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2013-04-12 07:10:08 生き生き箕面通信
甘利・経済再生相が本日4月12日、TPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加を正式に発表します。TPPの本質は、市場原理主義の貫徹というところにあります。市場原理主義の行き着く先は、「格差社会」であり、裕福な層はより裕福に、恵まれない層はより貧しくなる社会です。後世の歴史には、本日この日は日本が福祉国家から格差国家へ舵を切った日として評価され、歴史に残されるのでしょう。
TPPは、高度の規制撤廃をめざすものです。具体的には、参加国にアメリカのルールを押しつけるものです。交渉とありますが、単に農業のあり方や医療、介護、あるいは保険の規制撤廃について屈服させられるだけでなく、アメリカ自身は自動車のアメリカへの輸出自粛などを求め、それを飲まされる得て勝手な”交渉”です。
端的にいえば、日本の国柄をまるごとアメリカ化しようとするものです。それは、「市場原理主義で覆い尽くされた社会」です。
先日のサッチャー元英国首相の逝去が大きなニュースになりました。多くの哀悼の声が寄せられました。中でも「英国病から英国を救ったアイアン・レディー(鉄の女)」という賛辞が目立ちました。英国病から救ったとされる手法は、当時アメリカでレーガン大統領が進めていた市場原理主義の経済政策をモデルにしたものでした。そして英国は、それまでの「ゆりかごから墓場まで」という輝かしい福祉国家から、一気に格差社会へ変貌、いまでもサッチャー氏に対する評価は英国国内で大きく分かれています。当時、アメリカでは、ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマンが旗を振る市場原理主義がばっこしていました。
それが英国に飛び火し、日本の中曽根首相(当時)の行政改革などにも大きな影響を与えました。日本では、その後の小泉政権で、1周遅れの竹中平蔵氏が新自由主義を横行させ、郵政民営化を実現しました。
その新自由主義を押し返すはずだったのが、民主党への政権交代でした。ところが、新自由主義の流れは底流で生き続け、ついにTPPという格好の名目を見つけ、正式に復権するわけです。ミルトン・フリードマンは、1982〜86年の間、日銀の顧問に就任した経歴があり、日本での新自由主義の流れと歴史は知られている以上に根が深いといえます。
私たちは、アメリカの属国として日本、そして不平等な格差社会を、後世に残すことになります。
◇
TPP 米との事前協議大筋合意
動画⇒http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130412/t10013859911000.html
4月12日 4時37分 NHK
TPP=環太平洋パートナーシップ協定を巡って、日本の交渉参加の最大の焦点となっていた、アメリカとの事前協議が大筋で合意に達し、政府は、最終的な文言調整を行ったうえで、12日、アメリカと合意文書を取り交わしたいとしています。
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉に参加するためには、すでに交渉に加わっている11か国の同意が必要で、政府は、まだ同意を表明していないアメリカなど4か国との事前協議を進めてきました。
このうち最大の焦点となっていたアメリカとの事前協議は、日米両政府が詰めの調整を行った結果、大筋で合意に達しました。
それによりますと、自動車分野では、アメリカは当分の間、関税の引き下げを見送る一方、日本は、書類上の審査だけで輸入を認める台数を2000台から5000台に増やすとしています。
また、保険分野では、アメリカ側が、日本郵政グループのかんぽ生命の業務範囲に懸念を示していましたが、日本側が、公正な競争の原則を守ることで、ほぼ決着しました。
さらに、食品の安全基準などは、各国の主体性を尊重することを前提に引き続き協議を進めるほか、日本の農産物の関税には一定の配慮をすることを改めて確認するなどとしています。
政府は、アメリカ側と最終的な文言調整を行ったうえで、12日に合意文書を取り交わしたいとしており、TPP関係閣僚会議で内容を確認したあと、TPPを担当する甘利経済再生担当大臣が記者会見を行って、内容を発表することにしています。
アメリカとの事前協議が大筋で合意したことで、政府は、日本の交渉参加にまだ同意を表明していないカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの3か国との協議を急ぎ、7月からの交渉参加を目指すことにしています。
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