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IWJ: TPP交渉、日本の『聖域』は守られない! 米通商代表部声明により判明】(転用)
http://blogs.yahoo.co.jp/hellotomhanks/63850354.html
★孫崎享氏の視点ー(2013/03/16)★ :本音言いまっせー!
安倍首相の詭弁が全くいい加減であることが
下記の米通商代表部声明でも明らか。
IWJの訳を下記に紹介する。
何がルールつくりに貢献する、交渉力発揮だ、いくつかの分野は
交渉が終了してさえいる。交渉はほとんど終わっている。
いいかげんな政権だ。
<関税(customs)、通信(telecommunications)、
規制の統一(regulatory coherence)、開発(development)を含む
いくつかの交渉グループは、今後の会合で法的文書に関して
再度集まっての議論は行われず、これらの分野において残った課題は、
合意がファイナルとなる最終ステージの会合で取り上げられる
予定である。このことにより、TPP参加国は、知的財産権、
(公的機関の)競争、環境といった、残った最も難しい問題の解決に
努力を集中させることができる>
つまり、今から日本がTPP交渉に参加しても、関税に関する議論には
参加することが出来ない、ということだ。
「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対する」という
自民党の公約は、TPP交渉において実現されないということが
明らかになったと言えよう。
以下、USTRによる声明文の翻訳を一挙掲載する。
(翻訳はIWJが独自に作成)
(声明全文邦訳)
アメリカ通商代表部(USTR)による声明発表
2013年3月13日
TPP交渉は第16回の会合で順調に進展
シンガポール ― TPP交渉の第16回会合が本日終了したことを受けて、
交渉責任者たちは本会合で設定していた目標を達成したと報告した。
すなわち、オバマ大統領と他10か国の首脳が想定する、
2013年という時間枠で次世代の包括的な合意の締結に向けて
加速することへの交渉がまとまった。
TPPを通じて、アメリカは貿易や投資の枠組みを設立し、
21世紀のアメリカの利害関係者が直面する問題に対処し、
アメリカの競争力を高め、ダイナミックなアジア太平洋地域における
アメリカの貿易を拡張することにより、アメリカの雇用創設を後押しする
ことを目指している。アメリカはまた、透明性や労働権、環境保護など、
核となるアメリカの価値観について合意を進めることも目指している。
アメリカの主席交渉官でUSTR代表補のバーバラ・ワイゼルは、
TPP参加国がこれまで達成した非常に多くの交渉問題に関する
意見の一致に基づき、本会合において11か国の代表は、
残存する問題について相互受け入れ可能な道筋を見つけ、合意の法文化を
進める動きを進展させた。
活発な会期間の折衝や、会合における全参加国が見せた実用主義や
柔軟性の結果、関税、通信、投資、サービス、貿易における技術的障害、
衛生や植物検疫の手法、知的財産、規制の統一、開発やその他の問題など、
多岐に渡る領域において、多くの問題に対する解決を見出すことに
成功した。この進展をもって、関税(customs)、
通信(telecommunications)、規制の統一(regulatory coherence)、
開発(development)を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合で
法的文書に関して再度集まっての議論は行われず、これらの分野において
残った課題は、合意がファイナルとなる最終ステージの会合で取り上げ
られる予定である。
このことにより、TPP参加国は、知的財産権、(公的機関の)競争、環境
といった、残った最も難しい問題の解決に努力を集中させることができる。
11か国はまた、本会合において、商品やサービス、投資、政府調達の
ための市場アクセスを提供する包括提案を継続して進めることにおいても
進捗を見せた。産業製品、農業、繊維製品の関税一括法案に加え、
原産地規則、そしていかにアメリカや他のTPP参加国の企業にとって
有益となるための地域的なサプライチェーンの発展を最大限促すか
ということについて、生産的な意見交換が行われた。
また、交渉担当者は、サービス、投資、政府調達の市場を開くための
各国の提案を議論した。11か国は前回の会合から進展した市場アクセス
に基づいて、会期間のさらなる課題についても合意に至り、各国首脳が
目指す高いレベルの志にふさわしい結果に向けての動きを続けた。
3月6日、TPP交渉は一時中断し、交渉官たちはTPP参加国から300以上
のステークホルダー(利害関係者)が参加するイベントに出席し、
議論を交わした。ステークホルダーからのリクエストに応じ、
シンガポール政府は交渉官と直接議論できるような場と、
60のステークホルダーがあらゆる問題についてプレゼンテーションを
行う場を用意した。その日はまた、ワイゼルや各国の交渉責任者は
ステークホルダーに交渉の概要を説明し、TPP会談の内容や進捗状況に
ついての質疑を行った4月半ばに、インドネシアのスラバヤで行われる
APEC貿易担当大臣会合の合間に、TPP担当大臣の会合が行われ、
これまでの進捗状況の議論や交渉官に対するガイダンスの提示が行われる
予定である。交渉が最終段階をむかえていることから、残るセンシティブ
な問題に対処すべく、各国政府高官同士によってさらなる積極的な議論が
行われることとなろう。
TPP交渉の第17回会合は5月15−24日、ペルーのリマで開催される。
USTR声明原文リンク先
http://www.ustr.gov/about-us/press-office/press-releases/2013/march/tpp-negotiations-higher-gear
◇
詭弁まみれの安倍首相について感ずること
http://blogs.yahoo.co.jp/hellotomhanks/63850334.html
★孫崎享氏の視点ー(2013/03/16)★ : 本音言いまっせー!
