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2013/3/26 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「全国子宮頚がんワクチン被害者を支える会」が発足した。設立趣意書などによれば、2009年に厚生労働省の認可を受け、販売が開始された同ワクチンは、地方自治体の強力な推奨もあり、現在までに350万人近い女性(主に女子中学生)が接種されているのだが、副作用とみられる深刻な症状が目立っている。
具体的には全身の痛みやけいれん、計算障害、人格障害などである。学校に通えなくなった子も珍しくない。厚労省には心臓が一時停止したり、脳の後遺症が懸念されるケースまで報告されていた。
にもかかわらず、政府はこのワクチンの定期接種化を含む改正予防接種法案を閣議決定し、今国会に提出した。今月上旬には東京都の杉並区が、区内在住の女児の症状とワクチンの因果関係を認め、補償する方針を明らかにしているが、国の路線は変更されていない。
かくて「支える会」は結成された。〈子宮頚がんワクチン接種の問題を社会的問題として提起し、子宮頚がんワクチンの悲惨な現実に対する救済を求めるとともに、定期接種化によるさらなる被害者の拡大を防ぐべく〉設立したと、趣意書にある。
この問題は最近、新聞やテレビでも報道される機会が増えている。杉並区の“お墨付き”が火をつけた格好だが、実は一部の母親はかなり前からブログなどで実情を訴えていたし、東京都日野市の池田としえ市議や宮城県大崎市の佐藤荘太郎医師ら、少なからぬ人々が、それぞれの立場で救済を求めて動いてもいた。マスコミが放置していたので、一般に知られることがなかっただけなのだ。
子宮頚がんワクチンといえば、3・11東日本大震災直後にあふれたAC(公共広告機構)のテレビCMが記憶に新しい。新聞には全面広告がしばしば掲載されてきた。キティちゃんやAKB48をイメージキャラクターに起用したキャンペーンも繰り返されている。
要は大金が動いていた。このワクチンを製造販売している2つの製薬企業が外資系で、ヘタをすればSLAPP(報復的な高額訴訟)にさらされるのではないかという不安や経験則も、マスコミ側にはあった。
「なんだ、それなら杉並区や、その背後にいる厚労省の方がまだマシじゃないか」と言い切ってしまえるのかどうかは、今後の展開次第。ともあれここまでこぎつけた関係者たちの努力をたたえたい。
なお「支える会」の連絡先は(電話)042・594・1337。事務局長は池田市議である。
◇さいとう・たかお 1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「東京電力研究 排除の系譜」「消費税のカラクリ」など著書多数。
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