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2013年3月18日 神州の泉
「TPP参加の即時撤回を求める会」というものをご存じだろうか。これは衆参両院・自由民主党の国会議員によって構成されていて、野田佳彦元総理によるTPP実質参加表明を見て、これを撤廃するために組織された会である。会長は森山裕氏であり、2013年2月19日時点では、衆参全自民党議員378名のうち、その62%の236人を占めていた。
自民党は六割の議員がTPP参加表明に反対だった。TPPは党を二分するどころか、圧倒的に反対派・慎重派が多い。安倍総理の意向を汲んだ自民党執行部は、国民をペテンにかけることと、党内対立の激化を緩和するために党本部で外交・経済連携調査会を開き、TPPの交渉参加に関するおざなりの議論を行ってきた。しかし、反対派の自民党議員もネットを中心とする反対派の国民も、交渉参加へ向けた安倍首相の狂騒的な拙速性に重大な危険を感じ、いつにも増して反対の狼煙(のろし)を上げている。
執行部が「参加するしないは政府が決めること」と、政府に下駄(げた)を預けようとしたのに対し参加反対派は強く反発し、賛否をめぐる対立が紛糾していた。「政府が決めれば党の議論はいらない、という議論は間違っている」と、反対派議員が執行部への不満を爆発させた。こういう流れの中で、15日、安倍首相はTPP交渉への参加を正式に表明したが、これ自体が野田佳彦前首相の行動様式とまったく同じである。
TPPの交渉参加判断は、議員と国民に十分な基本情報を与えた上で、そのメリット・デメリットを国論的に判断し態度決定するというプロセスが必要だったが、安倍首相はこの経緯を完全に無視した上に、最初に参加表明ありきで、党内議論や国民の疑念を如何にして逸らそうかと腐心していた。TPPは米国政府と一体化した多国籍企業が、そのコーポラティズムを聖域化し、参加国の主権を剥奪する条文に満ちているようだ。
条約の交渉内容を開陳しないという段階で、これには一切踏み込むべきではない。条約内容を公開しないままに「自由貿易か内向きの退行か」などと、煽るムードが出されている時点でTPPがいかがわしい目的で成立していることは間違いない。TPPは自由貿易とは全く関係ない。外面的体裁は自由貿易を標榜しているように見えるが、その実態は多国籍企業が日本のあらゆる市場に参画し、日本に蓄えられている富を完全に収奪することとと、日本人の労働成果を可能な限り搾り取ることを目的としている。煎じ詰めて言うと、TPPは日米構造協議から始まる米国による日本市場こじ開けの究極形であり、日本が長い時間に形成した固有の国柄を完全破壊する経済原爆であり、日本を狙った戦争行為である。
すでにネットでは多くのサイトが、TPPが一方的にアメリカを利する暴力的な不平等条約であることが暴露されている。今、賛成派も反対派も大まかに言えば、関税を守るか撤廃するかに焦点が集中しているが、TPPはそういう狭義の部分で見ていると本質的な危険を見落としてしまう。TPPの最大の危険とはISD(投資家対国家の紛争解決 Investor State Dispute Settlement)条項やラチェット規定である。ISDS条項やラチェット規定に関しては、それがTPPとどういう形で関わっているのか、国家間の正式な情報はないが、この二つの危険な条約(規定)について、漏れ伝わる情報がネットを駆け巡り、人々を震撼させている。
安倍首相も党執行部もマスコミも、この二つの危険な要素については、一貫して誤魔化し続けている。触れたくないのである。ラチェットとは、自転車のスプロケットのように、ストッパーが掛かっていて、一方向にしか回転しない機構を言うが、それは一旦可決した交渉内容は、絶対に変えることができないという取り決めである。この事実を見ただけでも、TPPが相互貿易の自由度を全く認めず、多国籍企業だけに有利な内容であることは疑う余地がない。加えて外国の投資家の利益が国内法を上回る治外法権性を強制するISD条項の存在は、TPPが交渉以前に関わってはならないという結論しかないことを示している。
条約内容を知らなくても、ISD条項とラチェット規定が存在するという時点で、危険極まりないヤクザな協定と断定せざるを得ない。ところが安倍首相は交渉参加を表明し、選挙公約である「J-ファイル2012」と「ISD条項及びラチェット規定」を無視した参加表明を行った。これは政治的には大暴挙であり日本を崩壊に導く愚行である。
小林興起議員は、その著書『裏切る政治』で、小泉政権の郵政民営化、野田政権の消費税増税に共通することは、日本の政治に巣食う「裏切りのシステム」であると喝破している。つまり、与党内で議論を二分する対立が起きた時は、その案件を総理に一任するとか、政府に一任するという儀式的な手打ちが行われるが、これこそが独裁政治そのものである。今、自民党内で怒りの嵐が起きているのは、TPP案件を政府(総理)に一任するという理不尽な決めつけが出ているからである。これこそが民主政治を踏みつける「裏切りのシステム」であり、それがまたしても発動したということである。
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