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マハティールに見捨てられる日本   稲村公望
http://www.asyura2.com/13/senkyo145/msg/626.html
投稿者 大塩 日時 2013 年 3 月 26 日 12:27:27: .cSQld2Pk8LuA
 

 かつてマレーシアのマハティール首相は「日本に学べ」という号令をかけ、マレーシアの政治を主導した。しかし、マハティールは現在、日本に対する強い失望感を表明している。
 なぜ日本はマハティールに見捨てられてしまったのか。親日家が次々と日本から離れていってしまっている現状をどうすれば打開できるか。もう一度真剣に考える必要があるのではないか。


『月刊日本』4月号
http://gekkan-nippon.com/?p=4871


(前略)

欧米流の発展とは別の道がある
── ところが日本は、マハティール氏が手本とした日本独自の手法を自ら捨て去っていった。
稲村 一九八〇年代にも日米の通商摩擦はあったが、それでも日本は独自の経済運営を維持していた。ところが、東西冷戦が終結する一九八九年頃から、日本の規制や制度に対する批判が強まっていった。例えば、ジェームス・ファローズ氏は一九八九年五月に「日本封じ込め」と題した論文において、「自己中心的な日本人には、かつては封建領主への、そして現在は会社にたいする忠誠心や家族の名誉心はあるが、欧米の価値観である慈善心、民主主義、世界規模の兄弟愛はもち合わせていない。これが日本と欧米の決定的な道徳上の行動形態の違いである」と述べ、日本の文化、道徳的価値観、習慣のすべてを日本は変えるべきだと要求した。
 まさにこの時期に、日本の制度をアメリカ流に変えようとする試みとして日米構造協議が開始され、やがてそれは日米経済包括協議、年次改革要望書として受け継がれていく。構造改革の名のもとに、日本の制度を破壊しようという目論見は、小泉政権時代に一気に加速した。そして今、TPPによって再び大掛かりな日本の制度破壊の謀略が進められている。
── 日本に対するマハティール氏の失望感は、察して余りある。
稲村 日本はアメリカへの従属を深め、自らの国の運営を放棄して欧米流を礼賛してきたが、マハティール氏は欧米流の発展とは異なる独自の発展の道を高らかに掲げた。彼は一九九一年に、二〇二〇年までの国家ビジョンを示し、「強い宗教的・精神的価値意識を持ち、最高水準の倫理を持つ」ことを目標として掲げたのだ。
 これは、新自由主義者たちが期待する国家の対極にあるものだった。だからこそ、マハティール氏は孤高の戦いを続けなければならなかった。
 一九九〇年に彼は東アジア経済グループ(EAEG)構想を提唱した。先進国との通商交渉を東アジアが団結して乗り切ることがその第一義的な目的ではあったが、そこには価値観を共有する東アジア諸国間の交流を深め、欧米主導の経済秩序を転換させようという狙いがあったのではないか。自由競争を徹底させ、強者が一方的に勝つような秩序ではなく、平等、相互尊重、相互利益の原則が貫かれる経済統合のモデルを作ろうという考え方だ。
 いまTPPによって、国家主権より大企業の特権が保護される時代が訪れる危険性が指摘されているが、マハティール氏はまさに欧米大企業による世界支配の危険性をいち早く察知していた。彼は、一九九八年六月、東京で開かれたセミナーで「明らかに、わずかな巨大企業だけで世界を支配することは可能だ。それに備えるかのように、大企業や大銀行は吸収・合併でより巨大化しつつある」と語っていた。
── マハティール氏は、再三にわたって日本がEAEGを主導することを要望したが、日本はアメリカの顔色を窺うばかりで、マハティール氏を失望させた。
稲村 その後、EAEGの枠組みの会議は、ASEANプラス日中韓として実現したが、日本はリーダーシップをとらなかった。その結果、マレーシアのみならずASEAN各国は中国への傾斜という道を選ぶ羽目になった。(以下略)
 

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コメント
 
01. 2013年3月26日 16:20:01 : 8NWByD7w0o
マレーシアはTPPのP9に入っていますが、RCEP(ASEAN+6)にも前向きです。

マレーシアが日本のTPP交渉参加に不承認の立場に立ってくれる事を願うばかりです。


02. おじゃま一郎 2013年3月26日 17:20:50 : Oo1MUxFRAsqXk : PVaK7eVxvk
>マハティールに見捨てられる日本   稲村公望

マハティールは1980年台から1990年代までで、今時のマレーシアが
マハティールの理念に基いているわけではないだろう。

日本がTPPに入らなければ困るのはマレーシアを含めたアジア諸国だ。


03. 2013年3月26日 17:38:51 : bKbRcH23Ws
02 おじゃま一郎君

きみの言っていることの前段はあたっている。今のマレーシアが欧米の価値観、経済原理に屈服したということ。

しかし、もしTPPに加盟すればマレーシア国民は国民が手にすべき利益をアメリカ多国籍企業にむしりとられることになる。

歴史的にマレーシアはイギリスの植民地。英語もけっこう通じる。かつては天然ゴムの一大生産地でインドから連れてきた奴隷で農園を運営していた。マハティールは戦後独立するとき大東亜戦争の緒戦の日本の勝利が欧米無敵神話を打ち砕いたことは評価していた。それが独立運動の成功につながった。しかし今また形を変えて経済的には欧米の植民地つまり日本と同じになってしまう恐れがあるいうことだ。


04. 2013年3月27日 08:06:07 : 4wCv06mQSg
どこまで続く搾取と圧力。
ここ百年を見ても底流は変わっていない。
搾取の手法が変わっただけで、搾取される側はいつもハッピーである。ゴメン

05. 2013年3月29日 11:05:04 : HVSYj0Lgf6
まともな日本国民からすれば、幾らでも騙されたふりをして、これまでの伝統的価値観である「自己中心的な日本人には、かつては封建領主への、そして現在は会社にたいする忠誠心や家族の名誉心」というものと、欧米の価値観である「慈善心、民主主義、世界規模の兄弟愛」とを相対的にみた共通点ならびに相違点というものを見た上で、共通点について言えば、日本でも欧米でも幾らでも通用する伝統的価値観というものは、変える必要は何処にも無いのだし、むしろ幾らでも誇りとしていけば良いだけであるのに対して、日本でも欧米でも通用しない伝統的価値観というものは、幾らでもそっと静かに見捨ててしまう様にすれば良いだけのことですよね。
その上で、相違点というものを見ていけば、日本の常識で欧米では通用しないものもあれば、欧米の常識で日本では通用しないものもあるのは当然のことだし、だがこれを乗り越えて行けば、後者については幾らでも取り込み、前者については、欧米でも幾らでも通用するものに改善して行くことが出来れば、日本の常識が欧米の常識にもなって、幾らでも日本を良くすることが出来ればそれで良いのだし、これをしたからと言って、日本が日本で無くなることは何処にも無いということもまた真実としてみれば、それこそ、こんな腐った伝統的価値観にしがみつく事しか出来ない連中こそが、全人類の大敵でもあるとすれば、どうせ行き着く先には、全人類から叩き潰される悲惨な運命に巻き込まれたとしても自明のことでしか無いと言うのも避けては通れないものであるとすれば、それこそ、中国を見倣って、騙されたふりをすることで、「日本からとっとと出て行け」とまでは言わないまでも、「どうぞ。全人類から邪魔されないよう、何処か人目のつかないところで、そっと静かに幸せに暮らして下さい」とでも言ってあげるようにすれば良いだけのことでは無いでしょうか。

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