」になれということか。
でも、もうあんなことはやらない。反省と賠償をしている。そこもやめて、「一般人」になったら、かえって危険だろう。
それと、烏山といえば、川西杏さんがいる。ここで不動産屋をしている。過激な歌をうたっている。会えるかな、と思ったら、いなかった。
そうだ。この日は、川西さんよりもさらに過激で、さらに年長のカメラマンに会いに来たのだ。
長谷川三郎監督の映画「ニッポンの嘘=報道写真家・福島菊次郎90歳」の上映と、本人のトークがある。それを見に来たのだ。
上映は午後2時からと6時からの2回だ。第1回目、第2回目上映が終わって、福島菊次郎さん、監督の長谷川三郎さん、上映会呼びかけ人の上田要さんのトークがある。
月刊『創』で、福島さんと私の対談企画があり、「今日は無理かもしれないけど、挨拶だけでも行った方がいいよ」と篠田編集長に言われて、烏山区民センター3階集会室に行ったのだ。
午後4時に着いた。第1回目の上映が終わって、トークが始まった。1時間ほどで終わる。
編集長と一緒に控え室に行く。ここで対談をやるのかと思ったら、「僕は右翼には随分と写真展を壊されているんだ。恨みがある」と縷々話し出す。
まいったなー。こっちは全く関係がないのに。「志のある右翼は、みな福島さんを尊敬してますよ」と言った。
でも、国家権力や、それと一体となった右翼の暴力はどうしても許せないという。
写真展をつぶされただけでなく、(誰かは分からないが)、襲撃されて重傷を負ったり、家を放火されたりもしている。大変だ。「家を放火された」なんて、私と同じじゃないか。
その話もしたんだけど、「僕は執念深いんですよ」と言う。右翼とは、すぐに心を開いて対談なんかしないぞ、ということらしい。
もし対談をやるんなら、キチンと話すことを決めて、真剣にやりましょう。と言う。「はい、分かりました」と言いました。


A「法を犯してもかまわない!」と福島さん

映画のタイトルは「ニッポンの嘘=報道写真家・福島菊次郎90歳」だが、今年の3月15日で93歳になった。じゃ、タイトルも93歳にしたらいい。行動するカメラマンとして日本最高齢だろう。
そして、最過激だ。年を取るほどに過激になるなんて、いいことだ。素晴らしい。
私も昔からその名前は聞いていた。その闘いぶりは聞いていた。
この映画のポスターには福島さんの信念というか、モットーが書かれている。

〈問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を犯してもかまわない〉

凄い。実際、何度も捕まっている。
そのキャリアは、終戦後のヒロシマに始まり、三里塚闘争、安保、東大安田講堂、学生運動、水俣、ウーマンリブ、祝島、そして3.11以降のフクシマ。
レンズを向けてきたのは激動の戦後・日本。真実を伝えるためには手段を選ばない。
防衛庁を欺き、自衛隊と軍需産業内部に潜入取材して隠し撮り。それを発表。
防衛庁から呼びつけられ、「約束を破った。許さない」と詰め寄られる。防衛庁にいいことを言って取材許可を取ったようだ。
約束を破ったことに対し、全く謝らない。反省しない。こう言う。

「何を小さなことを言ってるんだ。国民との約束を破り、憲法を破って自衛隊を作ったのはお前たちではないか!」

防衛庁では、これに対し、何も言えない。「問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を犯してもかまわない」という福島さんの信念に従ったまでだ。
もしかしたら防衛庁が訴えるかもしれない。「約束」を破ったとして。福島さんも、それを待っていたようだ。そして裁判の場で自衛隊の憲法問題を論じる。
しかし、そうなっては困るので防衛庁は、あきらめた。
しかし、この写真を発表後、福島さんは暴漢に襲われ、家を放火される。
まさか防衛庁がやらせたわけではない。でも、そこまでやられたら、普通なら、ひるむ。それに福島さんは奥さん、それに子供もいるのだ。
それなのに、ひるまない。執念、攻撃性は更に進化する。
25万枚以上の、圧倒的な真実(写真)は、権力によって隠された「嘘っぱちの」日本の姿を我々に示す。

