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2013/3/8 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「安倍チャンもやるよね。イの一番に憲法改正かと思ったら、経済問題だ、アベノミクスだ、と来るんだから。正直、驚いたよ」
同僚議員がこう漏らした。
安倍首相は経済を知らない。永田町の常識だ。6年前も、国民をうならせる経済政策などなかった。「美しい国をつくる」とか「戦後レジームの脱却を目指す」とか、独り善がりの理念が先行。それすら政権の放り出しによってウヤムヤで終わっている。
昨年末の衆院選でも、安倍は「集団的自衛権の行使容認」や「国防軍の創設」を訴えた。特定の保守層にだけ支持される「偏った思想の政治家」。そんな安倍のイメージを覆したのが、仲間内でも予想されていなかったアベノミクスだ。
これまでのところ、狙いは当たっている。株価はきょう(8日)午前、リーマン・ショック前の高値1万2214円を上回り、為替も1ドル=95円の円安水準となった。株高円安の流れは止まっていない。むしろ、これから加速する公算が大だ。
黒田東彦アジア開発銀行総裁は、予定通りに日銀の新総裁になれば、社債や投信もガンガン買うつもりだ。「やれることはなんでもやる」と公言している。国債に加えてリスク資産も引き受け、今まで以上に輪転機をぐるぐる回して紙幣をばらまく。そうやって安倍を側面支援する気だろう。
ただ、政策決定の最高責任者はドシロウトだ。だれに吹き込まれたのか知らないが、株価が上がればいい、お札をドンドン刷ればいいと思い込んでいるフシがある。
今さえよければそれでオーケー。そんな刹那的な考えが、どれほど危険なことなのか、果たして、分かっているのだろうか。
◆不況脱出に国債乱発した高橋是清の失敗
安倍のリフレ政策は、1929年の世界恐慌後のデフレ処理に乗り出した高橋是清のそれと似ている。だとすれば、当時の日本経済が歩んだ道をたどれば、この先の姿も見えてくるはずだ。インフレは進むのか、デフレが続くのか。歴史が教えてくれる答えは明確だ。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)が言う。
「高橋財政は最終的に崩壊しています。安倍首相の経済政策も、日本をメチャクチャにして終わるでしょう。是清は、金解禁という緊縮政策の失敗と長引く不況の中で、積極財政を展開しています。税収は上がらず、国家財政は逼迫していた。それでも飢えに苦しむ民衆への対策や産業の育成で支出が増大。満州事変に突入していたため、戦費調達という使命も負っていた。ニッチもサッチもいかなくなり、国債の日銀引き受けに踏み切ったのです。それによって財政は一時的に賄えるようになり、景気も上向き、株式市場も敏感に反応した。ただ、日銀の資産内容と日銀券の発行量がアンバランスになり、値上げが値上げを呼ぶハイパーインフレ、スーパーインフレを招いたのです」
国債の大量発行で拡張した国家財政や国家運営は、簡単に収縮しない。暴れ馬を取り押さえるのは至難の業。物価は狂ったように高騰し、国民生活は火の車となる。
追い詰められた政府は、価格統制を断行し、戦時経済へ突入していったのだ。
◆ヘリコプター安倍がもたらす幻想的成長
歴史は示唆に富んでいる。その場しのぎの行き当たりばったりの政策は、この国と国民を重く息苦しい時代に連れていく。
アベノミクスの行き着く先はハッキリしている。奈落の底へまっしぐらだ。
「安倍首相も国債を乱発し、日銀に引き受けさせることでカネをばらまこうとしています。まさに『ヘリコプター安倍』ですね。投機的な要素は肥大化し、景気は一時的に引き上げられるでしょう。ただ、株や不動産が上昇し、ガソリンや食料品の値段が上がっても、賃金はなかなか上がらない。一方で日本経済のスクラップ&ビルドが進む。規制改革で産業構造はグチャグチャにされ、TPPにも参加する方針です。もしかしたら、外国資本の上陸によって日本のGDPは増えるかも知れません。でも、日本民族のGDPは増えない。日本の富は外国の企業に買い占められるのです。株や不動産はバブルだったと分かるし、架空の幻想的な経済成長だったことも分かる。しかも、猛烈な物価高で暮らしていけない。そのときは、統制経済でもやるのでしょうか。庶民が味わう苦しみは、第2次大戦に突入したときにそっくり、という危険性は高いのです」(小林弥六氏=前出)
確かにインフレは進むだろう。でも、決して国民が望まない格好になる。国債の日銀引き受けを伴う積極財政は、必ず失敗するのだ。
◆鬼門の参院選までの「だまし討ち」
そもそも安倍は、本気で経済再生に取り組む気がないのだろう。アベノミクスなんて瞬間の人気取り政策だ。力強い経済の復活など、二の次三の次である。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「安倍首相が再登板したのは、6年前にやり残したことがあるからです。それは経済の再生ではないでしょう。憲法を変え、軍隊を持ち、戦争をやれる国にしたいのです。だから、7月の参院選で勝ち、ねじれを解消できるまでは、安倍色を抑えながら高い支持率をキープしたい。そのための株高であり、紙幣のばらまきです。安倍首相にとって参院選は鬼門。6年前に退陣につながる体調不良を招いたのも、参院選に負け、党内からの批判が噴出したからです。7月までは本性を出さない。前回の反省から、だまし討ちみたいなことをやっているのです」
その結果、国民はとんでもない目に遭わされるのだ。
少なくとも国民は、歴史に学ぶべきだろう。
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