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「日本を取り戻す」と書かれていた総選挙での自民党のポスター。よくよく見たら、「日本を売り渡す」と書いてあった、というのは冗談です。
でも、TPP参加をめぐる自民党の動向を見ていると、こう言いたくなります。日本の市場を食料メジャーや多国籍企業に売り渡そうとしているのではないかと……。
安倍首相は、明日にでもTPP交渉への参加を正式に表明すると見られています。それに向けて、自民党の環太平洋連携協定(TPP)対策委員会は決議を上げましたが、もはや交渉参加を前提とした条件闘争に転換してしまいました。
総選挙での公約違反ではないかとの批判があります。何を今さら、という気がします。
自民党という政党は、そういう嘘つき、インチキ政党だということがまだ分からないのでしょうか。これまでも何度も嘘をつかれ、騙されてきたというのに……。
TPP交渉への参加に反対する、という自民党の公約を信じて投票した人も沢山いたでしょう。そして、今、「公約違反だ」と抗議している人も……。
まだ、懲りなかったのか、と言いたくなります。自民党がどのような約束をしようとも、アメリカの言うことには抵抗できない政党だということは、これまで何度も見てきたはずではありませんか。
今度も、また、騙されることになるでしょう。これまで何度も飲まされてきた煮え湯の、新たなお代わりが差し出されるだけです。
そもそも、TPPへの参加は日本にとってどのようなメリットがあるのかがはっきりしません。中国や韓国が参加しない協定によってアジアの成長力を取り込むなどというのは幻想ですし、関税・非関税障壁の撤廃によって安い商品やサービスが入ってくれば物価が下がってデフレになるでしょう。
自民党の対策委員会が上げた決議では、コメなど主要5品目について例外とすることを求めていますが、このようなことが不可能であることは、この間の報道で明らかになっています。自動車は例外とすることをアメリカと約束しましたから、輸出にとってもメリットはほとんどなくなりました。
そもそも、アメリカがTPP参加を決めたのは、日本市場をこじ開ける手段として利用可能だと考えたからです。それは、あくまでもアメリカにとってのメリットであって、日本にとってはデメリット以外の何ものでもありません。
これは、「国を売る」ものではありませんか。安倍首相は、米軍の手足として自衛隊を提供するとともに、アメリカの多国籍企業に日本市場を売り渡そうとしています。
「対米従属」が骨身にまで染み込んでしまった自民党を政権に復帰させたツケが回ってこようとしています。「公約違反」なのはその通りであり、そのことは厳しく批判されなければなリませんが、そもそも、このような嘘つき政党を政権に復帰させてしまったのが間違いなのです。
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