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2013年4月 3日 植草一秀の『知られざる真実』
民主党のメルトダウンが進行している。
考えてみれば当然のことだ。
民主党のピークは2009年の秋だった。
総選挙で大勝して政権を獲得した。
総選挙比例代表選挙での絶対得票率(全有権者に占める得票の比率)は29.4%に達した。
ちなみに昨年12月総選挙での自民党絶対得票率は16.4%に過ぎない。
全有権者の約3割が民主党に投票したのだ。
いまの自民党に投票した主権者は全体の16%に過ぎなかった事実をしっかりと認識しておく必要がある。
主権者が絶大な期待を寄せた民主党は小沢−鳩山氏が主導する民主党だった。
しかし、現在、民主党にこの勢力はほとんど残存しない。
民主党が主権者の絶大な支持を集めたのは、日本政治を刷新するとの期待に基いていた。
既得権益が支配する政治を打破し、新たに、主権者である国民が支配する政治を打ち立てられることを期待したのだ。
既得権益が支配する政治とは言うまでもない。
米国と官僚と大資本が支配する政治のことだ。
たしかに、当時の民主党は、米官業が支配する政治を打破する具体的提案を示していた。
単に示していただけではない。具体的提案を政権公約として主権者に明示していた。
米国による支配から脱却する政策の象徴が普天間の県外・国外移設方針だった。
同時に鳩山由紀夫氏は「常時駐留なき安保」を掲げた。
敗戦から68年の時間が経過しようという現在、サンフランシスコ講和条約第6条に定められた、
「連合国のすべての占領軍は、この条約の効力発生の後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にもその後九十日以内に、日本国から撤退しなければならない」
の条文が存在するにもかかわらず、いまも米軍が日本に駐留し続けている。
日本の独立=主権の回復は占領軍が日本国から撤退して初めて実現するものである。
官僚支配を根絶するために、「天下りの根絶=シロアリ駆除」の政権公約が明示された。
野田佳彦氏は声を張り上げた。
「二万五千人の国家公務員OBが四千五百の法人に天下りをし、その四千五百法人に十二兆一千億円の血税が流れていることがわかりました。
これだけの税金に、一言で言えば、シロアリが群がっている構図があるんです。そのシロアリを退治して、働きアリの政治を実現しなければならないのです。」
「シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。
そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。」
これが民主党が主権者に明示した約束=契約=政権公約=マニフェストであった。
そして大資本による政治の支配。
大資本が政治を支配する力の源泉は「カネ」である。
「政治とカネ」の問題の核心は大資本による政治資金の提供である。
これが企業献金の問題。
企業献金が認められる限り、資本力で優位に立つ大資本が政治を支配する構造を打破することは不可能である。
当時の民主党は画期的な政権公約を提示した。企業団体献金の全面禁止である。
これを明確に公約にまで高めたのは小沢一郎氏である。
企業献金の全面禁止が実現すれば、日本政治の構造は根本から転換する。
主権者の主権者による主権者のための政治が実現することになる。
米国と官僚と大資本が支配する政治の根本を打破して、新たに主権者が支配する、主権者の主権者による主権者のための政治を構築する。
この方針が示され、この方針に賛同して、民主党は政権を獲得したのである。
鳩山由紀夫氏が政権発足に際して、この考えを共有する者だけで内閣を構成したなら、事態は異なる展開を示したに違いない。
ところが、鳩山由紀夫氏はいわゆる挙党態勢の人事を行った。
問題は、民主党内に米官業既得権益勢力が潜伏していたことである。
この勢力に重要ポストを配分したために、鳩山政権は内部から破壊されたのである。
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