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2013/4/4 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
彼らが「議員定数削減」や「一人一票の区割り改革」などやるわけがない
国会では連日、予算委員会でああだこうだとやっているが、もったいぶった議論を見ているとアホらしくなってくる。この国会は違憲だからだ。
衆院選の「1票の格差」をめぐる問題で、3月末に各地の高裁で判決が出た。全国16件の訴訟のうち14件が「違憲」、そのうち2件は「選挙無効」の判決だ。残る2件も「違憲状態」と断じ、「合憲」判断はひとつもなかった。
国権の最高機関が違法状態なんて、マンガみたいだ。憲法違反の国会がああでもない、こうでもないとやっているのだ。
憲法学の権威で九大名誉教授の斎藤文男氏はこう言った。
「違憲状態で当選してきた国会議員が法律や予算をつくり、違憲の議会が安倍首相を選び、違憲の首相が組閣した政府が、国の方向を決めていく。ため息しか出ませんよ。自分たちの違憲を正すこともできないで何を国会で論じているのか。民主主義とかけ離れた今の日本の政治状況は、異常としか言いようがない。世界が『どうなってるの、日本は?』と目を白黒させていると思います」
こんな状況で「日本は議会制民主主義です」なんて、よく言えたものだ。お隣の独裁国家とさして変わらないのではないか。こんな“お飾り”国会が、予算を審議し、TPPの批准までやろうというのだ。バカバカしいったら、ありゃしない。
◆議員バッジは金儲けの道具なのか
国会では一応、「0増5減」や「区割り調整」について話し合いが行われている。しかし、彼らにどこまで、切迫感や責任感があるのか。きのう(3日)も衆議院の選挙制度改革をめぐって与野党の幹事長会談が行われたが、物別れに終わった。「0増5減」だけ先行実施することを主張する自民党に対し、野党が「議員定数削減などの抜本改革とセットでやるべきだ」と言って反対しているためだ。
もっとも、野党だって本気で反対しているわけではなくて「定数削減を主張しておかないと国民の批判を浴びる」(民主党幹部)というだけのこと。自民党案を基にした「0増5減」の区割り見直し案にしても、最大格差は1・998倍で「ギリギリ2倍は超えないよう調整しました」というシロモノだ。小手先のその場しのぎでしかない。つまり、形だけ議論。「違憲解消に向けて話し合っています」というアリバイづくりだ。
「選挙制度改革を国会議員に任せていたら、進むワケがありません。そもそも、1票の格差は今に始まった話ではない。国会議員は自分たちの議席をいかに守るかしか考えていないから、これまでは定数を増やすことで、なんとか乗り切ってきた。わが身可愛さで、絶対に減らそうとはしないのです。彼らは落選したらタダの人。世襲議員のように、政治が家業になっている人もいる。かつては“井戸塀政治家”といわれるように、私財をなげうってでも国のために尽くすという志のある政治家がいたものです。今は政治が食いぶちになってしまっている。そんな人たちが“身を切る改革”なんてやるはずがありません」(政治評論家・山口朝雄氏)
ホント、今はくだらない国会議員ばかりになってしまった。お笑い芸人が国会議員になって、改革派を気取る。政党を渡り鳥のように移動して、生き残ろうとする。公約をさっさと忘れて、保身に走る。ポスト欲しさに取引する。全員が金儲けと箔(はく)付けのために議員バッジをつけているようなものだ。つまり、民主主義をナメている。そんな連中が「国会議員でござい」とふんぞり返っている。
デタラメな国会議員が多すぎるから、国民から「減らせ!」と言われるのだ。
◆国会議員は一度やったらやめられない
そんな国会議員に一体どれだけの税金が使われているのか。
まず、「議員歳費」が月額130万円。これに年間約600万円のボーナスが加わり、給料だけで年収は2000万円を超える。このほかに「文書通信交通滞在費」が月100万円、「立法事務費」として所属会派に議員1人当たり月65万円が支給される。つまり、国会議員のフトコロに入る“つかみガネ”は年間4000万円以上とベラボーだ。
ほかにも、JR無料パスや無料航空券、都心の格安豪華宿舎、公用車などの特典がズラリ。国会会期中は、正副議長、常任・特別委員長らに日額6000円の「議会雑費」も支給される。
これに公設秘書の給料があり、さらに政党助成金がある。そこから餅代、氷代などが配られるわけだ。それやこれやをひっくるめると、議員1人当たり、年間1億円以上の税金が使われていることになる。それでいて、ロクに仕事もしないのだから、税金ドロボーそのものだ。
連中は、たまに思い出したように「身を切る改革」とか言い出すのだが、一時的なものだ。いつもナシ崩しになる。震災後に始めた歳費の一部返上だって、いつの間にかウヤムヤで、元に戻っている。
自分たちはガッツリ既得権を守りながら、国民には増税を押し付ける。その税金でのうのうと暮らしているのだ。冗談じゃないが、フザケているのは、こんな連中が、またぞろ憲法改正なんて言い出していることだ。
◆違憲議員が憲法改正を叫ぶマンガ
日本維新の会の石原慎太郎共同代表は、退院してきて最初の国会議員団役員会で「参院選の焦点は憲法」と言った。維新は、参院選で「自公の過半数阻止」を掲げる一方で、「改憲勢力で3分の2以上の議席獲得」を目指すという支離滅裂な方針を打ち出している。選挙では反自公で戦いながら、選挙後、憲法改正は協力するということだ。
詐欺みたいな話だが、それでも選挙後、改憲勢力が3分の2以上になれば、憲法改正の要件を緩和するための96条改正へなだれ込むのは間違いない。違憲国会議員が憲法改正なんて、いい加減にしてほしい。
「改憲をどうこう言う前に、とっとと自分たちの違憲状態を是正しろという話ですよ。いま国会で話し合われている『0増5減』は衆議院の選挙法ですが、これだけをやったところで、またすぐ違憲状態になる。その場しのぎでしかありません。それに、最大格差が5倍もあった前回参院選についても、最高裁大法廷は違憲状態と判断。こんどの参院選も1票の格差問題で訴訟になるのは確実です。両院とも違憲状態なのに、憲法違反の国会議員が居座って、憲法改正を叫ぶのだからマンガみたいな話です」
それを批判するどころか、大真面目で報じる大メディアもどうかしている。この国の政治は何から何までお笑いだ。マトモな国民は、もう付き合いきれない。
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