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本日の日経朝刊には「原発、新興国で初実績 三菱重・アレバ、トルコで受注へ」という見出しの記事がある。それによると・・・・
三菱重工業と仏アレバの企業連合がトルコで原子力発電所の建設を受注することが確実となった。中国や韓国などの企業と競合し受注は難しいとされたが、日本政府の後押しなどにより優先交渉権を獲得。総事業費2兆円規模とされる原発プロジェクト参加への道が開けてきた。トルコは日本と政治的に親密な関係にある。それが今回の優先交渉権獲得に結びついたとみられる。他の日本メーカーも日立製作所が英ホライズンを買収するなど、原発事業の海外展開を急いでいる。ただし日立の受注がほぼ確実となったリトアニアで実施された国民投票で「建設反対」が多数となるなど、先行きには不透明感もある。・・・・
ということだ。有史以来、最大の事故を起こした福島第一原子力発電所の1号機〜3号機は、現在も溶け落ちた核燃料がどこにあるかまったくわからず、とりあえず水をかけることでかろうじて温度の再上昇を防いでいる。こんな状況では、さすがに国内で新規の原発をつくることできず、原発メーカーとしても海外に活路を求めるしかない。
だが、とてつもない破局事故を起こして、いまだ収束させることさえままならない国の原発を導入するというのは、普通に考えれば狂気の沙汰で、いくら政府がOKでも(そこには当然、金銭の動きもあるだろう)、国民感情が許さない。したがってリトアニアの事例は当然のことだろう。
そんななかで、トルコが三菱重工の原発を導入することが確実になったという。しかもこの記事によれば、競合する中国、韓国に比べて苦戦が予想された商戦だったようだ。ところが、「政治的に親密な日本政府の後押し」もあって、受注にこぎつけた……。
ところで──。トルコ(イスタンブール)といえば2020年の五輪誘致に日本(東京)とともに名乗りをあげている国だ。もしトルコで五輪が開催されればイスラム圏初のこと。それだけにトルコは大変に力を入れており、過日のIOCの開催候補地の視察でも評価が非常に高かったという。そもそも私は2020年に東京で五輪が開催される可能性は限りなく低いと思っている。
その理由は、こちら(http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2013/03/20-65cc.html)に書いたが、2018年に韓国で冬季五輪、2019年に日本でラグビーワールドカップ開催というスケジュールを考えただけでも、可能性は低い。そして、それは日本の誘致関係者だって十二分にわかっているはずだ。にもかかわらず、なぜ五輪誘致にこれほどまでにこだわるのか?
その理由は広報予算にあるのではないかと私はこれまで推測していたのだが、今日の日経の記事を読むと、「本命はこっち(原発輸出)だったんだナ」と思う。五輪誘致に一度も成功したことがないトルコが、オリピック開催を熱望していることは間違いなく、その熱意は東京やスペイン(マドリード)よりずっと上だろう。私は別に何もしなくても日本が勝つことはないと思うが、それでもオリピック開催を確実なものにしたいトルコに、もし日本から「原発を受注してくれれば、(最後まで形式的に誘致活動はするが)日本はそっと降りる」というサインが来たら、とりあえずこれに「乗る」ことはあるのではないだろうか。そして、それが故に、日本はオリピック誘致にこだわった。
ちなみに日本の誘致の旗振り役はなんといっても石原慎太郎だったわけだが、この男は誰もが知るゴリゴリの原発推進論者、つまり原発メーカーと密接な関係がある。となると、こういう原子力ムラの枠組みのなかから、原発輸出と五輪誘致をセットにしたストーリーが練られた可能性は十分にあると思う。と、まあこれはいつもながらのうがった推測であるが、そのぐらいのことをやるのが日本の原子力ムラであり、一方でIOCが非常に政治的な組織であることもまた周知の事実である。
それだけに五輪誘致をめぐって政治的な取引をすることは、さして難しいことではないだろう。ただし、こうして2020年の五輪開催地がトルコに決まったあと、トルコ政府が国内で「日本の原発輸入反対」の声に火をつけて国民投票に持ち込み、「建設反対」を可決するという手もある。そうなれば、トルコの方が政治的には一枚上手ということになる。
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2013/04/post-80b7.html
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