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2013/3/6 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「2%の物価上昇を達成し、需要や雇用を回復させ、賃金も上がるメカニズムをつくる」「2年で目標を達成できないなら、辞職する」――。
随分と勇ましい言葉を吐く学者がいたものだ。きのう(5日)、日銀の副総裁候補として衆院の所信聴取に臨んだ学習院大教授の岩田規久男氏(70)のことである。
岩田氏は総裁候補の黒田東彦・アジア開発銀総裁とともに「リフレ派」の代表格だ。日銀にお札をジャンジャン刷らせ、緩やかなインフレを起こし、景気回復を目指すというのが、彼らの主張である。この日も前日に聴取された黒田氏に続き、持論を盛んにまくし立てていたが、果たしてリフレを進めれば、本当に景気は回復するのか。
「2%の物価目標ですが、市場は中長期的にも実現するとはまともに信じていません」と、リフレ派をバッサリ切ったのは、一橋大の斉藤誠教授(経済学)だ。朝日新聞のインタビューに、こう答えていた。
「物価が2%上昇すると金利は3%ぐらいになる。賃金も3、4%ぐらい上がるでしょう。そうなれば企業のコストは膨らむし、国債価格が急落して、国家財政も、国債を大量に抱える銀行も困る。雇用に影響が出て労組も困る。そんな姿をだれも望んでいません」
そのほかにも反リフレ派の反論を挙げればキリがない。
「カネが余れば株やマンションの投資に向かって、資産インフレを招くだけ」「金融緩和で円安が進めば、ガソリンや灯油、野菜の値段が上がる。生活必需品の高騰により、庶民の暮らし向きは悪くなる」etc。
アベノミクスのリフレ政策を巡って、経済学者の意見は真っ二つに割れているのが現状だ。一体、どちらが正しいのか? 諸説入り乱れているのだが、ひとつだけハッキリしていることがある。
この国の経済が今、リフレ派によって壮大な実験台にされようとしていることだ。
◆専門家こそ経済学の限界を思い知るべき
世界各国はリーマン・ショック後に財政出動や金融緩和など「経済学のイロハ」に従って、あらゆる手を講じてきたが、危機から脱していない。これだけ好不況を経験しても、経済危機やバブルが起こる。そのたびに庶民は翻弄され続けている。資本主義の限界である。
いつバブルが発生し、いつ崩壊するかは経済学者も予測がつかない。それこそが経済学の限界で、前出の斉藤誠氏は「学者の役割は警告するくらい」と謙虚に語っていた。それなのに、世の中にはカン違いしている学者がいる。
リーマン・ショックを引き起こしたのは、金融工学でリスクはヘッジできると豪語していた学者と証券会社だ。その幻想は無残に打ち砕かれた。それほど、市場のコントロールは難しいのに、何とまあ、リフレ派の自信タップリなこと。彼らの政策の正当性以前に、ここがいかがわしいのである。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)はこう言った。
「今のリフレ派の主張は、あくまでひとつの学説に過ぎません。反論もあれば、すでに効果ナシと結論づけられた政策という意見まである。それなのに、学者の性分をわきまえず日銀副総裁という政治プレーヤーとなり、自らの学説を一国の金融政策に取り入れようとするなんて、あまりにも大それた発想です。壮大な金融実験に国や国民の将来まで道連れにする気なのでしょうか。『職を賭す』というのも、ありがた迷惑な話。実験が失敗すれば、国民は取り返しのつかない犠牲を払わされるのです」 国民は今、リフレ政策という危険なバクチに巻き込まれつつある。それを自覚すべきだろう。
◆国民をモルモットにする壮大な金融実験
学者の中には、自分の学説を信じて、それを実際の経済政策として“試して”みたくてウズウズしているのも多い。そこには学問的な関心だけでなく、自分の地位向上、名誉欲、金儲けなどの欲望も絡む。
典型例が慶大教授の竹中平蔵氏だろう。小泉政権に大臣として潜り込み、「構造改革路線」を振りかざし、この国をズタズタにした張本人だ。
「小泉政権が新自由主義にドップリ漬かった竹中氏の学説を重用した結果、日本は海外のハゲタカファンドの草刈り場となり、取り残された地方はシャッター通りと化した。行き過ぎた規制緩和は、格差社会を拡大させた。ところが、竹中氏には反省のそぶりもない。最後は参院議員もブン投げたのに辞職後も講演活動を続け、ついに安倍内閣では産業競争力会議の民間議員として、政権の中心に舞い戻ってきた。チヤホヤする側にも問題がありますが、学者としてあまりにも厚顔です」(政治評論家・本澤二郎氏)
学者なのに政治プレーヤーとしての野心を隠そうとしない岩田氏も竹中氏と似た者同士ではないか。そんなにおいがプンプンする。それだけに今回の人事が余計に危ういものに見えるのだ。
◆2年後にはトンズラという無責任な理論
リフレ派の理論が正しいのか否か。その判断を下すには、何をもって良い経済政策というかである。アベノミクスのリフレ政策は誰のための経済政策なのか。庶民なのか、金持ちなのか。一時的なものでいいのか、将来をも見据えるのか。それによって判断は変わってくるが、答えは言うまでもないだろう。
アベノミクスとはバブルを引き起こし資産家を一時的に潤わせるだけの刹那的な政策なのである。だから、無責任な学者がバッコする。2年だけ株価を上げればそれでいい。後は野となれ、山となれ。その後はトンズラと、そんな経済政策だ。前出の小林弥六氏はこう言った。
「金融緩和で有り余ったカネは株や不動産に向かい、すでに安倍バブルが発生しています。おかげでもともと、株や土地を保有している資産家や海外の投資ファンドは潤っています。逆に何も持たない貧困層には、円安による輸入インフレが襲う。カ
「ソリンや小麦、電気料金はもう跳ね上がっています。ワンコインでランチを済ませるサラリーマン家計には死活問題です。それでも物価上昇が本当に景気を刺激し、いずれ賃金が上昇すれば我慢できますが、グローバル競争にさらされる企業がコスト増に直結する賃金引き上げをやるわけがありません。安倍政権が壮大な金融実験を続ける間、庶民の生活は置き去りにされるのです」
それでも国民は、モルモットとなり淡い期待を抱き続ける気なのか。そろそろ気づいた方がいい。
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