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2013/4/2 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
ドロー狙いで「勝ち点1」を分け合う。サッカーでは見慣れた光景だが、政治は90分で結果が出る11人対11人のボールゲームより複雑だ。2週間超の選挙戦で議席を争いながら、互いの目的も達成するのは簡単ではないだろう。
日本維新の会が、今夏の参院選について、自公の過半数を阻止する一方で、みんなの党も含めた3党で3分の2を確保するとの目標を打ち出した。むろん狙いは改憲である。参院定数242のうち162以上の議席を奪って、改憲発議の条件を整える考えだ。
ただ、31の1人区は、事実上、自民党と一騎打ちである。47都道府県で支部があるのは22だけという脆(ぜい)弱(じやく)な組織力で、与党を打ち破り過半数割れに追い込むのは至難の業だろう。しかも、改選議席121のうち、仮に3党で100を取っても、非改選を含めた3分の2には届かないのだ。
掲げた目標は矛盾しているうえ、実現の可能性も低い。さすがに共同代表の橋下徹大阪市長も、「複雑なパズルを解いていかないといけない。非常に難しい選挙戦略」と認めているが、もうムチャクチャだ。
自民党との距離感も分かりにくい。橋下は党大会で「安倍さんは輝いている」と絶賛。「応援するところは応援していかなければ」と強調した。一方で、自民党については「安倍首相や菅官房長官がやろうとしてもできない。既得権突破ができるのはわれわれだ」と批判。まるで、自民党に支えられながら「自民党をぶっ潰す」と絶叫して人気を得た小泉元首相のようだ。ペテン論理の引き写しである。
◆自民との違いがハッキリしない「第2保守」
こんな奇怪な集団でも、いまだに自民党の対抗勢力と目されているのだから、マトモな国民は浮かばれない。
政治評論家の浅川博忠氏が言う。
「維新の会は『第2保守』という自分たちの存在をアピールしたいのです。ハッキリしているのは反民主党で、考えは自民党に近いということ。改憲やほかの政策課題でも、主張の多くが重なっています。ただ、自民党は長期政権で既得権を守る立場になっているのに対し、自分たちは改革勢力だ、と。地方分権を進め、統治機構にメスを入れると訴えています。これが有権者には分かりにくい。ハッキリとした対立軸が見えず、第1保守と第2保守の違いが認知できないのです。そのうえ党内は、大阪勢、国会議員団、旧たちあがれ勢の3極に分かれている。寄り合い所帯を引きずっていることも、ますます党の本質を見えにくくしています」
こんな正体不明のデタラメ政党が、参院選後は自民党と組んで国を動かすのだ。
なんとも恐ろしい話である。
◆まっとうな肉体や精神が伴わない権力者による支配
このまま維新が自民と政治支配体制を築くようなことになれば、尋常でない事態だ。権力を握るのはビョーキを抱えた政治家ばかりなのである。
維新共同代表の石原慎太郎衆院議員は、軽い脳梗塞で入院し、左手の指先にマヒが残るという。本人は「後遺症はほとんどない」「石原なんか早く死ねばいいと思っているんだろうが、そうはいかねえぞ」と意気軒高だが、もう80歳だ。新幹線で大阪に行くのもままならないぐらい足腰も弱っている。政治家として激務をこなせるのか、大いに疑問だ。
橋下は発想が危ない。市長選のあと、「(維新を支持した)民意に従わない職員には市役所を去ってもらう」と主張。独裁者気取りで、自らの批判勢力の排除を宣言している。先日も、全職員へのアンケート調査について「申し訳なかった」と謝罪しておきながら、組合に「間違いが明らかになった」と言われると、「鬼の首を取ったように正しいとするのは違う」とムキになって反撃した。心理学者の矢幡洋氏は、本紙で「批判されるとやり返さずにはいられない。報復主義者の傾向が強い」と指摘している。性格とオツムが心配されるのだ。
パートナーとなる安倍も、腸に爆弾を抱えたまま。新薬で症状は抑えられているというが、完治したわけではない。いつまた政権を放り出すか分からないような状況である。
病気と闘い、克服して、自分の人生を取り戻すのは、一般社会なら美談だろう。声援も送りたくなる。だが、政治の世界は違う。権力を握り、国民の人生まで左右するのだ。立場の違う人たちの意見に耳を傾け、理解し、正しい判断を下せる肉体や精神が求められて当然である。病人では困るのだ。
◆21世紀の潮流は「軍隊不要」
そもそも、この3人は時代を錯誤している。憲法9条を変え、軍隊を保持し、戦争ができる国をつくるなんて世界と真逆だ。アナクロの極みである。
立正大教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「21世紀は軍隊不要の時代です。世界の潮流はハッキリしてきました。米国がイラクやアフガニスタンから撤退したように、最近の戦争は仕掛けた方が疲弊し、ニッチもサッチもいかなくなる。軍事力では国際紛争を解決できないのです。また、アラブの春では、軍隊が民衆を抑えられず、独裁者が倒された。内向きにも、軍隊で抑えられるという考えは古い。この時代にわざわざ国防軍を創設するという発想には呆れてしまう。米国の意向を受けたものとしか考えられません」
豪州労働党政権下で労働相や首相の補佐官を務めた論客で、豪州国立大のヒュー・ホワイト教授は、著書で「米中間の戦争はすでに明確な危険性となっている」と警告。朝日新聞のインタビューで、「米中関係の底流には深い断裂を抱えている」「戦争の危険性も高まる」と指摘した。
「安倍首相や維新の会の石原氏らが改憲を急ぐのは、米国が中国との戦争を視野に入れているからでしょう。石原氏が、わざわざ米国で尖閣購入をぶち上げたのも、日本が戦争準備をしやすくするため。海外での邦人保護や反発する国民への威嚇も考えてのことでしょうが、時代感覚のなさは致命的です」(金子勝氏=前出)
自民党は昨年4月にまとめた憲法改正草案で、個人の権利を制限し、「公益」や「公の秩序」を強調した。アナクロの改憲論者は、権力の乱用を防ぐための憲法を国民の支配に向けようとしているのだ。立憲主義にあるまじき姿。とてもじゃないが、マトモな政治家が夢想する国家像ではない。
国民は勇ましい言動に騙されてはダメだ。
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