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今日の論点》「日本の政治を考える」(講演要旨)[第3章]日米関係・日米同盟という名の従属関係
「もし、祖国の一部が自由でないならば、自分は自由だと感ずることはできない。半分生きているということがありえないように、半分自由だということはありえない」(スカルノ)
[3月19日、大阪市中央公会堂で行われた全日本不動産協会大阪府本部主催の「不動産のことを学ぼう市民講座」において「日本の政治を考える」というテーマで講演しました。以下は、昨日に引き続き第3回です/森田実]
◇
私は、第二次大戦後の日本は、アメリカの従属国だと思っています。日本政府は日本があたかも独立国であるかのように振る舞っていますが、事実は、日本は従米国家になってしまっています。沖縄など各地に米軍の基地が存在し、米軍がわがもの顔に自由に、日本政府に飛行航路の事前通知も行わずに日本の上空でオスプレイの飛行を繰り返しているような日本の現状は、日本がアメリカ政府の支配下におかれた従米国家であることを物語っています。日本の政治家と大多数の国民は、日本が従米国家にされてしまった現実に、ほとんど不満らしい不満がありません。それどころか、安倍首相はじめほとんどの政治家は「日米同盟こそが日本の生きる道」であると考えています。「日米同盟至上主義者」「日米同盟絶対主義者」が首相になるような従米国家日本になってしまっているのです。日本の政治家たちは、日本がアメリカの首にぶら下がって生きていることにほとんど疑問を感じていないようにみえます。日本国民と日本の政治がいまのまま「日米同盟至上主義」の呪縛に縛られたままであれば、日本は永遠にアメリカの従属国にされてしまうでしょう。このままではわれわれ日本人の子孫もアメリカの従属下におかれることになってしまいます。こんなことでいいのでしょうか。
日本が永遠にアメリカへの従属国にされた根本原因は戦争でした。戦前、日本の軍部が無謀にもアメリカに戦争を仕掛け、敗北し、アメリカに占領され、アメリカの支配下におかれたのです。これが根本原因です。アメリカに戦争を仕掛けた当時の軍事政権の指導者の罪はきわめて重いと思います。第二次大戦を惹き起こした日本軍部が犯した罪は、日本国民を永遠のアメリカ政府の属国の国民にしたのです。
1945(昭和20)年夏、日本政府は連合国のポツダム宣言を受け入れて無条件降伏しました。このポツダム宣言のなかに「日本に民主的に選ばれた政権ができたとき占領軍は全面的に撤退する」という趣旨の条項あります。じつは、その後、日本に民主的に選ばれた政権が生まれたにもかかわらず、アメリカは日本から軍隊を撤退させずに居座り続けています。これは明らかにポツダム宣言違反です。
米軍の占領を継続するためにつくったのが1951(昭和26)年の(第一次)日米安保条約でした。この条約に調印したのは吉田茂一人でした。調印した場所はアメリカのサンフランシスコでした。この時、サンフランシスコにおいては対日講和条約を締結するための会議が開催されていました。講和条約締結には、この直前、日本の国会において指名された講和全権団全員が署名しました。講和条約は合法的に調印され、締結されました。
しかし、日米安保条約(第一次)のほうは、事前に日本の国会で何ら議論されませんでした。サンフランシスコ講和会議の直前の国会で日米安保条約について質問を受けた吉田茂首相は日米安保条約交渉の存在そのものを認めず、知らぬ顔を通しました。日本の国民も国会も、知らなかったのです。吉田首相とほんの数人の外務官僚を除くすべての閣僚、政府のメンバーは何も知らされないまま、いきなり日米安保条約は調印されたのです。この日米安保条約(第一次)によって、米軍基地が日本に存在することが合理化されたのです。日米安保条約(第一次)は明らかに非合法につくられたものでした。この条約は破棄されるべき違法条約でした。こうして米軍基地は強引に日本の全土におかれることになったのです。
1960年には日米安保改定条約が調印され批准されましたが、この改定条約の締結・調印は、第一次安保条約の非合法性を隠蔽するものだった、と私は思っています。岸首相の役割は、違法に締結された第一次安保条約の合法化をはかり、新たな永遠に日本をアメリカの属国化する条約を締結することでした。
日本の政治は「日米同盟」という名の日本をアメリカの属国とする体制を擁護し、永遠化しようとしています。日本の大マスコミの大勢も「日米同盟」支持です。国民も支持しています。日本は国民自身によって「永遠の従属国・日本」への道を進みつつあるのです。
日本国民は、日本はいまも事実上アメリカ政府の支配下におかれ、従属国化しているという現実を、はっきりと見なければなりません。安倍政権は「日米同盟」の深化に向かって突っ走っていますが、日本国民は、この辺で立ち止まって、日本の進路を真面目に考える必要があると思います。私は、日本を、アメリカ政府の永遠の植民地的従属国にしてはいけないと思うのです。100年後、500年後、1000年後の日本国民を、植民地的従属国の国民にしてはいけないと思うのです。(つづく)
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