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愛国主義者や民族派国士のフリをして日本を破壊する安倍首相がTPP参加を表明するという。
小泉元首相は、本人もわかった上での自国破壊活動であったが、安倍首相は、「従軍慰安婦問題認識」でもわかるように、何がどうなるか理解できないまま周りに唆されて自国破壊政策に勤しんでいるようだ。
政府やメディアは、今なお、TPP“交渉”参加表明とゴマカシの表現を使っているが、TPP交渉への参加表明なら、一昨年(11年)11月に野田前首相がホノルルAPECでとっくに済んでいる。
また、TPPの交渉に参加するということは、TPPの理念や原則に同意することを前提に、具体的で詳細な事柄を決める交渉に臨むということであり、TPPがどんなものか様子を見るために交渉に参加するという半身の構えが通用するものではない。
口先だけでそんな気はさらさらないのだが、TPPに疑念を抱く人々に、TPP参加が国益を損なう場合は交渉から撤退もできるという匂いを残したいがための卑しい表現でしかない。
国際的非難を浴びずに交渉から離脱できるのは、交渉で決まった内容が、TPPの理念や原則に反するものになったときである。
わかりやすく言えば、関税撤廃が理念であるのに、関税措置が多く残り、それがなくなるメドさえ明らかになっていない場合である。
逆に、米も乳製品も、10年後には関税撤廃と決まったからTPPから抜けるという“ワケのわからないワガママ”は、それならはじめからから交渉に参加するなという罵倒を浴びせられ、国際社会における信頼を根底から失うハメになる。
TPPに参加したらどうなるという試算は、この間何回か書いたように、人はおカネを食うわけにはいかないのだから、農業を疲弊させ、ただでさえ低い自給率を押し下げることを代償にした計算なぞ笑い飛ばすしかない。
しかし、日本政府が、この試算でも、単純な算術レベルでゴマカシとインチキを行っていることは無視できない。
日経新聞は、「政府が15日に公表する環太平洋経済連携協定(TPP)への参加に伴う経済効果の試算が明らかになった」とし、「輸出の増加などで国内総生産(GDP)を実質で3.2兆円(0.66%)押し上げる効果があると試算。安価な農産品の流入で農林水産業の生産額は3.0兆円落ち込むとの見通しも示すが、他の産業の生産の伸びや消費の拡大がそれを補う」と報じている。
3.2兆円は0.66%に相当するそうだが、この20年間ゼロ成長近辺で苦しんできた日本経済だから、バカにはできない数字と受け止めよう。
(それでも、それは、財政支出(バラマキ)を3.2兆円増やせば済むレベルの効果でしかなく、農業を犠牲にする意義はまったくないとは言えるだろう)
試算の根拠は?と読み進むと、「経済効果の内訳は消費による影響が3.0兆円(0.61%)、投資が0.5兆円(0.09%)、輸出が2.6兆円(0.55%)それぞれGDPを押し上げる効果があると試算。一方、安価な輸入品が増えることによるGDPを押し下げる影響は2.9兆円(0.60%)と見積もった」というものになっている。
これを算術的に表現すれば、GDP変動の構図は、
3.0兆円(消費)+0.5兆円(投資)+2.6兆円(輸出)−2.9兆円(農業部門)=3.2兆円
となる。
試算を行った官僚は当然承知のうえだが、この試算は、デタラメなGDP計算に基づいて行われている。
多くの国民はそれほどGDPについて知識をもっていないとバカにした官僚のやり口である。
GDP計算では、「純輸出」(輸出−輸入)は加算されるが、輸出が単独項目として加算されることはない。
純輸出の加算もおかしい論理なのだが、ここではそれを脇に置いて、輸出増加分をGDP増加として加算することは古今東西認められるものではない。
簡単に説明してしまうと、輸出増加分は、従業員給与(消費)・配当(消費)・設備投資(投資)などとしてGDPに反映しているから、それのみを個別にカウントする必要はないからである。
悪質で口先だけの官僚は、「いやいや、あっしらクン、輸出が増加すれば、貿易収支が赤字でも“純輸出”が+方向に動くから、結果的にGDPは増加する」と応えるかもしれない。
これも、まったくのマヤカシである。
なぜなら、試算で唯一マイナスとなっている農業部門の付加価値2.9兆円は、輸入の影響を受けた結果だからである。
輸出をGDP増加分としてカウントするのなら、農産品の輸入増加分をGDP減少分としてカウントしなければならない。
農産品の流通過程での荒利はGDPでカウントされているはずだから、農産品輸入増加額は、2.9兆円×70%として、2兆円とみることができる。
農家が購入する肥料や燃料さらには農耕機械の減少がもたらすGDP減少も考慮しなければならないが、ここでは考慮から除外する。
その値を使って計算し直せば、GDP増加は、
3.0兆円(消費)+0.5兆円(投資)+2.6兆円(輸出)−2.9兆円(農業部門)−2.0兆円(輸入)=1.2兆円
に、縮小する。
1.2兆円は、485兆円の0.2%である。
国士を気取った安倍首相の日本破壊活動やふざけた官僚の言動とそれに追従するメディアを見る度に投稿の意欲が殺がれていく。
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