http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/876.html
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尖閣諸島をめぐる中国(共産党)の図に乗った挑発行動は目に余るものがあるが、それを非難しているだけでは問題は沈静しない。
米国政権は、尖閣諸島に日本の施政権が及ぶことは認めていても、領有権問題は中立を決め込んでいる。
それゆえ、武力侵攻というわかりやすいかたちならいざ知らず(そんなことは、中国も一定の条件が生まれない限り踏み切らないし、米国も、条文上、そうなったからといって中国に武力で対応するという保障はない)、中国公的機関が測量を目的として“平和”的に魚釣島に上陸しようとしたとき、日本政府が強制力で対応して衝突がエスカレートしたとしても、米国政府は傍観しているだけである。
それは、海上監視船や海軍艦艇が尖閣諸島の日本領海に侵入しても、日本はそれらを駆逐することもできず、米国も、中国艦船の活動能力を偵察するにとどめていることからでもわかる。
どちらが良い悪いという話ではなく、9月中旬以降、尖閣諸島の領海領空は、日中の「二重権力状況」に置かれ、日本の施政権は言葉だけのものというきわどい状態になっている。
どこまで本気かわからないが、「釣魚島(日本名・尖閣諸島)に測量隊を派遣し、測量標識を設置する」行動に踏み込めば、領海領空にとどまらず、領土までが侵され、全面的な「二重権力状況」に陥ることになる。
領海領空のレベルであれば、日本側艦船と航空機で“監視”や“警告”たまには“威嚇”といった対応で済むが、名目が何であれ、領土に土足で踏み込まれたらそれでは済まない。
警察力を行使して排除しなければ、尖閣諸島領有権主張もあやしくなり、国家としての威信も失う。
中国とて、公的機関職員が逮捕されるような事態に手を拱いているわけにはいかないし、中国国民感情も9月のレベルで済まないだろう。
中国(共産党)は、日本政府に対し、現時点及び近い将来で、尖閣諸島の領有権を放棄しろと迫っているわけではないし、尖閣諸島を武力で“奪還”すると言っているわけでもない。
彼らが日本政府に求めているのは、日本・台湾(中国)のあいだに尖閣諸島の領有権をめぐって係争があるという認識の表明であり、それを基礎とした尖閣諸島領有問題の“棚上げ”である。
それ自体が好ましい決着とは思っていないが、72年の国交正常化交渉以降の日中外交がそれを暗黙裏の了解として行われてことを考えれば自業自得と言える。
外務省などはそんな“密約”や“了解”はないと主張しているが、99年にまとまった新日中漁業協定で、尖閣諸島領域が日本の領海及び排他的経済水域として扱われていないことを考えれば、虚しいゴマカシといわざるをえない。
尖閣諸島測量標識設置問題は、中国共産党の図に乗った挑発言動で許しがたいものである。
しかし、相手を罵っても事態を解決することはできない。
民主党野田政権そして自民党安倍政権が、尖閣諸島領域で続く「二重権力状況」を半年経っても解消できていないことが大問題であり、それが、尖閣諸島に測量標識を設置するという今回のような挑発的言動を招いているとも言える。
落とし所が、日本・台湾(中国)のあいだに尖閣諸島の領有権をめぐって係争があるという認識の表明を基礎とした尖閣諸島領有問題の“棚上げ”にしかないことは明瞭であり、そうであるなら、それを一日でも早く実行に移すほうが得策である。
中国(共産党)も、5年に一度の党大会、それも10年に一度の指導部交代の党大会を1ヶ月ほど延期してまで、尖閣諸島問題でこじれた日中関係の処理策を検討した。
かつてほどではないが、中国は、経済成長の持続性に日本(企業)の投資が重要であることも理解している。
新外相として日本語堪能な元駐日大使・王毅国務院台湾事務弁公室主任を選任することも対日関係重視の現れであろう。
精神論や中共憎しを拠り所に、尖閣諸島周辺の「二重権力状況」を放置し続ける方が、日本の国益をより損なうことになると自覚すべきである。
※ 尖閣諸島領有権問題関連投稿
「尖閣発言で米倉経団連会長を叱った岡田副首相がそっと表明した「領土係争」認識とそれに艦船の“領海侵犯”で応えた中国政府」
http://www.asyura2.com/12/senkyo137/msg/712.html
「日本はASEAN関連首脳会議南シナ海領有権問題で米国からも袖にされ敗退:カイロ宣言の解釈:中国の主張は無根拠」
http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/515.html
「尖閣諸島領有権問題をめぐる解釈への「完全な勘違い」や「論理が杜撰過ぎ」という批判に答える」
http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/531.html
「私の領有権問題での投稿に唖然となり(笑)を多発している御仁への回答」
http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/579.html
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中国、釣魚島への測量標識設置を計画
中国全国政治協商会議(全国政協)委員、国家測量製図局副局長の李明徳氏は8日、「時機を見計らって釣魚島(日本名・尖閣諸島)に測量隊を派遣し、測量標識を設置する」と表明。「釣魚島がもっとはっきり見えるようにする」と語った。京華時報が報じた。
李氏によると、昨年9月に発行された釣魚島の地図は、航空宇宙分野の手法を応用して実測したもの。釣魚島の立体的な起伏がすべて確認でき、付属諸島の地名もすでに命名済みだという。「現在公開されている釣魚島の地図データは主に無人機や衛星で収集したもの。今後は測量のやり直しではなく、精度を高めて周辺の付属島しょまで測量する」と李氏。
2009年に立ち上がった国家海洋島(礁)測量プロジェクトは、国家測量製図地理情報局を中心に、中国人民解放軍参謀本部関連局、国家海洋局、海軍航海保証部が参加。第2期プロジェクトは、釣魚島海域全体が対象範囲となっている。
測量に当たり釣魚島に向かうどうかについて、李氏は「われわれの領土だから、あり得る。今後は測量隊を派遣するほか、島に測量標識も設置する」と可能性を示唆。「衛星による測位には、地上制御点が必要となる。この制御点は中国の座標システムの一部」と説明した。
李氏によると、中国はまだ釣魚島に正確な測量点がなく、現在のデータは推測したもの。測量標識ができれば、釣魚島の地理データの精度が高まるほか、周辺海域の地形も明らかになるという。
李氏は、第2期の測量では南中国海の島と岩礁の探測を検討していると明らかにした。「以前は1つの点でしかなく、水深など細部が分からなかった。今後は海上、海中の状況がともに明らかになり、より正確な測量・製図が可能となる」。(編集YT)
「人民網日本語版」2013年3月9日
http://j.people.com.cn/94474/8160389.html
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