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2013年03月22日 世相を斬る あいば達也
嫌に今度の日銀総裁は力んでいる。幾分高揚のし過ぎではないのか、と不安にさえなってくる。まるで、安倍晋三の躁状態が乗り移ったようだ。不動産投資信託(Jリート)等のリスクのある投信まで買うと云うのだから、並々ならぬ決意を感じるのだが、どこかが変である。アベノミクスと云う代物も、経済学者にも賛否両論があるが、経済学の問題ではなく、投機的力学とか、覇権的力学と云う側面から、現在の躁的思惑景気を受けとめる必要があるような気がして仕方がない。読売は以下のように、黒田新総裁の記者会見を報じている。
≪ 2%目標「前倒しでも何でもやる」黒田日銀総裁
日本銀行の黒田総裁は21日夕、日銀本店内で就任後初めての記者会見を行った。
黒田総裁は、政府と日銀の共同声明で掲げた2%の物価上昇率(インフレ)目標達成に向け、2014年以降に、毎月13兆円程度の金融資産を買い続ける「無期限緩和」について、「前倒しでも何でもやる」と強調した。
黒田総裁は「デフレから脱却し、(インフレ)目標を早期に実現することが、日銀として果たすべき使命だ」と決意を述べた。 目標達成の時期について、「2年程度を念頭に一日も早く実現する」と述べた。
具体策として、来年から予定している資産の無期限買い入れを年内に実施することなどが有力な選択肢となる見通しだ。 黒田総裁は、世の中に出回るお金の量を増やすことを目的とする「量的緩和は必要」と指摘し、「量的、質的両面で大胆な金融緩和を進める」と述べた。日銀が金融機関から買い入れる長期国債について、現在、1〜3年に限っている満期までの期間をより長期のものに対象を広げることに加え、不動産投資信 託(Jリート)など、よりリスクの高い資産の買い入れを増やす考えを示したものだ。≫(読売新聞)
物価の番人である日銀が、時の政府の要望を、此処まで丸呑みする姿を、少なくとも筆者の体験では初めてだ。金融緩和に原則抑制的な日銀と云う組織で、総裁副総裁だけのリフレ強行が上手く実行出来るかも注目点だ。米国オバマは、安倍を脅してまでTPP交渉参加を命じたわけだが、金融資本にシフトした資本主義のファンダメンタルの改善に寄与する幅は僅かである。(無論、日本は益よりも、害を多く受けるだろう)歴史的に俯瞰するなら、焼け石に水な行為なのだ。現実、そのTPPにしても、いつ、どのような形で発効するのか不透明であり、世界的ジャブジャブになったマネーの、当面の行き場を模索しているのが現状と考えられる。
そこに都合よく、日本に安倍下痢政権が生まれ、米国市場原理主義者である浜田宏一や竹中平蔵(まだ生きていたのだな)、高橋洋一。そして、今回の黒田日銀総裁、岩田副総裁の参画により、我が国は「バブルよ、もう一度」の世界に突入する事になったのだが、この時系列な事実だけでも、どことなく奇妙だ。情けない話だが、こんな有り余ったマネーを持て余している、世界の金融勢力にとって都合の好いシナリオを、自民党や日本の学者や官僚達で創出出来るとは思えない。
やはり覇権国が世界経済の混乱を最小限にとどめる為に、米国のシェールガス革命とか、ダウの上昇だけでは、貪欲な食欲を見せ、常時空腹を感じている金融資本勢力の食欲を、充分に満たすには馬力が足りない。現在の米国が、既にミニバブル状態であり、もう一か所でバブルを起こして貰わないと、米国自身の財政が持たない。その、もう一か所をEUに想定するのは無理だし、中国・ロシアでは、笛を吹いても踊るとは思えない。韓国は既に自国の出先領地のようなものだし、バブルを起こさせても規模が小さすぎる。
残るは日本しかないのだ。覇権国の地位の維持の為にも、金融勢力の食欲を満たす為にも、日本がバブルで踊ってくれることは、一挙両得なアメリカである。資本主義の崩壊だとか、衰退だとか色々言われているが、金融資本による市場原理主義で、民主主義(アメリカン・デモクラシー)と資本主義を延命させなければならないと、覇権国が考えるのは理に適っている。ただ、その格好の材料に、ボンクラ安倍が総理になった事は米国のシナリオの実行を、た易いものにしたに違いない。
その結果が、吉と出るか凶と出るか、正確な予測は本来無理なのだろう。ただ、筆者のように、欧米日など先進諸国の経済成長は殆ど期待出来ないのが理であり、その道理を無理に引っ張る行為(バブル現象)は常に弾ける運命にある。この流れに入った以上、日米は互いのバブルを援けあい、出来るだけ弾けるのを遅らせようと努力することになるのだろう。ただ、金融資本は恩を仇で返す体質を持っているので、彼らは市場原理に従い、いつでも投機市場から撤退する事が可能だ。しかし、国家は撤退と云うわけには行かないので、彼らのように消えてひと休み出来ない存在なのだ。
これこそが、資本が国家を凌駕すると云う概念に結びつくのだろう。彼ら資本の食欲を満たす為に、尽くして、尽くして逃げられる。まるで資本とは“ヒモ”のような存在で、老いて疲れ果て、使い物にならなくなった政府や国家を置き去りに、次の若い娼婦が現れるのを待つのである。まさに、貨幣が資本主義を立派な大人に成長させたのだが、産みの親とも言える貨幣(マネー)に破壊されようとしている。どこかイソップ物語に出てきそうな現実なのだ。
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