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2013/3/14 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
副総裁候補の岩田氏にもこれだけの疑問の声がある
スッタモンダを繰り広げた日銀正副総裁人事が、きょう(14日)、衆院本会議で同意される。
注目された野党多数の参院も、民主、維新、みんなの党が承認に雪崩を打ち、フタを開ければ下馬評通り。日銀総裁には、財務省OBでアジア開発銀行総裁の黒田東彦氏(68)、副総裁には岩田規久男・学習院大教授(70)と中曽宏・日銀理事(59)が就任するのはほぼ確実になった。
大新聞は「黒田日銀に市場好感」「リフレ派に脚光」なんて持ち上げているが、危険な評価だ。何が怪しいって、彼らの異常な“自信”である。
日本はずっとデフレに悩んできた。日銀はこの間、マネーをジャブジャブにし、市場にはカネが余っている。それなのに、一層の金融緩和によって「2%の物価目標をなにがなんでも達成する」「やれることは何でもやる」と“自信満々”で宣言した。
金融万能主義のマネタリストには往々にして、こういうタイプが多い。中央銀行が神のごとく、経済を仕切れるのであれば、なぜ、バブルが起こり、はじけるのか。聞いてみたいものだが、黒田氏のメガネの奥には異様なプライド、傲慢さが透けて見える。金融政策の難しさ、危うさ、危険性を知っている者であればあるほど、「怪しい」と思う目だ。
要するに彼らがやろうとしているのは、どんな種類の国債もガンガン買って、短期的にバブルを起こすことであり、「後は野となれ山となれ」という無責任な“禁じ手”だ。それを手放しで評価するメディアと市場。これこそが「危険な熱狂」なのである。
黒田氏は、東京の教育大(現・筑波大)付属駒場中、高を卒業後、東大法学部に進学した。在学中に司法試験に合格し、国家公務員試験を2位の成績で財務省に入省した超エリート官僚だ。
財務省では国際金融局長や「通貨マフィア」と呼ばれる財務官を歴任、「英語が堪能で、国際金融界との太いパイプもある」とメディアは絶賛するが、元経産官僚の古賀茂明氏は現代ビジネスでこう指摘している。
〈最近の主要先進国の中央銀行トップは、かなりレベルの高い学者がなっている〉〈黒田氏はいわゆる金融マフィアで、国際会議の裏で政治的な駆け引き、根回しをすることが得意だということになっているが、ノーベル賞級の学者と丁々発止の議論が出来るかというと、とてもそんなことは出来ないだろう〉
やたら自信満々に見えるが、しょせん、この程度だということだ。そこがまた、危なっかしいったらありゃしない。
◆両副総裁も危険な"爆弾人事"
副総裁に就く岩田氏にも疑問の声が多い。
東京の小石川高校を経て東大経済学部を卒業。「日銀は金融緩和に踏み切るべきだ」と主張し続け、非正規社員の増加から少子化に至るまで、「世の中で起きている問題の多くは日銀のせいだ」という持論を展開してきた。
「日銀批判」で飯を食ってきたような学者なのだが、経済アナリストの菊池英博氏はこう言った。
「岩田氏は、安倍首相のブレーンである浜田宏一・エール大教授らと共に『マネタリスト』と呼ばれる経済学者です。彼らはいわば金融至上主義者で、マネーがすべて。政策は二の次、三の次だと思っている。彼は政府が日銀総裁の指名権を持つべきだとも主張している。この考え方は戦前のもので、非常に危険です。資本主義先進国で中央銀行が政府の言いなりになっている国などありません。そもそも、あれほど日銀を叩き続けてきた岩田氏が日銀の副総裁に就くこと自体が矛盾している。日銀内部にも余計な混乱や摩擦が生じるでしょうね」
こちらも危なっかしい“爆弾人事”なのである。
ついでにいうと、もうひとりの副総裁、中曽氏は日銀が5年後の総裁返り咲きを狙って送り込んだ切り札だ。だとすれば、心がけるのは“安全運転”。黒田、岩田両氏の暴走を体を張って止めるとも思えない。こりゃダメだ。日銀はどこへ行くか分からない。