昨年末、テレビ討論の際に田原総一郎氏が中西輝政氏に
次の質問をした。
「先生はいわば、安倍氏を首相にする応援団長だったではないですか。
何故、安倍首相は先生を政府の要職に迎えないのですか」
これに対する中西輝政氏の答えが実に本質をついていた。
「安倍氏は首相になるまでは、我々を応援団に使うのです。
でも政権をとれば官僚に任せます」
中西氏の言葉を捕捉するとこうなる、中西輝政氏は今日、
保守派の代表的論客である。
安倍氏は政権につくまでは、人気を得るため積極的に彼らを利用する。
しかし、安倍氏が勉強して信念として確たる右の思想を持っている
わけではない。それは道具としての思想である。別に実現しなくていい。
後は政権を無事に運営してくれる(と安倍氏が思っている)
官僚を使い運営すればいい。この時も単に運営すればいいだけの話だから、
彼らの言葉を適宜拝借して述べればよい。
15日、TPPへの参加を決めた後の安倍氏の発言は、少しTPPを学んでいる
からみると、事実とはかけ離れた詭弁を使っているだけである。
この人には政治的誠意というものが全く欠如しているといっていい。
詭弁の羅列である。
「今、地球表面の約3分の1を占め、世界最大の海である『太平洋』が、
TPPにより1つの巨大な経済圏の『内海』になろうとしている」
TPPへの参加国を見てみればよい。中国は入らない。インドネシアは
入らない。斑入りピンが入らない。
何が「TPPにより1つの巨大な経済圏の『内海』になろうとしている」だ。
「、「今がラストチャンスであり、この機会を逃すことは、
日本が世界のルール作りから取り残されることにほかならない。」
カナダ、メキシコの参加条件を見てみればよい。
「既存の合意はそのまま受け入れること」 すでに9月最終合意を
行おうとしている。この中に入って日本がルールつくりに加われる
可能性は全く存在しない。
「農林水産物の生産は減少することを見込んでいるが、関税を即時撤廃し、
国内対策を前提としないという単純化された仮定の計算によるもので、
実際には今後の交渉で悪影響を最低限にとどめることは当然だ」
今後の交渉で何が勝ち取れるのか。何もない農業への打撃を食い止める
条件を交渉で勝ち取ることはありえない。
『国民皆保険制度を守る』など5つの判断基準を掲げている。
私たちは、『国民との約束』は交渉の中でしっかり守っていく決意だ」
決意を持っていても、TPPの条約がどうなることとは関係ない。
決意は何の保証にもならない。
「『攻めの農業政策』により、農林水産業の競争力を高め、輸出拡大を
進めることで、成長産業にしていく。
そのためにも、TPPはピンチではなく、むしろ大きなチャンスだ。」
日本の農業の特定部門を輸出産業にする方向は選択肢としてある。
しかしTPPとは無関係だ。市場は中国などTPPへの不参加が対象になる。
「日本の主権は断固として守る」
投資企業の利益確保が相手国の国内法に優先するISD条項のなかで
どうして、「主権は断固として守る」と言えるのか。
「強い交渉力を持って結果を出していきたい」、交渉する時間がない。
既存の合意は全て守るという中でどんな交渉力があるというのか。
嘘や詭弁をいくつも並べるとそのうち、幾つかが本当のように見える。
ペテン師の手口だ。
残念ながら国民の側に発言の意味を一つ一つ検証してみようという
空気はない。
勇ましい言葉をそのまま信じたいとする。
そこまで現実を直視するのが怖いのであろうか。
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