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日朝共同闘争で朝鮮学校・
民族教育を守り抜こう
すべての子ども
たちに学ぶ権利
三月三一日、東京日比谷野外音楽堂で「朝鮮学校外しにNO!すべての子どもたちに学ぶ権利を!3・31全国集会・パレード」が、同実行委員会の主催で行われ会場を満杯にする六〇〇〇人が結集した。
かつて民主党が打ち出した「高校授業料無償化制度」は朝鮮高校だけを適用対象から外し、その後、在日朝鮮人民衆、高校生、父母会、教師たちの必死の闘いによって「審査」という形にもちこんだ。こうした紆余曲折を経たが適用対象にはならず、自民党安倍政権の誕生によって完全に対象外にされてしまった。
しかし、在日朝鮮人の闘いの火は終わったわけではなく、ますます燃え上がり新たな高揚が始まろうとしている。三月二四日には名古屋で愛知朝鮮高校の生徒五人(無償化制度開始の年に高校生だった)が国を相手に国賠訴訟を起こす闘いを開始し、その勝利をめざす決起集会が五〇〇人の結集で勝ち取られ、大阪では、無償化外しに反対する集会、デモが二〇〇〇人の結集で勝ち取られた。東京でも抗議行動が勝ち取られた。
今回の集会は、無償化適用から外すだけでなく、神奈川や大阪など補助金の打ち切りなどの動きに対し、朝鮮学校と民族教育を守る決意をうちかためる全国集会として勝ち取られた。
右翼の排外主義
宣伝を許すな!
会場の日比谷野外音楽堂の周辺は、集会が始まる一時間以上前から右翼の街宣車数十台が大音量で差別排外主義を煽り騒然と緊張感の張りつめる状況となっていた。このような中でも続々と朝鮮人高校生、学生、父母会、教師たち、そして日本人労働者が日比谷野音に結集してくる。平和フォーラム系の労働組合も約一〇〇〇人が参加し、会場右側を陣取った。
定刻前、朝鮮大学の学生、数十人がステージに勢ぞろいし、無償化外しに対する怒りのアピールとシュプレヒコールを上げ、学生たちが作詞作曲した「声よ集まれ、歌となれ」を参加者と共に合唱した。
ともに人権と
民主主義守る
午後一時、集会が始まり、集会実行委員長の長谷川和夫さんが開会あいさつを行った。
「今、日本は、社会排外主義が蔓延し、憲法改悪の動きが活発化している。この安倍政権が最初に行ったのが朝鮮高校無償化排除の方針でした。この動きに対し七つの団体が実行委員会をつくり本日の全国集会を開催しました」。
「私たちは思い起こすべきです。二〇世紀は戦争の時代でありアジアの人々の言語と文化を奪った時代です。過ちは反省し、二度と繰り返さないのが人間だ。今の安倍政権を糾弾するだけでなく在日朝鮮人と日本人の人権と民主主義を守るべき闘いをしよう」。
「私たちは、在日朝鮮人の人々が愛し守り抜いた朝鮮学校を絶対に守る、かたい団結を作った歴史的な日として今日の集会を記憶しよう」。
良心をつなぎ
信念をこめて
集会によせたメッセージでは、ルポライターの鎌田慧さん、千葉大学文学部教授の三宅晶子さん、元スカルノ大統領夫人のデヴィ・スカルノさん、映画「ウリ・ハッキョ」監督のキム・ミョンジョンさんが発言した。この中でキムさんは「日本は外交で子どもたちを人質にとり国際政治に利用するのか!」と糾弾し、会場周辺で大音量の罵声で妨害する右翼に対しても「ヤクザのコールで私たちを黙らせるとでも思っているのか!」と一喝した。また日本人に対しても「日本のみなさん、自分の国を美しくしてください。真実に向けて顔を上げてください。日韓を連帯の手で結びましょう。日本の良心と韓国・世界の良心をつなぎゆるぎない信念で闘いましょう」とアピールした。
キムさんの発言の後、司会から、本年三月二九日、韓国の参与連帯などの市民団体五〇〇団体が朝鮮高校無償化外しに抗議する共同声明が出されたことが紹介された。
朝鮮高校生徒
たちのアピール
続いて、朝鮮高校生による民族舞踊と合唱団の歌と踊りが披露され、全国に一〇ある朝鮮高校の生徒代表一〇人が登壇し、アピールを行った。「二〇一〇年の無償化制度は画期的なものでした。しかし、『国交がない』『反日教育をしている』『総連とつながりがある』との理由で適用から外されました」。
「どれも私たちには、かかわりのないことです。この制度は各高校生個々人への支援だったのではないのですか?民主党は個人ではなく朝鮮高校だから外した。これは明白に差別だと思います」。