◆マネーを見て人間社会を見ないマネタリスト
黒田、岩田体制がやろうとしていることは、札をジャブジャブ刷って世の中に出回るカネの量を増やし、力ずくでインフレ率2%を達成することだ。
市場のカネを増やせば円安になる。輸出企業の業績は上向き、給料は上がり、需要は増え、景気は回復し、デフレからも脱却できると、こんな青写真を描いているのだが、幻想だ。ゴールドマン・サックス出身で、「さらば、強欲資本主義」の著者、神谷秀樹氏は、「月刊文芸春秋」(4月号)でこう警鐘を鳴らしている。
〈中央銀行があたかも『魔法の杖』を持っているかのように考え、『杖を振らせれば、万事良くなる』というような考えは、マネーの威力を過信した(マネタリストという経済学者にこの傾向が強い。マネーを見て人間社会の実態を見ない)イリュージョン以外の何物でもない〉
〈安倍政権は『市場にお金が不足している』と考えているようだ。だが、これは完璧に間違った認識であり、市場にはお金は余っている。(中略)これまで異常なほどに過剰流動性を提供しても効果が出なかったのは、『政策として間違っていた』からだが、それを『量的に不足』と彼らは捉えている。完全に判断を間違えている〉
これがまっとうな見方だろう。改めて、神谷秀樹氏が言う。
「健全なデフレ脱却とは需要が増えて、製造が追いつかなくなり、人手を増やすために人件費が上がって、それが価格に跳ね返るというものです。これならば、給料も増えているので、多少、モノの値段が上がってもいい。しかし、円安による輸入インフレが先行し、庶民の賃金が上がらなければ、どうにもならない。悪いインフレの典型です。日銀は失業をコントロールできない。イノベーションも先導できない。それでどうやって景気を良くするのでしょう。極端な金融緩和でバブルを起こしたとして、彼らには『あなたたちは降り方を知っているのか』と聞きたい。2%に引き上げた後、どのタイミングで、どうやって、降りるのか。それを誰も知らないのです」
前出の菊池英博氏もこう言った。
「日本の恐慌型デフレが『金融』だけで解消できないことは、小泉政権時代の失敗で証明済みです。当時は、需要が足りなければ供給を絞れと、過剰な財政緊縮策と、極端な金融緩和に走ったが、結果は市場にカネがだぶついただけでした。商売=投資先をつくらなかったからです。政府が需要を喚起する政策をとらなければ、金融だけではデフレは解決できないのです」
それなのに、黒田、岩田コンビは「俺らに任せろ」と言わんばかりだ。ますます、怪しいヤツらである。
◆黒田-岩田体制でこの国はいつか来た道
金融緩和は副作用も大きい。円安により輸入品や燃料価格がハネ上がり、あらゆるモノの製造コストが上昇。不況下で物価が上がり続けるスタグフレーションや、株高による国債金利の上昇で財政破綻のリスクも指摘されている。
過去の例を見てもロクなことになっちゃいない。経済評論家の広瀬嘉夫氏が言う。
「この国は、かつてもメチャクチャに金融緩和をした時代がありました。1回目は田中内閣のときで、日銀がマネーを過剰に供給しすぎて、狂乱物価を招きました。次は竹下内閣のとき。プラザ合意によるドルの切り下げで一気に円高に進んだため、日銀が水道の蛇口を全開にして、円をジャブジャブ流したのです。結果、どうなったか。株と不動産の価格がどんどん上がり、バブルが膨らんで、最後は風船がはじけた。すでに実体経済とは関係なく、株価だけが上がり続けていますが、この国はいつか来た道を歩みつつある。それでも安倍内閣は『黒田日銀』体制を後押しし、市場の観客も拍手喝采している。まるでブレーキのない車のようです。このままでは戦後3番目のバブル崩壊が起きますよ」
それがいつになるのか。どうソフトランディングさせるのか。黒田・岩田コンビがナ〜ンにも考えちゃいないことは確かである。
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