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2013年3月17日 神州の泉
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)について、安倍首相の取り組み方を見ていると、3月15日、拙速を越える異常な執念で交渉参加に向けて正式に表明した。この異常な急ぎ方は何であろうか。安倍首相のTPPに対する取り憑かれたような執着を見て、何かを思い出さないだろうか。それは民主党の野田佳彦前首相が消費税増税とTPPに拙速に動いたことと全く瓜二つなのである。
とくに野田前首相は、党内意見も国民の声も無視して、消費税増税に向けて驀進(ばくしん)し、党内意見を二分したまま強引に昨年の6月に決めてしまった。TPPについても、2011年11月11日に佐藤ゆかり議員にTPPについて質問されたとき、ISD条項を知らなかったことを露呈し、その状態でAPECでTPPの交渉参加表明をするべく出かけるという異常な拙速性を見せていた。
また前原誠司議員は3月11日の国会議論で、民主党が最後まで交渉参加を表明できなかった理由を、米国の要求、事前協議の中身があまりにも不公平だったからと暴露した。米国はトラック、乗用車については関税をすぐにはゼロにしない猶予期間を設けるべき、日本の安全基準については米韓FTAと同じように枠を設けるべき、保険についても、色々と言い出した。こういう中身について不公平な事前協議については、一方的な武装解除であるから妥協できなかったと言っている。この件については当時国民には知らせていなかった。
前原氏のこの話と、3月16日に自民党の石破茂幹事長が、テレビ東京系のテレビ番組で言ったことは強くリンクしている。石破氏は、自民党が重要品目の関税を維持することを最優先に交渉にあたる決議をまとめたことについて、「絶対に(関税を)下げないことを前提にしては、多国間交渉は成り立たない。いかにして国内の農業を守ることができるかが主眼であり、『1%も関税を下げない』ということではない」と述べている。
石破氏の語る「『1%も関税を下げない』ということではない」とは、前原氏が民主党政権時代につかんでいた、米国の事前協議の中身として、「トラック、乗用車については関税をすぐにはゼロにしない猶予期間を設けるべき」ということと、分野こそ違うが、同じことなのである。つまり、安部首相が日米首脳会談で、まるで勝ち取ったかのように振る舞っている「聖域なき関税撤廃が前提ではなくなった」という話も裏付けがまったくないどころか、米国の意志は「例外なき関税撤廃」を崩していないことになる。
なぜなら石破氏の言う「『1%も関税を下げない』ということではない」は、前原氏がつかんでいた「トラック、乗用車については関税をすぐにはゼロにしない猶予期間を設けるべき」というアメリカの意向と重なっている。
ここから何が分かるかといえば、米国は「トラック、乗用車については関税をすぐにはゼロにしない猶予期間を設けるべき」と考えていることであり、ある猶予期間内に逐次関税率を引き下げて行き、最後はゼロ(撤廃)にしようとする話なのである。つまり、この間の日米首脳会談で出された曖昧で玉虫色の共同声明は、日米双方に決定的な認識の違いがあることを物語っている。アメリカが日本に譲歩しようとしていることは、関税率の漸減からやがてゼロにまで持って行く“猶予期間”を認めるということであり、例外的・恒久的な関税率の継続は認めていないように思う。
アメリカの腹は、日本に例外製品を儲ける気持ちは微塵もなく、日本の関税率を漸減的(ぜんげんてき)にゼロに持って行こうとしているのだ。ここへ持ってきて、CSISの代弁者である石破自民党幹事長の「『1%も関税を下げない』ということではない」は、このことを裏付けているように見える。一方、日米首脳会談後に、「聖域なき関税撤廃は前提ではないことが明確になった」と安倍首相の言うことは、アメリカの「やがてはゼロに」と食い違っていることがよく分かる。つまり安倍首相はペテンなのである。
安倍首相は昨年の総選挙時に自民党が掲げていた「J-ファイル2012」のTPP関連項目である6項目の最初の項目でさえ、まったく突破できていないのだ。ISD条項とラチェット規定が屹立していて、条件闘争的な交渉ができるはずがない。TPPの判断基準として掲げた6項目がISD条項を含めて、もはや通る可能性がないことは見えているわけであり、不参加以外の選択肢はないことになる。
また、3月12日の「TPP交渉参加断固反対緊急全国集会」で、石破茂幹事長は「議論は徹底し、決めたことには従う政党でありたい」と結束を呼びかけている。同日、小泉進次郎青年局長はインタビューに、「皆、思っている意見を言って、最後にまとまるのが自民党、その姿が出た」と語った。二人ともCSISの代弁者である。
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