〈表に出ないものを引っぱり出して、たたきつけてやりたい〉と福島さんは言う。
3月30日(土)は、午後4時に会場に行って、トークを聞いた。それから控え室に行った。対談はまだ無理だろうから、ちょっと挨拶して帰ろうと思った。急ぎの原稿もあるし。
でも、福島さんと話をしたら、話し込んでしまった。話が終わらない。それに長谷川監督とも話したし、2回目の映画の間も話し続けていた。
それからトークを聞いて、「打ち上げ」まで付いて行った。93歳なのに元気にビールを飲む。
夜の12時になってやっと解散。私は、結局、8時間も福島さんと一緒にいたことになる。貴重な一日でした。終電を乗り継いで、やっと我が家に辿り着きました。
福島さんとは控え室でずっと一緒だった。いろんな人が訪ねてくる。昔、活動していた人。支援者の人。ファンの人。いろんな人に会ってサインして、写真を撮っている。大変だ。
サインしたら、「福島さんの好きな言葉を書いて下さい」と要求するファンがいた。そこまで要求するなよ、と思ったが、「私は日本語を信用してませんから。本に言葉は書きません」と言う。
それでいいならと、その言葉をそのまま、本に書く。律儀な人だ。もう93歳なんだから、「やだよ」の一言で済むのに。
それから、受付の人が、「あのー、お孫さんだという人が訪ねて来てますが」。「オレオレ詐欺じゃないの?」と茶化す人がいる。
名前を聞いて、「ウーン、いたかもしれないな」。生まれて初めて、このおじいちゃんを訪ねて来たらしい。本物の孫のようだ。手を取り合って再会を喜んでいた。
再会といっても、この青年が赤ん坊の時に会っただけで、青年にとっては初対面だ。娘さんは3人いるんだね。その子供だから孫だ。
娘さんは、映画の中でも、こんな暴走・過激老人について、「誇りに思ってます」と言っていた。さんざん苦労をさせられただろうに、尊敬している。
いいなー。私も、娘がほしい。突然訪ねてくる孫もほしい。
他に、こんな人もいた。「私も3月15日で、同じ誕生日ですよ」という女性だ。私が取り次いだ。
「ヘエー、じゃ、同じ年?」。「そんなはずないでしょう」。70歳位の年の差のようだ。そして、「あっ、鈴木さん」と言われた。「ロックの会でよく会ってるじゃないですか」。
ウーン、覚えてない。若年性健忘症だ。


Bこれでは日の丸がかわいそうだ

では翌日のレポートだ。3月31日(日)、ノイエホイエさんに言われて2時半に新大久保の駅に行く。
この日、「民族排外デモ」があるので、それに対し、〈抗議の意志〉を示すために行ったのだ。
今、大久保や大阪の鶴橋などで、「ヘイトスピーチ」の集会・デモが行われている。
在特会が中心になり、「朝鮮人は死ね!」「韓国人は首を吊れ!」といったプラカードを掲げ、デモをする。
とても信じられない話だが本当だ。「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」「朝鮮人、首吊レ、毒飲メ、飛ビ降リロ」と罵詈雑言を書いている。
こんなデモが何故、許されるのか。
たとえば、(ただのいたずらでも)「○○を殺す」「○○を襲う」とネットに書き込んだら、それだけで逮捕される。
ところが、こんな威圧的、暴力的なデモをやり、殺人を煽動しながら、「特定個人への攻撃ではないから」と、野放しだ。
こんなままでいいのか、と各方面から批判が出ている。
前に取り上げたが、3月14日、参議院議員会館では、こうした「民族排外デモ」に反対する集会が行われ、300人が集まった。「排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会」だ。参議院議員の有田芳生氏たちが呼びかけたのだ。
集会には、議員、大学教授、弁護士さんの発言があった。又、『ネットと愛国』の安田浩一氏、森達也氏、一水会代表の木村三浩氏、そして私も発言した。
中には、「デモを規制すべきだ」「こんなデモを許可するのはおかしい」という声もあった。たとえ「個人」を特定しなくても「殺せ!」と言ってる。取り締まるべきだと。
しかし、一水会の木村氏は反対して言った。法律や警察に頼るべきではないと。
「下品なデモ」「反社会的なデモ」は取り締まれと言うと、我々のデモだって取り締まられるかもしれない。「これは反政府的だ。下品だ」なんていって弾圧されたらたまらない。
私もそれには同じ考えだ。デモはたとえ不愉快でも、無制限にやらせたらいい。その上で、反対するデモをやり、論戦させる。
大久保の「排外デモ」について、不愉快に思ってる人は多い。でも、「同じ次元で喧嘩したくない」「すぐに終わる。放っておけばいい」と思ってる人が多い。
しかし、なくならない。ますます勢いを増している。「東京にオリンピックを呼ぼう」と言ってるのに、「外国人は帰れ!」デモが行われていては、開催する資格はないだろう。
やはり、声を上げるべきだ!と何人かが呼びかけた。
ちょっと怖そうな名前の「しばき隊」もいる。強く抗議するという意味らしい。
又、おとなしく、沿道から抗議する「プラカード隊」もいる。私は「そっちに入って下さい」と言われた。「直接、闘うよ」と言ったんだけど…。
「彼らが言論でやるなら言論でやる。彼らがゲバルトで来るのならゲバルトでやる」などと「国会集会」で威勢のいいことを言っちゃったし。
「ザ・コーブ」の時のように、彼らの前に行って、「論争」を呼びかけようと思った。ボコボコにぶん殴られるかもしれない。それでもいいと思った。実際、あの時は、ハンドマイクで殴られたし。
しかし、大久保では、沿道にビッチリ、警察官がいて、道路に出れない。
又、隣りには有田芳生さん、池田香代子さんたちがいる。私だけ暴走して、迷惑をかけては申し訳ない。そう思い、ジリジリしていた。


