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2013年3月22日 神州の泉
東京新聞(中日新聞)とIWJ岩上安身氏によるTPPに関する真実の報告を知ると、安倍首相が日米首脳会談に出た以前も、以降も、国会や国民に説明することはすべて危険極まりない大嘘であることが分かる。『ハーメルンの笛吹き男』という中世ドイツの有名な民話は御存じだと思うが、安倍首相がTPPで国民に吹いている(説明している)笛の音色は、ハーメルンの笛吹き男の魔術と同様に、日本人全体を集団自殺に導く悪魔の音色である。
この昔話をご存じない方々のために、内容を端折(はしょ)って説明すると、むかし、ハーメルンという町でネズミが大発生、人々は老若男女、ネズミの害にほとほと困りはてていた。そんな折に、奇妙な風体の男がやってきて町長に会い、「私はネズミ退治ができます。金貨一袋でその仕事を致しましょう。」と言った。町長は男を怪しく思いながらも、町が切羽詰っていたので、やってくれと頼んだ。
男は広場に行くと、笛を面白おかしく吹き始めた。すると、町のあちこちからネズミが溢れ、広場に集まった。男は集まったネズミを笛の誘導で川辺に誘い、すべてを川に飛び込ませたのである。街の人々はようやくネズミの恐怖から解放され、ぐっすりと眠ることができた。ところが、町長は男に対価の金貨を払わなかった。男は一旦町の外に出たが、また戻ってきて笛を吹き始めた。
すると、町の子どもたちがネズミと同じように広場に集まってきて、笛吹き男とともに何処へか立ち去り、町からこどもたちがいなくなってしまった。そういう恐ろしい物語りであるが、この話の教訓はさておき、覚えておくことは、男の笛の音がネズミや子どもたちを奈落の底へ導いたという一点にある。
TPP参加交渉にあたって、安倍首相が国民に語ることは、この笛吹き男の笛の音と同じように、レミングの集団自殺的な効果を持っている。3月15日、安倍首相はTPP(環太平洋連携協定)交渉に参加することを表明したが、ここまでの伏線として首相が説明してきた“交渉参加の前提”がとんでもない虚構だったことが分かってきた。日本はすでに話し合いの余地は微塵もないのだ。TPPは開放経済でも自由貿易でもない。TPPは日本だけを狙い撃ちしたアメリカの罠である。
岩上安身氏は、安倍首相が正式に交渉参加を表明する前日、アジア太平洋資料センターの事務局長である内田聖子女史にインタビューしたが、そこで驚くべき真実を聞いている。岩上氏によれば、内田女史はシンガポールで行われていた第16回TPP交渉会合にアメリカのNGO“パブリック・シチズン”のメンバー資格で入り内情を見ている。
3月7日の中日新聞でも大スクープを報じているが、それは、第16回交渉会合でカナダ、メキシコの後発二カ国に対しては、先発9ヵ国のみでルールを決め、後で参加した二カ国は口出しできないという条件を突きつけられていることが分かったのである。内田女史によれば、この席上でアメリカの交渉担当官が他の国の政府交渉官たちに対し、「日本政府はカナダとメキシコがTPPに参加するために強いられた、無礼で、非礼で、かつ不公正な条件と同じ内容をすでに合意している」と説明したという。
内容は、「事前に交渉文書を見ることもできなければ、すでに確定した項目について、如何なる修正や文言の変更も認められない、新たな提案もできない」ということを日本に知らせ、日本もそれを受諾しているという。第16回TPP交渉会合ではっきりしたことは、関税についての交渉はすでに終わったという衝撃的な事実であろう。日本政府はこれを了承しているにもかかわらず、われわれ国内にいる日本人には、交渉の余地がまだあるかのような嘘を徹底して振りまいているのである。
さて、今までの安倍首相発言を振り返ってみよう。首相は今まで下記のようなことを真面目な顔で強弁している。
●「強い農業を育てる」
●「農業は国の礎でなければならない。農業、食はしっかりと守っていくと約束したい」
●「(国内農業は)日本の文化、伝統であり日本そのものだ。農業と食を守るのは安全保障でもある」
●「TPPはアジア・太平洋の「未来の繁栄」を約束する枠組みです。」
●「(政府試算として)全ての関税をゼロとした前提を置いた場合でも、我が国経済には、全体としてプラスの効果が見込まれています。」
●「交渉力を駆使し、我が国として守るべきものは守り、攻めるものは攻めていきます。国益にかなう最善の道を追求してまいります。」
以上の首相発言は、前述の中日新聞や内田聖子女史の話と比較してみると完全なイリュージョン(幻影)であることが分かる。イリュージョンとは幻影、幻想、錯覚、幻覚などの意味があるが、安倍首相が説明するTPP参加交渉は、まさにこのイリュージョンそのものであり、国民をミスリードする許されざる大嘘、大ペテンなのである。
TPP参加に向けて、まだこれから交渉の余地があるという安倍首相の数々のデモンストレーションは完全に事実に背反、つまり真っ赤な嘘である。このハーメルンの笛に惑わされれば、日本は完全に入水(じゅすい)自殺の運命をたどることになる。すでに米国の都合の良いルールががっちりと決められていて、もはや寸分も交渉の余地はない。唯一、日本の意思表明が可能なことは、“TPPには絶対に参加しない”ということだけである。TPPは日米地位協定の経済版であり、その百万倍も悪質なのだ。
参考サイト『2013/03/18 文化放送「夕やけ寺ちゃん活動中」』
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/68268
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