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2013年03月14日 世相を斬る あいば達也
朝日新聞は以下のように、判決文にないことまでつけ加え、「陸山会」土地取引事件、政治資金規正法違反の元秘書3人に対する控訴審判決を伝えている。弁護側が水谷建設元社長らの陳述書や証言の虚偽を証明しようとした試みは、悉く却下された時点で、この事件の幕は下りていた。日本の司法が、如何に恣意的に行う事が可能かを証明したような裁判であり、何人たりとも罪人にする事をことが、日本国家では可能だと云う現実を見せつけてくれた。
≪ 小沢氏元秘書3人の控訴棄却 東京高裁 陸山会事件
【小松隆次郎】小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」による土地取引事件で、政治資金規正法違反の罪に問われた衆院議員・石川知裕被告(39)ら元秘書3人に対する控訴審判決で、東京高裁(飯田喜信裁判長)は13日、いずれも有罪とした一審・東京地裁判決を支持し、3人の控訴を棄却した。
2011年9月の一審判決は、石川議員に禁錮2年執行猶予3年▽池田光智被告(35)に禁錮1年執行猶予3年▽大久保隆規被告(51)に禁錮3年執行猶 予5年――を言い渡した。大久保元秘書については、西松建設からの違法献金事件でも有罪としていた。
一審判決は、04年の土地取引の際に小沢氏が出した4億円の処理について、3人が陸山会の政治資金収支報告書にうその記載をしたと認定した。
さらに、小沢氏の地元の胆沢(いさわ)ダム(岩手県奥州市)建設の受注をめぐり、石川議員と大久保元秘書が中堅ゼネコ ン「水谷建設」から各5千万円ずつ計1億円の裏金を受け取ったと認定。うそを記載したのは、それが明らかになるのを恐れたためだと指摘していた。
3人は昨年11月に始まった控訴審で改めて無罪を主張。裏金受領の認定を覆そうと、弁護側は 「渡した日を覚えていない」などとする水谷建設元社長らの陳述書などを新たに証拠として調べるよう要求したが、却下されていた。
石川議員は昨年12月の衆院選で、新党大地から北海道11区に立候補し、敗れたものの、比例で復活当選した。今回の判決が確定すれば失職し、執行猶予期間中は選挙に立候補できなくなる。判決前の取材に「高裁でも有罪となれば、上告したい」と話していた。
石川議員らと共謀したとして、検察審査会の議決により同罪で強制起訴された小沢氏は、昨年11月に無罪が確定している。 (朝日新聞)
おそらく朝日の記事が一番詳しく報じているが、≪一審判決は、04年の土地取引の際に小沢氏が出した4億円の処理について、3人が陸山会の政治資金収支報告書にうその記載をしたと認定した。 さらに、小沢氏の地元の胆沢(いさわ)ダム(岩手県奥州市)建設の受注をめぐり、石川議員と大久保元秘書が中堅ゼネコ ン「水谷建設」から各5千万円ずつ計1億円の裏金を受け取ったと認定。うそを記載したのは、それが明らかになるのを恐れたためだと指摘していた。≫と云う過去の下級裁判所における“登石推認判決”の推認を印象報道として、敢えてつけ加え、愚民どもが忘れないようにと念を押した記事に仕立てている。相当に悪質な記事の作り方だ。
11年9.27付の拙コラム「国民から政治を奪った検察、国民から『正義』を奪った裁判 司法暗黒国家だ」の中で書いているが、≪……その証拠ではないが、“殺しはしない、力を削ぐことだけだ”と執行猶予をつけた部分が非常に意味を持つ。石川議員も当面議員を続けられるし、小沢一郎の裁 判の結果が、この石川議員の一審判決と連動して“有罪”が言い渡されるとは限らない。“殺しはしない、力を削ぐだけだ”と云う、名目・民主主義国家、法治 国家の秩序の維持も視野に入れると「政治権力闘争」における恫喝と警鐘に過ぎない小沢裁判は、“有罪の確定判決を得る”ことが目的ではない。当面、小沢一 郎が政治の全面に出てきて、政治理念を旗幟に、国民を巻き込んで暴れまくる事が出来なくなるのが目的だと云う事だ。……≫この高裁の控訴棄却により、東京地検特捜部が石川氏らを逮捕起訴した事には正当性が与えられてしまう。
最高裁に上告しても、九分九厘“有罪”の判決文が用意されている「裁量裁判」なのだが、石川議員は意地でも最後まで日本の司法と闘う姿を見せて貰いたい。即刻上告したのは正しい判断だと思う。東電OL殺人事件で1審は無罪だったマイナリさんを一転有罪にした飯田喜信裁判長、天下の笑い者判事として末長く記憶に留める日本の裁判所の汚点と云う歴史を印象づける必要がある。 被告弁護側が現金授受を否定するアリバイや書証を提出したにも拘らず、飯田喜信裁判長は一顧だにせず、用意された法廷指揮マニュアルを踏襲した。
何としても、司法の正当性だけは死守したい最高裁事務総局及び法務省も恣意判決と云うことだ。極めて怪しげな証人の供述を前提に進めた暗黒裁判は、最後まで、その極めて黒い心証のある証言者を再度法廷に引きずり出すことを阻んだ。水谷建設の実質的オーナー水谷氏は刑務所の中で、当該社の裏金管理は当時の社長川村尚に委ねられていたわけだが、その裏金は川村尚の自由裁量の範囲にあり、入出金の帳簿もなく、当時の社長の掴み金になっていた。彼が裏金をどのように使用したか等、証明できるものはない。しかし、検察は川村尚の証言を基に、石川及び大久保氏に5千万ずつ渡ったものと推認している。
物証がゼロであるにも関わらず、状況証拠になり得るシナリオを描き、それに見合う弱味を持つ承認をし立てて、証人はオマエに金を渡したと言っている。だから、オマエは5千万受け取ったに違いないと云う推認で逮捕起訴し、裁判所が、そうだそうだそうに違いないと云うのだから、もう日本の現行の司法制度では、3人の被告にとって、闘う術は奪われたも同然だ。実際に実行した事実の証明は、どうにか具体性のある記憶も呼び戻せるから証明は可能だが、身に覚えないに事実を突きつけられ、実行していない証明をするくらい困難なことはないだろう。
小沢一郎は、検察審査会の強制起訴議決の裁判で無罪になったわけだが、現状の小沢一郎を取巻く政治情勢は、この事件によって大きく破壊頓挫させられ、小沢自身が評するように、彼らは9割方目的を達したと言っている。まさにその通りだ。こうなると、個人的にはどうしても小沢一郎の再起して貰いたくなる。小沢の再起があれば、この政治謀略9割の成功を木っ端みじんに出来るのだが、道はかなり厳しい。それでも黙々と支持していくとしよう。いずれの日か判らないが、真実が陽の目を見ることもあるだろう。そのように信じなければ、とても今の日本の社会は見ておれない。
やはり、日本の司法は腐っている。PC遠隔操作における逮捕起訴判決の、すべてが誤認であった方が、まだ救いのある事例である。恣意的な検察と裁判所の結託があれば、なんでも必ず成し遂げられる。今回の石川氏らの、裁判は小沢の方は無罪にしたのだから、せめて秘書らの方は有罪にしないと、恰好がつかない、と云う予定調和な司法の政治的裁量である。つまり、日本の司法の一番の問題点、「裁量法廷」と云う茶番司法が演じられたと言えるのだろう。石川氏ら三人にとって交通事故のような不幸だが、何時になったら、日本の司法は自浄作用を発揮するのだろう。
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