「私たちは街頭署名やデモを行い一〇代後半の私たちにできることをすべてやりました。街頭に立つとののしられることもあります。そういう怖い思いもしながら署名を集めました。しかし、そのたびに自分は差別される存在なのだと思ってしまいます」。
「この間、神奈川や大阪で朝鮮高校への補助金が廃止されています。このような状況の中『希望をもて』『正義は必ずとおる』と周囲の大人たちは励ましてくれますが、現実のあまりの理不尽の前になすすべを持たない私たちの気持ちは、複雑です」。
「私たちは生まれ育った日本に敵意も害意もありません。それなのになぜ差別するのですか?無償化と補助金の問題は金銭の問題ではなく、この日本で生きていくためによりよいものにするためだと考えています。差別をする道理や余地はありません。私たちはこれからも日本の地で一人の朝鮮人として堂々と胸をはり人の役に立つ人間になるために学び続けることを約束したいと思います」。
人間の尊厳が
かかる闘いだ
続いて、朝鮮高校校長会の高さんが登壇し「まさか適用されないまま三年も卒業させてしまうとは思わなかった。無償化が実現できたら親に楽をしてもらえる。そういう思いがあった。三年間頑張ってきたがつらい思いをさせてしまった。だがお金の問題ではない、人間の尊厳をかけて堂々と闘いたい」とくやしさを乗り越えて闘う決意を述べた。また「日本人の支援者は『自分のことのよう』ではなく『日本人の問題』として運動を繰り広げてくれた。本当に頭がさがります」と連帯への感謝の気持ちを述べた。
連帯あいさつでは、「無償化連絡会・大阪」の代表が、三月二四日大阪で無償化外しに抗議する集会とデモが二五〇〇人の結集で勝ち取られたことが報告された。さらに無償化外しと補助金の廃止に対する裁判を始めていることと、逆に大阪市が土地の明け渡しを求めて中朝鮮初中級学校を提訴したことを報告し、守る闘いを展開する決意を述べた。そして補助金が打ち切られた朝鮮学校の財政を支えるために「ホンギルトン基金(大阪朝鮮学園支援府民基金)」が設立され現在、約一千万円が集まり、基金した人の七割が日本人であることが報告され、大きな拍手を受けた。(※ホンギルトンとは差別と悪政に苦しむ民衆を救った朝鮮中世のヒーロー)
愛知県からも無償化ネット愛知の代表がこの間の取り組みを報告した。(別掲記事参照)
全国のオモニ
たちが訴える
集会も後半に入り、全国のオモニ(母)会の代表二二人が登壇し、それぞれの決意と怒りを述べた。茨城の代表は「子どもたちが街宣などに頑張っている姿を見て、私たちも闘ってきた。安倍は完全に私たちを排除した。許せない」と発言した。
東京オモニ会の代表は「二〇一〇年二月二七日から行った国会への要請行動、集会、街宣は数え切れません。理不尽であからさまな差別です。こんなことをしてはいけないことぐらい先進国の日本はわからないのでしょうか?子どもたちの未来を閉ざすわけにはいかない。先代が作り、育んだように私たち親の世代が頑張るのは使命だ。私たちは孤立していない。多くの日本人の味方がいます。強いスクラムで子どもの未来を守ろう」と決意を述べた。
神奈川オモニ会の代表は「今、朝鮮学校の助成金が次々廃止されています。皆、義憤に満ちています。政治の刃が大人たちの手によって子どもたちにも危害が加えられようとしています。これは間違いです。差別です。私たちの願いは安心して朝鮮学校で学べるようにすることです。」「こんな中でも日本の友人たちは、自分の子どものことのように行動してくれた。三年間本当にうれしかった。多くの勇気をもらいました。みなさん、これからも私たちと共にいてください」と思いを述べた。
胸を張ってパレ
ードをやりぬく
すべての発言が終了し、集会アピールが読み上げられ、常盤橋公園までのパレードに出発した。数寄屋橋交差点や東京駅周辺には数十台の右翼が街宣車を反対側車線沿道に停め、大音量で罵詈雑言をあびせかけたが、パレード参加者はものともせず、堂々とパレードを貫徹した。パレード後尾の平和フォーラム、労働組合も力いっぱいコールをあげ最後までパレードを行い解散地点前では朝鮮人参加者からエールをもらい共に交歓しあい、この日の行動を終了した。日朝日韓民衆連帯が今まで以上に求められている。共同の闘いで朝鮮学校、民族教育を守り抜こう。 (青木)
3・31集会アピール
私たちの決意!
