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2013/3/12 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
国政レベルでは7割近い高支持率に調子づく安倍首相だが、地元では散々な不人気ぶりだ。お膝元の下関市長選と下関市議補選(10日投開票)で、安倍の息のかかった候補が次々と敗れた。
「市長選で安倍さんは、現職の中尾友昭市長の対抗馬に、系列の地元市議をぶつけましたが、1万5000票差の大敗です。下関市は安倍さんと林農相の選挙地盤。今でこそ両家は衆・参ですみ分けていますが、中選挙区時代は父親同士が同じ選挙区で争ったライバル関係です。今度の市長選も林系の中尾市長に安倍系が食ってかかった構図でした」(地元関係者)
安倍が「代理戦争」に敗れたのは、過去の失政のツケだ。中尾市長の前任の江島潔市政時代(95〜09年)は、ムダな公共事業をジャンジャン推進。安倍家と江島家は親の代から強く結びつき、2人の癒着関係が度々指摘されてきた。
「765億円もの税金が投入された『長州出島計画』や、事業費780億円の『下関北バイパス』などです。いずれも投資効果や利用価値はゼロに近いのに、首相の父・晋太郎氏の代からの“悲願”との触れ込みで、江島市政時代に実現した。しかも、大型事業を受注するのは一部の安倍系企業ばかり。中小企業はなかなか仕事が取れず、市民の多くは江島市政に冷たい視線を向けていました」(地元関係者)
市民の「安倍系市長の誕生で、第2の江島市政を許すな!」という反発が、現職の中尾市長には追い風となった。
1議席をめぐって4候補が争った市議補選も、飯田哲也氏が率いる「みらい山口ネットワーク」系の候補が「脱原発」を掲げて当選。安倍系は元職候補を擁立しながら、その知名度も現職首相の後ろ盾も生かせなかったのだから、嫌われたものである。
全国的な高支持率とは裏腹に地元では鼻つまみ者。安倍の「正体」に、下関市民以外も気付いた方がいい。(取材協力=ジャーナリスト・横田一氏)
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