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米政府が交渉の「年内妥結」を目指す環太平洋連携協定(TPP)に日本が交渉参加を表明した場合、日本が農産品など「聖域」を守って各国と対等に渡り合えるのか。先にカナダとメキシコがのんだ交渉権を著しく制限する条件で各国が対日交渉に挑んでくれば、日本の不利益は避けられないが、政府は国民への説明をしていない。(TPP取材班)
■関与
TPP交渉の参加11カ国は、関税の撤廃や削減、知的財産の保護など21分野でのルール作りを急ぐ。国章の基本合意のめどは今年10月に迫るからだ。
政府は、「一刻も早く交渉に参加しないと、各国でルール作りが進んでしまい、日本が関与できる余地が少なくなる」として、交渉参加を急ぎたい意向だ。では、日本にどれだけの時間的猶予が残されているのか。
当時の野田佳彦首相が2011年11月、米国・ハワイで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」と発表。しかしこの時すでに交渉参加国側は「大まかな輪郭に合意した」として、交渉が刻一刻と進展していることを示していた。
コメなど農産品で多くの重要品目を抱える日本が強く関心を寄せる関税は、各国の利害が激しく対立し交渉の最後までもつれ込む公算が大きい。一方で、複数の外交関係筋は、すでに8分野では交渉終了が見えてきていると指摘する。
複数の外交関係筋が「日本が今更交渉に参加しても、参加国に取り残され日本抜きで協定が決まるだろう」と分析する。
■試算
TPP交渉は、後から交渉参加したカナダとメキシコ以外の各国がルール作りを主導する。新たな交渉参加国には強い拒否権がなく、「既に交渉を進めていた9カ国に交渉を打ち切ることができる」との取り決めがあるためだ。
関係筋は「遅れて世界貿易機関(WTO)に加盟しようとした中国とロシアが良い例で、それぞれ加盟に8年と12年を擁した。後から入ってきた国が、既に決まったルールは基本的に変えられないため、農作物はじめ日本が求める固有事情に合わせたルール作りは保証されない」と指摘する。
政府は、近くTPPに参加した場合の経済効果の試算を表明するが、入り口から不利なルールのもとでは、試算も絵に描いた餅になりかねない。
■「外交機密」 理由にならぬ
TPP問題に詳しい東大大学院の鈴木宣弘教授(農業経済学)に聞いた。
「政府はこれまで経済連携協定(EPA)交渉では『外交機密』を理由に内容を国民に明らかにしてこなかった。ただし、今回のTPPではそのやり方は許されない。なぜなら、TPPは今まで結んだEPAとは比べものにならないほど、国民生活への影響が大きいからだ」
「情報をしっかり国民に提示し、国民が『それでもTPP交渉に参加すべきだ』という結論になれば良いが、今は政府が情報を隠したままの状態。政府は、水面下で米国と自動車交渉を行い、国民が知らない間に大幅に譲歩した。国民の代表である国会議員すらまともに説明していない状況の中で交渉に参加することは、民主主義国家としてあり得ない」
2013年3月8日 東京新聞 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2013030802000139.html
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