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安倍晋三首相=国会内で2013年3月6日、藤井太郎撮影
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130310-00000001-mai-pol
毎日新聞 3月10日(日)0時54分配信
安倍晋三首相は9日、BS朝日の番組で、将来的に憲法9条を改正し、国連の判断で軍事的な措置などで侵略行為を除去する「集団安全保障」に参加することに意欲を示した。これまで憲法改正の発議要件を定めた憲法96条の見直しを訴えてきたが、より踏み込んだ。「安倍カラー」を出し始めたのは政権運営への自信の表れといえるが、与党から「勇み足」を懸念する声が上がっている。
首相は、自民党が昨年4月にまとめた憲法改正草案を引用し、憲法9条1項を見直す目的として「国際紛争を解決する手段として武力行使をしないとなると、(国連の)集団安全保障において日本は責任を果たすことができるのかという議論が残る」と説明した。
国連憲章7章は、安全保障理事会が経済制裁などでは不十分と認めた場合、国際平和と安全の維持・回復のため、空・海・陸軍は行動に出ることができると規定している。
しかし、国連加盟国が「国連軍」を結成した実績はない。こうした情勢を踏まえ、日本政府は自衛隊の参加について「将来、国連軍の編成が現実の問題になるときに判断する」と見解を示すにとどめてきたが、首相は「(参加に備えて)整理をしておこうと(いうことだ)」と述べた。
与党内には戸惑いが広がっている。
自民党の防衛相経験者は「憲法改正は夏の参院選の公約に書き込むが、集団安全保障は選挙に勝った後の話だ。丁寧にやるべきだ」と指摘。首相に近い党幹部も「集団的自衛権までは許容できるとしても、それを超える議論に至っていない。中長期的課題と言うしかない」と話した。
公明党幹部は「参院選が近いのでアピールしたかったのかもしれないが、経済と復興を最優先に協力していこうという今のムードに水を差すのはいかがなものか」と苦言を呈した。【朝日弘行】
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