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ひどい時代である。東京や大阪の在日コリアンが集住する地区で、排外主義団体が「死ね」などというスローガンを叫んでデモを繰り返している。東京の町田市では、小学校の全新入生に配布している防犯ブザーを、朝鮮学校の児童だけには配らないことを決定した。学校のいじめが社会問題だというのに、教育委員会が率先していじめを行うとは、言葉もない。教育委員会は住民感情に配慮と言うが、それは卑怯な逃げ口上である。「国籍を問わず、町田に住む子供たちの安全を守ることが教育委員会の任務だ」とだけ言えばよい。
極めつけは、5日の朝日新聞朝刊に掲載された石原慎太郎氏のインタビューである。この人の最大の不幸は、「軍事国家樹立」を唱える自分が、自身の忌み嫌う北朝鮮の首領と瓜二つであることに気付かない点である。
石原氏は、いまの憲法のせいで日本は世界から孤立していると言うが、それは自分が世界について無知であることを吐露したようなものである。文明世界では、差別や人種主義を断固として否定しなければ、一人前に扱ってもらえない。憲法を軽侮し、排外主義をあおっている連中こそが、日本を孤立させる張本人である。
件のインタビューはお説拝聴に終わっているが、これは本音を引き出すための策略なのだろうか。今後の報道を注視したい。
東京新聞4月7日
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