私たちは、日本に生きる者として強く要求する。
「日本に生きるものすべてに平等な権利を保障することを。」
日本政府は、高校授業料無償化制度を決定し2012年9月11日、国連人権規約社会権規約13条2項の留保を撤回した。このことにより、日本の高校等のすべてが「無償化」されるはずであった。しかし、朝鮮高校で学ぶ生徒には適用しないことが決定された。
日本政府は、日本国民の理解が得られないと主張する。「国民」とはだれか。そして、日本に学ぶすべての高校生に無償化制度を適用することは、日本政府の国際社会での責任でもある。
国連憲章55条3項は「人種、性、言語または宗教による差別のないすべての者のための人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守」を要求している。このことは、人類の長い歴史の中から普遍的原則としてつくられてきたものである。どのような状況にあっても、どのような理由があっても、侮り軽んじてはならない。
私たちは、今日ここに集うすべての者は、そして今日の集会に賛同するすべての者は、この日本政府の理不尽な、許されない差別に対して満腔の怒りを込めて主張する。「日本に生きるものすべてに平等な権利を保障することを。」
(本アピール文は、四月三日に文部科学省に提出された。)
運動へのカンパ振込先は、ゆうちょ銀行00190-9-473007「高校無償化」連絡会まで。
3.24朝鮮高校就学支援金差別は違憲だ
国家による不当排除NO
決しておカネの問題ではない
【愛知】三月二四日愛知県名古屋市の千種区役所講堂で「3・24朝鮮高校就学支援金差別違憲訴訟決起集会」が、「愛知朝鮮学園」と「朝鮮高校にも差別なく無償化適用を求めるネットワーク愛知」の主催で行われた。参加者の発表はなかったが講堂を満杯にする朝鮮高校生とその卒業生、父母、教師、そして共に無償化実現にむけて闘いを開始した日本人の参加者で熱気あふれる決起集会となった。
存在と人格を
かけた闘いだ
愛知県では、二〇一〇年民主党政権下で高校授業料無償化政策が行われたが朝鮮高校だけが無償化適用を外されたことに反対する闘いが三年にわたって続けられてきた。そして、ついに日本国そのものを訴訟する闘いに踏み切った。今回、訴訟するのは、二〇一〇年(高校無償化制度開始年度)の当時の朝鮮高校生である。マスコミによる反「北朝鮮」キャンペーンや在特会などの差別排外主義の動きが激しい中での日本人社会に生きる在日朝鮮人の全存在と全人格をかけての決断であった。日本人労働者の共同の闘いが今こそ必要であり、共に朝鮮高校の無償化を勝ち取らなければならない。
みんなが原告に
なったつもりで
定刻になり、司会者のあいさつで集会が始まった。最初に朝鮮中高級学校の校長先生が経過報告を行った。「日本は朝鮮高校だけを無償化適用しなかった。他のインターナショナルスクールや国交のない台湾の学校は問題なく適用したのに朝鮮高校だけ排除するのは差別だ。今日の集会は、その訴訟を力強く進めるために開催した」「三年間にわたり朝鮮高校の生徒たちは何度も集会や街頭署名を行い、一万一〇〇〇筆の署名を集め、文部科学省に提出した。しかし時間をひきのばし拉致問題を理由に無償化は実現できていない」。
「今回の訴訟にあたっては、何度も悩み、意見を出し合い決断し、今年一月二四日提訴した。これは金銭の問題ではなく日本国に差別を認めさせる闘いだ。すべてのみなさんが原告になったつもりで強い意志でご協力をお願いする」。