C「日本人の品格を貶める」と『レコンキスタ』

初めて見たが、聞きしに勝る醜悪なデモだった。ヘイトスピーチ、民族侮蔑、差別…のオンパレードだった。とても口に出せない言葉がプラカードに大書されている。
それと、沿道の人々からの反対の声が多い。これは驚いたし、勇気づけられた。
「仲良くしよう」とゼッケンを付けた人も多い。
又、「排外デモ」の後を追いかけて抗議する人々もいる。
抗議する人の方が圧倒的に多い。これはいいことだ、と思った。国民の健全な意志が出てきたのだ。
一水会の機関紙「レコンキスタ」(4月号)は、1面トップで「排外デモ」反対が書かれていた。

〈われわれは日本人の品格を貶める「ヘイトスピーチ」には与しない!〉

と。これはいい。サブタイトルは、

「わが国の美風に反する憎悪の連鎖を止めろ!」

だ。一水会代表の木村三浩氏が書いている。堂々の論文だ。小見出しはこうだ。

@法的規制には反対だ
A政治の季節といわれたころの闘争形態
B実効性を伴わない便所の落書き
C矮小化せず気宇壮大な理念を実践すべき

だ。

右翼・民族派は決して、排外主義ではない。そのことを、はっきりと言っている。
4月2日(火)、ロフトプラスワンで孫崎享さんとトークをしたので、この「ヘイトスピーチ」デモについて話し合った。
又、一水会の若者が新聞を持って来ていたので紹介した。多くの人が買ってくれた。
又、4月4日(木)には、私は「日本外国人特派員協会」に呼ばれたので、「我々は、こうした民族排外主義とは無縁だ」と強調した。
この時の報告は、次週に書くが、写真だけは、載せておこう。
それにしても、よく、私なんかを呼んでくれたと思う。
だって、今までここで講演した人といえば、三島由紀夫、田中角栄、ダライ・ラマ…と〈世界史〉に残る人々ばかりだ。そこで喋ったのだ。
テーマは「従軍慰安婦問題」だ。そして、日本の「右傾化」についても私は話をした。
安倍総理大臣が河野談話の見直しの必要性について言及した。今後、日本政府は、従軍慰安婦問題を含む歴史問題にどう取り組み、アジア近隣諸国とどう向き合うべきか。それについて語ってくれと言うのだ。
初め2人だったが、この後、3人になった。和田春樹さん、西尾幹二さん、そして私だ。
3人の間で、かなり激しい論戦も行われた。又、外国の特派員からの鋭い質問も出た。
私にとっては、生まれて初めての体験だった。試練でした。
西尾さん、和田さんの話はとても有意義で勉強になりました。お二人の前では私はただの「前座」でした。でも、又、じっくりと話を聞きたいと思いました。ゼミか雑誌の対談ででも。と思いました。


http://kunyon.com/shucho/130408.html  

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