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★「天木直人氏の視点ー(2013/03/30)」★ :本音言いまっせー!
私は3月3日のメルマガ第157号と3月9日のメルマガ第172号
で二度にわたって書いた。
勝栄二郎前財務次官が法人向けITサービスを手がけるIIJ
(インターネットイニシアティブ)という会社の次期社長に天下る事は
問題があると。
一つはこの会社が官公庁を主な顧客としているネットシステム構築会社
であるという事だ。
おりしも2月26日に成立した補正予算では500億円もの予算が
IT関連事業についた。野田内閣で消費税増税をお膳立てした勝栄二郎
前財務事務次官への手土産と勘ぐられても仕方がない。
二つには 勝栄二郎前財務次官の天下りが知れ渡ったとたんにIIJ
の株価がどんどん上昇したことである。インサイダー株取引にもつながる
疑惑を感じさせる。
誰もが思うこの不都合な天下りであるが、それを指摘したのは
日刊ゲンダイだけだ。
大手新聞は一切無視を決め込んだ。
そしてこの勝栄二郎前財務次官の社長就任がきのう3月28日に
IIJ社から正式に発表された。
待っていましたばかりに読売、毎日、日経新聞がそれぞれ「登場」、
「ひと」、「けいざいじん」という囲い込み記事でご祝儀報道をしている。
驚いたのは本人が語っている次の言葉だ。
・・・鈴木幸一社長とはもともと酒を酌み交わす仲で、2年ほど前から
『うちに来てよ』と社長の打診を受けていた・・・(読売)
ただでさえ「李下に冠をたださず」というのに、臆面もなく2年も
前からの癒着関係を公言している。
勝栄二郎氏の言葉の中で、私の読みが完全に外れたことが一つ判明した。
それは彼が「退官前から『もう公職には就かない』と漏らしていた」
と、このIIJ社長は腰掛けで、数年後に政府関係機関に天下るだろう
という私の予測をきっぱりと否定していることだ。
しかし考えてみれば当然だろう。
今後ますます風当たりが厳しくなる政府関係機関への天下りよりも、
はるかに大きな報酬を長年にわたって手にするIT社長就任のほうが
魅力的に違いない。
勝栄二郎氏にとっては、何も悪い事をしていないのだから第二の人生
についてとやかく言われる筋合いはないということかもしれない。
しかし彼は国民に負担を強いる消費税増税を実現した張本人だ。
これから消費税増税に苦しめられる国民を尻目に、その責任を微塵も
感じずに「華麗な天下り」平然と行なう。
そしてそれを祝う大手新聞。
その感覚はやはり問われるべきだと思う。
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