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2013年04月12日 世相を斬る あいば達也
随分あっさりTPP交渉参加の日米合意が出来たものだ。今日にも、閣議で合意文書を決定、安倍が発表すると云う。民主党時代から、霞が関が着々アメリカと交渉していたのだな、でなければ、2,3ヶ月で合意などする筈もない。朝日新聞によると、早速日本郵政傘下のかんぽ生命のガン保険など、外資のガン保険と競争する新商品を出す予定だったのに、潰されたようだ。安倍晋三は日本の生命保険会社を守らず、アフラックスを守ると云うことだ。最近の右翼ってのは、米国を守るイデオロギーなンだね。マハティールがルックイーストで日本に学べ、日本よ、アジアを纏めろ!と発言した時代があった事さえ幻のように思える。
マレーシアの政治家、医師であり、マレーシア第4代首相のマハティールは、22年間を首相を務め上げた。開業医から政治家に転じ、欧米諸国ではなく、日本の経済成長を見習おうという「ルックイースト政策」をはじめ、長期に及ぶ強力なリーダーシップにより、華人からマレー人によるマレーシアをつくりあげ、マレーシアの国力を飛躍的に増大させた。同氏がルックした当時の日本には見るべきものが数限りなく存在した。時代は異なるが、ポルトガルの宣教師たちも、日本社会の安定度に度肝を抜かれ、苦しく悲惨な民があっての宣教だけに、何処から布教の足がかりを見出すか苦労したようである。話は逸れてしまったが、月刊日本に面白い記事の一部があったので、以下に掲載しておく。
≪ マハティールに見捨てられる日本 稲村公望
(前略)
欧米流の発展とは別の道がある
ーーーところが日本は、マハティール氏が手本とした日本独自の手法を自ら捨て去っていった。
稲村 一九八〇年代にも日米の通商摩擦はあったが、それでも日本は独自の経済運営を維持していた。ところが、東西冷戦 が終結する一九八九年頃から、日本の規制や制度に対する批判が強まっていった。例えば、ジェームス・ファローズ氏は一九八九年五月に「日本封じ込め」と題 した論文において、「自己中心的な日本人には、かつては封建領主への、そして現在は会社にたいする忠誠心や家族の名誉心はあるが、欧米の価値観である慈善 心、民主主義、世界規模の兄弟愛はもち合わせていない。これが日本と欧米の決定的な道徳上の行動形態の違いである」と述べ、日本の文化、道徳的価値観、習慣のすべてを日本は変えるべきだと要求した。
まさにこの時期に、日本の制度をアメリカ流に変えようとする試みとして日米構造協議が開始され、やがてそれは日米経済包括協議、年次改革要望書として受 け継がれていく。構造改革の名のもとに、日本の制度を破壊しようという目論見は、小泉政権時代に一気に加速した。そして今、TPPによって再び大掛かりな 日本の制度破壊の謀略が進められている。
── 日本に対するマハティール氏の失望感は、察して余りある。
稲村 日本はアメリカへの従属を深め、自らの国の運営を放棄して欧米流を礼賛してきたが、マハティール氏は欧米流の発 展とは異なる独自の発展の道を高らかに掲げた。彼は一九九一年に、二〇二〇年までの国家ビジョンを示し、「強い宗教的・精神的価値意識を持ち、最高水準の 倫理を持つ」ことを目標として掲げたのだ。
これは、新自由主義者たちが期待する国家の対極にあるものだった。だからこそ、マハティール氏は孤高の戦いを続けなければならなかった。
一九九〇年に彼は東アジア経済グループ(EAEG)構想を提唱した。先進国との通商交渉を東アジアが団結して乗り切ることがその第一義的な目的ではあっ たが、そこには価値観を共有する東アジア諸国間の交流を深め、欧米主導の経済秩序を転換させようという狙いがあったのではないか。自由競争を徹底させ、強 者が一方的に勝つような秩序ではなく、平等、相互尊重、相互利益の原則が貫かれる経済統合のモデルを作ろうという考え方だ。
いまTPPによって、国家主権より大企業の特権が保護される時代が訪れる危険性が指摘されているが、マハティール氏はまさに欧米大企業による世界支配の 危険性をいち早く察知していた。彼は、一九九八年六月、東京で開かれたセミナーで「明らかに、わずかな巨大企業だけで世界を支配することは可能だ。それに 備えるかのように、大企業や大銀行は吸収・合併でより巨大化しつつある」と語っていた。
── マハティール氏は、再三にわたって日本がEAEGを主導することを要望したが、日本はアメリカの顔色を窺うばかりで、マハティール氏を失望させた。
稲村 その後、EAEGの枠組みの会議は、ASEANプラス日中韓として実現したが、日本はリーダーシップをとらな かった。その結果、マレーシアのみならずASEAN各国は中国への傾斜という道を選ぶ羽目になった。 以下全文は本誌4月号をご覧ください。≫(月刊日本HPより)
これ以上望月氏の話を読みたいときは月刊日本を購読してください。マハティールや「ルックイースト」に興味がある時は、検索すると色々と考えさせられる情報に出遭うので、是非キーを叩いてみてください。もう今日の出来事で、日本はズブズブの泥沼に嵌ったようだ。自民党は、先の選挙公約を守るささやかな抵抗一つ見せず、勝ち誇ったような態度を取るのだろう。どういうことなのだ?舌の根も乾かぬうちに、息するように嘘を吐く安倍自民。それに歓喜で応える愚民の群れ、あぁ疲れて文章が浮かばない。今日は筆を折ることに……
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