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2013年4月2日5時41分 朝日新聞
【田村剛】「一票の格差訴訟」を起こしてきた弁護士グループが1日、今夏の参院選についても選挙無効(やり直し)を裁判所に求めることを明らかにした。47都道府県単位の全選挙区を対象に、全国に14ある高裁本庁・支部すべてで提訴する。グループによると、国政選挙の無効訴訟で、全選挙区が対象になるのは衆参を通じて初めてという。
7月にも実施される参院選は最大格差が4・76倍程度となる見通し。前回2010年選挙の5・00倍からは微減する。
提訴するのは、昨年12月の衆院選について14高裁・支部に無効訴訟を起こした升永英俊弁護士(第一東京弁護士会)らのグループ。参院選の投開票日の翌日に一斉提訴するという。
参院選は一票の格差が最大5倍程度で推移してきたが、最高裁はこれまで、2倍台が続いてきた衆院より寛容な姿勢を示してきた。今の制度上、衆院より少ない定数(選挙区では各回73人)を全都道府県に置く必要があるためだ。
しかし、格差が最大4・86倍に達した2007年選挙について、09年の大法廷判決は「合憲」としながら、「都道府県単位となっている現行選挙制度の仕組み自体の見直しが必要」と指摘。だが、10年選挙でも是正されず、格差は広がった。最高裁は昨年10月の判決で「違憲状態」と踏み込み、一部の選挙区の定数増減にとどまらない抜本改革を迫った。
この判決以降の国会の対応は、昨年11月、都道府県単位の選挙区割りは維持したまま、定数を「4増4減」する小幅是正にとどまっている。
参院選訴訟では、「憲法が求める平等に反する状態(違憲状態)」が「相当期間是正されない場合」に違憲と判断される。今夏の参院選までに「相当期間」が経過していたと判断するかが論点になりそうだ。
参院選については別の弁護士グループも無効訴訟を起こす方針を示している。
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