あの頃、読売の『おまけの品が米の賄賂』と誰も知らないまま家庭に入り、新聞の買い替えなど多分しない高齢者の家のポストに「読売新聞」がずらっと配られた。

恐ろしい風景を見ながら転居の人生だったが、今、お近くの一人暮らしの82歳の女性と「養護老人ホームが足りない」と話す時『生き生き箕面通信』をポストに入れる承諾も貰い、彼女が「読売が悪いなんてねえ」と驚かれるまでになりました。

ネット世代の皆さん、がんばってください。

ブッシュ政権高官らは911事件当日にはすでに、イラク攻撃に結びつける算段をしていた。

９・１１に関するこれらの質問に対して、私たちはなぜ答えを得ることができないのか？
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Afghan/why_not_answers.htm
(http://globalresearch.ca/articles/BUN309A.html )

１１．ドナルド・ラムズフェルドや他の米政府高官は、どうしてそんなに早く、９．１１テロ攻撃とサダム・フセインを結びつけたのか？
CBSニュースは、国防総省が、７７便による火災が消火される前に既に、ペンタゴンの反対側でイラク侵攻についてのノートを作成していたと報じた。ラムズフェルドは、「速やかに最良の情報」を望むと書いた。「S.H.（サダム・フセイン）を同時に叩く【のに】十分都合がいいかどうか判断せよ。UBL（オサマ・ビン・ラディン）だけでなく」、と。彼は付け加えた。「どんどん行け（Go massive）。すべて一掃しろ。関係あろうとなかろうと。」

ラムズフェルドと他の幾人かのブッシュ政権の高官は、「アメリカ新世紀プロジェクト（PNAC）」と呼ばれる、かつては存在がはっきりしなかった政策グループと関係を持っている。２０００年の白書で、PNACは、―― 彼らは長い間アメリカのイラク侵攻を主張してきたのだが、 ―― 米国が自らを世界唯一の超大国ときちんと主張するためには、「何か破滅的なそして触媒となる事件 ―― 新たな真珠湾のような」―― が要求されるだろうと述べた。

その新たな真珠湾がやってきた――２年前の今日。

『9.11からイラク戦争へ　爆弾証言――すべての敵に向かって』（リチャード・クラーク、楡井浩一　訳、徳間書店、2004.6）
http://members.jcom.home.ne.jp/rieux2/against_all_enemies.htm

9月11日の夜、一旦自宅に戻った著者は、1時間後善後策の検討をすべくホワイトハウスに戻った。

「だが、実際にわたしを待っていたのは、イラクにまつわる一連の議論だった。最初わたしは、アルカイダの追跡以外のことが議題になっているのが信じられなかった。それから、鋭い痛みのような衝撃とともに悟った。ラムズフェルドとウルフォウィッツは、この国家的な悲劇を利用して、イラクに関する自分たちの計画を推進しようとしているのだ。政権発足以来、実際にはそれよりかなり以前から、ふたりはイラクとの戦争を強く迫っていた。ペンタゴンの友人がいつも言っていたのは、"2002年中にはイラクを侵略しよう"が合言葉だということだった。」(p52−53)

「12日の朝には、国防総省の焦点はすでにアルカイダから離れつつあった。CIAは、アルカイダがテロ攻撃の実行犯であることをすでに明確に示していたが、ラムズフェルドの副官のウルフォウィッツは納得しなかった。この作戦は、国家的な支援なしでやってのけるには、あまりにも洗練され、あまりにも複雑である――イラクが後押ししたにちがいない、というのだ。
ウルフォウィッツがまったく同じことを4月に言っていたのを、突然はっきりと思い出した。政府が、ようやくテロリズムに関する初めての次官級会議を開いたときのことだ。その場でわたしがアルカイダに対する行動開始を主張すると、ウルフォウィッツは1993年の世界貿易センターへのテロに立ち戻り、アルカイダが単独で実行できたはずはなく、イラクの後押しを受けたにちがいないと言った。アルカイダに焦点を絞るのはまちがいで、イラクの支援によるテロリズムを追跡しなければならない、とウルフォウィッツは4月に言ったのだ。93年以来、アメリカに対するイラク支援のテロリズムは起きていないというわたしとCIAの主張は、容れられなかった。今、それと同じ路線の考えかたが戻ってきたわけだ。」(p53)

「12日の午後までには、ラムズフェルド国防長官は対応策の目的を広げ、"イラクをとらえる"ことについて話し始めていた。…
その日遅くなってから、ラムズフェルド長官が、アフガニスタンには爆撃するのにふさわしい標的がなく、"もっとよい"標的のあるイラクの爆撃を考慮すべきだと訴えたのだ。最初、わたしはラムズフェルドが冗談を言っているのかと思った。しかし、彼は本気であり、ブッシュ大統領も、イラクを攻撃するという考えを即座にはねつけることはしなかった。それどころか、イラクに対してすべきことは、政権を交代させることであり、ラムズフェルドが提案したとおり、ただ巡航ミサイルを増やして叩けばいいというわけではないと言い添えた。」(p53−54)

ラムズフェルドとウルフォウィッツが、この事件を千載一遇のチャンスと捉え、何が何でもこの機会にイラクを侵略しようと考えている事が良く分かる（何と、驚くべき事に、イラク侵攻は国防総省の既定方針だったのだ！）。そして以下のエピソードは、ブッシュも同様に9.11を何としてでもイラクにこじ付けようとしている事を示している。

「12日の夕方、わたしがテレビ会議センターを出ると、危機管理室のあたりをひとりで歩き回っているブッシュ大統領に出くわした。何か、手持ち無沙汰なようすだった。大統領は、その場の数人をつかまえて会議室の扉を閉じた。「ちょっと聞いてくれ。きみたちが非常に忙しいことはわかっている……だが、なるべく早く、すべてを洗いなおしてもらいたい。すべてだ。サダムがやったのかどうか調べてくれ。多少なりとも関係しているのかどうか……」
わたしはまたもや唖然とし、思わず不信の念を顔に出してしまった。「しかし、大統領、やったのはアルカイダです」
「わかってる、わかってる。だが……サダムが関わってるのかどうか、調べてくれ。とにかく見てみろ。どんな小さな情報でも構わないから……」
「もちろん、見てみます……もう一度」わたしはなんとか、丁重に歯切れよく答えようとした。「ですが、ご存じのように、わたしたちは何度もアルカイダに対する国家的支援があったのかどうか探ってきました。そして、イラクとのつながりは何も発見されませんでした。イランがわずかにからんでいます。パキスタンとサウジアラビア、イエメンも同様に」
「イラクを探れ、サダムだ」大統領は言い放ち、その場を去っていった。ライザ・ゴードン-ハガティが、口をあんぐりとあけてその後ろ姿を見送った。」(p56)