続いて結成された訴訟弁護団一二人の内七人が壇上に勢ぞろいし紹介された。代表の弁護団長の内川恵一さんは「いよいよ裁判が始まる。日本国憲法の下でこのようなことが起こるのはとんでもないことだ。裁判では多くの傍聴者の参加が裁判官の変化を起こすこともある。ぜひ、裁判の傍聴をお願いする」と決意と支援を訴えた。
子どもが教育
を受ける権利
次に弁護団事務局長から訴訟報告が行われた。「本件の訴訟は、生徒と卒業生による国家賠償請求になる。国賠訴訟とはなにか?それは、国家公務員の違法行為による権利侵害に対して損害賠償金を求める裁判です。損害項目として慰謝料を請求する。なぜか?この裁判で支給されなかった額を請求するためだ。しかし、これはお金の問題ではない。これは、差別なのだと明らかにすること。社会的認識として差別だと認めさせ是正させる。そういう思いで国賠請求を決断した」。
「日本国憲法では外国籍の人も平等に扱うとしています。民主党の政策で無償化が画期的だったのは今まで支援してこなかった外国人学校にも支援するということだ。ところが当時の拉致担当大臣がストップをかけ、これに対し国連が『子どもの教育に政治外交は関係ない』と勧告したが『教育内容がよく分からないから審査する』とした。ところがヨンピョン島砲撃事件で中止され、その後、再開されたが『拉致問題が安定しないから』『国民の理解がえられないから』として打ち切られた」。
「今回の高校無償化外しの意味は、『気に入らない子どもには支援しない』ということだ。これは、学習権の侵害であり、学生たちに対する人格権の侵害だ。朝鮮学校は民族性を取り戻す学校です。一世二世の多くの犠牲で作り上げてきた。子どもが教育を受ける権利を享受するのは大人の責任だ。原告と私たちの決意を支えてください。民族差別の激しい中での闘いになる。みなさんの支援をお願いします」。
次に、この集会のために韓国から来日した、映画「ウリハッキョ」の監督であるキム・ミョンジャンさんがあいさつを行った。キム・ミョンジャンさんは、まず自分が韓国のNPO団体「朝鮮学校を愛する人々―モンダンヒョンヒル」の事務総長であることを紹介し、「これから読む文は、朝鮮学校を愛する韓国市民団体全ての共通の声だ」と前置きし、無償化から外すことの差別への怒りを述べると共に日本人に対しても、「立場を変え、歴史をふりかえって考えてほしい」と訴え第二次世界大戦時、アメリカで多くの日系人が収容所に入れられた歴史を例にして考えを促すとともに日本政府を批判した。さらに今回の事態は私たちの無関心だったと述べ謝罪するとともに日本の良心的な人々と共に手をつないで勝利を確信しようと述べた。
分断はねのけ
統一を求めて
小休止を挟んだ後、愛知朝鮮高校の生徒、父母、教員がそれぞれの思いと決意を述べ、日本人の側からは、
愛知県立大学教授の樋口浩造さん、「ネットワーク愛知」共同代表の磯貝治良さんが発言。さらに「朝鮮学校を支援する全国ネットワーク」は、三月三一日東京日比谷野外音楽堂で「朝鮮学校外しにNO!すべての子どもたちに学ぶ権利を!全国集会・パレード」への参加を呼びかけた。文化公演として朝鮮高校合唱部の唄と弁論部の「統一祖国の一世はわたしたちだ」が読まれ、祖国統一への思いと祖国が分断されていることへの痛みを述べた。
最後に集会アピールが読み上げられ、サムリノルの演奏とアリランの唄を歌いながら決意を固め集会は終了した。すべての日本人労働者は在日朝鮮人民衆の呼びかけにこたえ全力で朝鮮高校無償化を勝ち取ろう。 (越中)
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