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2013年3月24日 神州の泉
小野寺光一氏が発行するメルマガでは、環太平洋経済連携協定TPP(Trans-Pacific Partnership)を、皮肉を込めてトータルプリズンプログラム(Total Prizon Program)の略称だと書いていたが、実態はまったくその通りだと思う。トータルプリズンプログラムを意訳すると“日本国民投獄計画”あるいは“日本国民虜囚計画”であろうか。TPPとは多国籍企業が独断専横で立ち上げたコーポラティズム条文を、日本の法制度の上位に置くことで、日本列島全体を一種の監獄状態に置き換え、その上で、徹底的に経済的な海賊的略奪行為を行うことである。
京都大学大学院工学研究科准教授の中野剛志氏など、各界有識者らの警告を見ていると、TPPが通常の概念で把握する自由貿易とは完全にかけ離れたグローバルな規模の国際犯罪だということが見えてくる。本質がアメリカ国家と多国籍企業が手を取り合って仕組んだ国際犯罪であるにもかかわらず、見かけ上は自由貿易協定の体裁を取っていることは、悪質さを越えて許し難い人類犯罪である。
TPPに関する情報をネットや書籍で見ていると、どう考えても、最初の段階で腑に落ちないというか、あまりにも不条理すぎて怒りが収まらない部分がある。おそらく、そのことは多くの人々も最初に抱く疑念として、同じ不可解さと憤懣を共有していることだろう。TPPが取り沙汰されてから、その何に対して強い理不尽さ、憤怒を覚えるのかと言えば、誰もが最初に抱くことはその徹底した秘密主義に対してである。
国と国、あるいは人と人が何事かを解決するために交渉事を行うときは、決まって当事者たちに何らかの利益か価値をもたらす場合だけに限られる。交渉の結果、互いに譲歩し合う所があり、百パーセントの満足は得られないが、どこかで折り合いをつけ、交渉以前よりも相互にプラスになることが交渉の目的である。ところが、TPPは条約内容を初めから明らかにせず秘密主義であり、人類がこれまで行ってきたあらゆる交渉事の定石とかけ離れている。
内容を知らされず、アメリカ主導の国家間協定という枠組みに入るか入らないか結論を出せと言われても、これ自体がすでに交渉事のカテゴリーを逸脱して、国際間に発生した暴挙という以外にない。とくにISDS条項であるが、基本的な疑問は、国の慣習、伝統、文化等、日本の国柄を成り立たせている諸制度が、外国投資家による自由貿易の阻害要因となり、それによって海外の投資家に不利益を蒙ったと見なされた場合、国際投資紛争解決センターという第三者機関に訴えらえ、投資行為が妨げられたかどうかという判断基準一点だけで裁定される。訴えられた方には上訴権がないという。
無茶苦茶である。「海外からの投資行為>国家制度」という不等式が最初から出来上がっている。日本人が国家の制度や諸規制によって最低限守られるべき安全や生活権よりも外国の投資行為が優先されることになる。言われるように食品添加物の安全基準の変更とか表示義務の解除、遺伝子操作された穀物を摂取することになるなど、人間が生物として生きて行くための安全諸条件が崩壊する事態になる。その他、原理的には非関税障壁とみなされた場合、あらゆる日本的要素が訴訟の対象範囲となる。例えば、我が国の司法はすでにアメリカの奴隷に近いが、日本の司法権は消えるかもしれない。今後10年もしないうちに公共の場で日本語が禁止される可能性も非常に高い。畢竟、主権が消失するということはそういうことである。
安倍政権が政権交代してすぐに牛肉の輸入規制を緩和したことは、TPP食品分野における危険の先取りと考えるべきである。売国奴の米倉経団連会長は悪魔の企業モンサントと手を組んでいる。貿易や経済活動が、日本国家のさまざまな保護制度を突破する貿易条約、そんなものを国際経済と言えるのだろうか。これは武器(銃火器)を使わない戦争行為ではないか。カール・フォン・クラウゼヴィッツの「戦争論」によれば、戦争とは相手に我が意思を強要するために行う力の行使であると定義されているが、TPPの有無を言わせない強要構造は明らかに戦争概念である。
TPP賛成論者は反対派に対し、情緒的な反感が先行しているなどと言うが、中身を知らされずにISDS条項とかラチェット規定が存在することが分かった時点で、情緒などはいっさい関係なく、TPPが巨大な詐欺構造を有していると判断することが最も論理的である。大体、秘密主義にする時点で最初からアウトである。
ISDSと並んで強烈な毒素であるラチェット規定というのがあるらしい。「らしい」と言ったのは、このラチェット規定が中野剛志氏からの米韓FTA情報で知り得ただけであり、どの条文のどこにそのような規定が盛り込まれているのかまったく具体的なことがネットにも出ていないからである。だがこれは、最近、シンガポールで行われた第16回TPP交渉会議で明らかになった下記の情報を知っただけで、本当のことだと納得できる。
●カナダ、メキシコの後発二カ国に対しては、先発9ヵ国のみでルールを決め、後で参加した二カ国は口出しできないという条件を突きつけられていること。
●事前に交渉文書を見ることもできなければ、すでに確定した項目について、如何なる修正や文言の変更も認められない、新たな提案もできない
この文言は明らかに、一度決まったことは梃子でも動かさない、特に後発国日本はあらゆる提言の権利も拒否権もないと言っているに等しい。一度、参加したらラチェット歯車のように一方向へしか進めないということである。多国籍コーポラティズムの論理に従って米系国際金融資本の為すがままに任せなければならないということである。ラチェットと言う耳慣れないカタカナ英語だが、これは動き出したら不可逆という意味である。
ラチェット規定は、どのサイトでも一方向にしか回らない爪歯車で説明されているが、配管関係に詳しい方なら、一方向にしか流体を流さない逆止弁(ぎゃくしべん)でイメージできるし、電気回路に詳しい方なら整流器や検波回路などに使われる、一方向にしか通電できないダイオードを思い浮かべてもよい。要するにTPPは“逆止構造”であり、日本が一旦参加したら、抜けることも修正要求も通らなくなり、すべての国富を吸い尽くされるまで多国籍企業の日本収奪が進むだけである。日米修好通商条約のように平成の不平等条約と言う向きもあるが、これは条約ではなく貿易協約の形態を凝らした侵略であり、武器の見えないステルス・ウォーである。
政治・経済学者の植草一秀氏は2011年10月出版の「日本の再生」(青志社)の中で、「TPPは現代版マンハッタン計画における核爆弾級の経済兵器だ」と喝破されているが、本当にその通りだと思う。TPPは日本の歴史、過去未来のすべてを包摂した「日本」という唯一無二の国柄を破壊してしまう人類的な邪悪さを秘めている。これに参加を決めた安倍晋三は小泉純一郎、野田佳彦をはるかに上回る売国宰相である。参加したら日本は終了する。
TPPは11か国協約であると言うが、アメリカと日本が占める経済規模を見れば、これは実質的にアメリカが日本収奪を狙った壮大な詐欺だということが分かる。アメリカはTPP実現のために使えなくなった野田佳彦氏を見切り、安倍晋三に白羽の矢を立てて、不正選挙とマスコミ誘導で安倍首相を誕生させたのである。安倍晋三はTPP参加と憲法改正の二大アジェンダを請け負って宰相の座に就いている。今、公約を破ってまでTPP参加に狂奔していることがそれを示している。(冒頭画像はパロディスト、マッド・アマノ氏提供)
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