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2013年03月26日 世相を斬る あいば達也
韓国の主要放送局と金融機関のコンピューターサーバーが一斉にダウンした事件で、韓国当局は当初、中国のIPアドレス経由で攻撃があったと発表したが、実は勘違いで、不正プログラムは米国と欧州の計4 カ国のIPアドレスから送られており、個別の操作がなされていたと発表した。つまり、中国経由は思い込みだったと云うことだ。 IPアドレス程度で、ウッカリ犯人名指しのような事を言うものではない(笑)。
ところで、我が日本では、あろうことか遠隔操作ウィルスによる「なりすまし事件」の捜査で4人が逮捕され、その内の2人は起訴され、尚且つ有罪判決まで受けたのである。警察・検察の赤っ恥は捜査手法は言語道断であり、日本の刑事司法が、根底から腐っている事を物語っているわけだ。問題は、この「なりすまし事件」での赤っ恥、汚名挽回とばかり、今度は状況証拠において、犯人としての幾つかの要因を満たす片山祐輔容疑者を劇画風にアレンジまでして、マスメディア総動員で逮捕劇を演じた。余程証拠において自信がなかった証左であり、世間の空気で、容疑者の印象を”悪 ”に染めておきたかったのだろう。
如何にも、冤罪事件を生みだしたのが片山祐輔容疑者であるが如き演出をしたわけだが、先の4人の冤罪逮捕や起訴は、あくまでも警察検察の体質が生んだ冤罪であり、仮に片山祐輔容疑者が真犯人であったからと云って、4人の誤認逮捕の汚名が拭われるものではない。誤認逮捕・誤認起訴・誤認判決のすべては、警察・検察・裁判所の誤認であり、他の誰かの所為ではない。こう云う点を、法治国家では、めくらましに惑わされず事実確認しておくことが、まず大切である。
当初、パソコンを遠隔操作し、ネット掲示板に殺害予告を書き込んだとして、2月10日に威力業務妨害容疑で警視庁などの合同捜査本部に逮捕されたのだが、ほとんど証拠らしい証拠がなく、またまた誤認逮捕かと疑われていたが、初めの威力業務妨害容疑による逮捕は、身柄拘束の為の別件逮捕だったようだ。 事実、初めの逮捕は身柄拘束が目的だったようで、処分保留で釈放となったが、即日、大阪で誤認逮捕した男性のパソコンを遠隔操作し、なりすまし、「大量殺人する」と大阪市のホームページに書き込み、爆発物を仕掛けたとするメールを日本航空に送信して航空機を引き返させたとして、偽計業務妨害とハイジャック防止法違反の容疑で再逮捕した。
たしかに、状況証拠の中には片山氏が真犯人である方向を示している事実が存在するのは明らかだ。しかし、ゆえに、容疑者が真犯人だと云う証明にはならない。状況としては、≪……江ノ島にはバイクでツーリングに行っただけですし、雲取山にはただ登山しただけです。・私がネコに首輪をつけたなど、コウトウムケイな話です。・また、私はアイシスのようなウイルスに分類されるプログラムを作る能力はありません。・アイシスに使われているプログラミング言語、C#での開発経験もありません。・私の PCを見てもらえば、そのようなものを作ったコンセキが無いことは分かるはずです。・サイバンカンの方にはどうか分かってほしいです。……≫と云う事だから、雲取山に登ったと云う事実と江の島に行った事実は、状況証拠である。
雲取山と江の島、この双方に数年以内に近づいた人間が、この世に何人いるかと云う事だが、かなり少ないだろう。その上、IT関連企業で働いており、前科もある。ズブの素人であれば、それを持って、容疑者は限りなく黒いと思い込んでも罪とは言えない。しかし、デュー・プロセス・ローを必要とする法治国家においては、彼が犯行を犯したと云う確証が欲しいわけである。
検察は勾留している片山容疑者に対する取り調べではなく、状況証拠、勤務先のパソコンの痕跡やFBIからの情報提供で遠隔操作ウイルスが見つかったと言い、インターネット上のドロップボックスのサーバーからの情報を物証扱いしようとしている。それに、雲取山と江の島に行ったと云う状況を加味して、真犯人に間違いないと、確実な物証ゼロで、起訴に踏み切ったようである。容疑者のPCの痕跡やFBIから情報も、実は片山氏を特定できる証拠ではなく、状況証拠の範疇に含まれるものである。
検察当局は、容疑者が取り調べに対する「録音・録画」を要求しているのを拒否しているので、容疑者の言い分を覆すような取り調べまでも放棄しているようだ。しかし、起訴してしまった以上、検察はひくに引けず、立ちどまり引き返す勇気はないだろう。こうなると、検察の望みは、裁判所がズブの素人的印象で、「こいつでしょう、犯人は」と思い込んでくれることに賭けるようである。自白なし、物証なし、状況証拠ありの裁判がどのようなものになるのか、そのこと自体注目だが、判決が有罪だった場合、後日真犯人から、「お笑い判決」なんてメールがマスメディアに送りつけられない事を祈る日々が続くのだろう。
その可能性は、実は大いにある。仮に、片山氏の行動を知るべき立場、乃至は間接的に情報を知り得る立場の人間が、片山氏を真犯人に仕立てる仕掛けは簡単に出来ることで、その点は、検察も、裁判で判決を出す判事も心のどこかで考えざるを得ないだろうと推測する。あれだけ愉快犯的な犯罪に手を染めた犯人としては、現時点で名乗りを上げるのは得策でないと考える。誤認逮捕・起訴で、誤認判決を一度出しているわけだから、今度も誤認判決が出てから、からかってやろうと思うのが自然だ。片山氏が真犯人でなかった時は、判決後に、一つの山が来るものと思われる。
筆者としては、IT犯罪の複雑さや、ログやデータにおける証拠と云うものには、指紋やDNAのような、確たる固有の物証を提示する事は相当に難しく、この事件は一つの日本の刑事司法の試金石になるだろうと考えている。デジタル処理されるわけだから、固有の情報として特定する事は困難である。アノニマスやウィキリークスのように声明文を出すとか、自白が得られるとか、多くの状況証拠の脇を固める方法しか、正当に犯人を裁くことは困難なようである。仮に裁判員裁判になるとしたら、IT知識も要求されるだろうし、判事はそれ以上の知識の習得が求められるわけだが、裁判員も裁判官も、心象で事を運ぶかどうかも見守りたい。そして、真犯人が他に居るのであれば、必ずどこかの時点で名乗り出て貰いたいものである。
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