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安倍自民党がシャカリキになる国防軍の正体
http://gendai.net/articles/view/syakai/141875
2013年4月11日 日刊ゲンダイ
「96条改正案」参院選前に提出も
<徴兵制法案も可能に>
北朝鮮危機を足掛かりに改憲派が勢いづいている。自民党の保利耕輔憲法改正推進本部長は10日、改憲のルールを定めた憲法96条の改正案提出について、「参院選前も検討する」と言い出した。
もっとも96条改正は入り口に過ぎない。問題はその先である。自民党は憲法を変えて何をしたいのか。
安倍首相がシャカリキになっているのは「国防軍の創設」だ。自民党の憲法改正草案にも「国防軍を保持する」と明記されている。
それでは、国防軍とは何なのか。安倍は9日の衆院予算委員会で、「集団安全保障の観点から、国防軍が責任を果たす」と話している。もっとも、これはきれい事に過ぎない。
名古屋大名誉教授の森英樹氏(憲法)が言う。
「05年の新憲法草案で自衛隊は自衛軍と改められています。それが12年の憲法改正草案で国防軍になった。自民党の幹部メンバーの発言を拾い集め、名称変更の意味を探ると、自衛軍は自分たちを守ることにしか使われないが、国防軍は国益を懸けて出動していく部隊であることが分かります。日本の存亡が懸かる事態に直面した場合、先制攻撃も辞さない。制約を失った何でもありの軍隊というわけです」
日米同盟と結びつけば、イランでもイラクでも出撃だ。非戦闘地域に限定されることもない。最前線の激戦区でもお構いなしで駆り出される。殺し合いに加わるのだ。
そうなれば、除隊希望者が相次ぐことも考えられる。人員が不足する可能性は高い。考えられるのは「徴兵制」で、憲法草案には、そのための仕掛けも盛り込まれている。
「草案の9条3には『国は国民と協力して領土領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない』という義務規定があります。裏を返せば、国民にも国への協力を義務付けること。また、前文でも、まぶされている言葉を取り除けば、『日本国民は国を自ら守り』とあります。これらは法律で徴兵制を導入しても、憲法違反にならないための布石と考えられます。自民党は徴兵制を“考えていない”としていますが、“憲法に違反する”とは言ってません。現行憲法は18条で“何人も奴隷的拘束を受けない”と規定しています。これが9条とともに徴兵制に歯止めをかけているというのが学界での通説ですが、草案では、これらの文言も削除されています」(森英樹氏)
96条の改正は、時代の針を巻き戻すアナクロな愚行である。
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