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2013年3月12日 植草一秀の『知られざる真実』
ふるさと
兎(うさぎ)追いし かの山
小鮒(こぶな)釣りし かの川
夢は今もめぐりて
忘れがたき ふるさと
如何(いか)にいます 父母
恙(つつが) 無しや友垣(ともがき)
雨に風につけても
思い出ずる ふるさと
志(こころざし)を 果たして
いつの日にか 帰(かえ)らん
山はあおきふるさと
水は清き ふるさと
3月11日、明治記念館で「祈りの日」の式典が開かれた。
世話人代表は元参議院自民党議員会長の村上正邦氏。
500名の人々が参集した。
式典で安積女子・安積黎明高校OG会合唱団の方々が素晴らしい歌を披露された。「故郷」は披露された合唱のひとつだった。
人々にとって故郷はかけがえのない場所。
いつの日にか 帰(かえ)らん
山はあおきふるさと
水は清き ふるさと
は、すべての人々の心の叫び、心の願いである。
大自然の力によって大きな災害は引き起こされる。
悲しみは果てしなく、生きる力を取り戻すには愛と時間が必要である。
私たちはいかなる困難に遭遇しようとも、希望を持って進んでゆかなくてはならない。
東日本大震災・原発事故に直面して、私たちはいま、私たちの生きる道に選択を迫っている。
環境問題への考え方に二つの大きな対立する概念がある。
「保全」と「保存」
英語では
Conservation と Preservation
ジョン・パスモア著『自然に対する人間の責任』(岩波現代選書)
に次の言葉がある。
「保全(Conservation)の思想は、自然環境を人間のための<道具>であるとみなす。
これに対して保存(Preservation)の思想は自然環境に<それ自体の価値>が備わっているとみなす。」
「保全」は人間が自然を支配するとの考えに基づく概念である。
これに対して、「保存」は人間自身が自然の一部として自然のなかで生きるとの考えを示している。
大津波が大きな被害をもたらした。
この被災に対応して、宮城県では、村井嘉浩知事の独断で、160キロに及ぶコンクリートの防潮堤が建設され始めている。
しかし、コンクリートの防潮堤の耐用期間は50年程度であるとされる。
1000年に一度の大津波に対応して、耐用年数50年の防潮堤を建設することが愚かしいことだと思うのは私だけではないはずだ。
横浜国立大学名誉教授の宮脇昭氏が、
「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」
を提唱し、その活動を実践されている。
「祈りの日」式典では、宮脇教授が、被災地の瓦礫を利用した防潮堤(「森の長城プロジェクト」)の建設計画について熱のこもった講演をされた。
青森県から福島県に至る全長300qの太平洋岸に、高さ10m〜15mの巨大防潮堤を建設する「森の長城プロジェクト」である。
残土と被災地のガレキで造成するマウンドの上に、土地本来のシイ・タブ・カシなどの照葉樹を植樹して、ふるさとと人の命を守る鎮守の森を育成する壮大なプランである。
かつて、日本人は、祈りの場としての鎮守の森をもち、森のいのちを生命の源泉としてきた。
日本人の自然観や宗教観、和の心は、鎮守の森に育まれたといってもよい。
TPPによって破壊されようとしている最大の日本の財産、世界遺産は、この日本文明の根幹、地域社会の連帯、絆であるとも言える。
コンクリートの防潮堤が耐用年数50年であるのに対して、照葉樹の自然林は9000年の耐用年数を持つという。
事実、東日本大震災による大津波でも、鎮守の森は破壊されずに自然の防壁になった事実が示されている。
宮脇氏が提唱する植林では、植林後の生育を自然に委ねてしまう。
巨額の管理費用を必要としない。
自然の力で安定した生態系が生育し、9000年の耐用年数を持つ自然林が生育するとのことである。
コンクリート建造物の建造推進の国土強靭化は国民のためのプロジェクトではない。利権政治屋と利権業者の利権のためのプロジェクトである。
根本的な見直しが必要である。
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