09. 新自由主義クラブ 2013年3月06日 17:15:59
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小沢一郎氏の日本国憲法改正試案(文藝春秋 1999年9月特別号 所収)と、安倍・自民党憲法改正草案とを比較してみました。小沢案と自民党案とは、かなり共通点があります。 小沢氏の「占領下に制定された憲法は無効」や、憲法改正手続きは「一旦日本国憲法の無効を国会で宣言し、その上で新しい憲法を作りなおして、可否を問う」という考えは異様です。 ●第1章 天皇
【自民案】天皇は元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴 【小沢説】天皇が国家元首であることをきちんと条文に記すべきであると主張する人もいるが、今の文章のままでも天皇は国家元首と位置づけられている。 ●第2章 安全保障 【自民案】現行憲法の9条の第一項に加えて、次のことを付け加える 現行憲法9条の第一項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。 首相を最高指揮官とする国防軍を保持する。 国防軍は自衛のための任務の他に、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。(※「国際的に協調して行われる活動」は、国連決議によるものに限らない) 国防軍に審判所(軍事裁判所)を置く。 【小沢案】現行憲法の9条の一、二項に加えて、次の第三項と、国際平和のための兵力の提供の条項を付け加える。 三 「前二項の規定は、第三国の武力攻撃に対する日本国の自衛権の行使とそのための戦力の保持を妨げるものではない。」 日本国民は、平和に対する脅威、破壊及び侵略行為から、国際の平和と安全の維持、回復のため国際社会の平和活動に率先して参加し、兵力の提供をふくむあらゆる手段を通じ、世界平和のため積極的に貢献しなければならない。 ●第3章 国民の権利及び義務 [公共の福祉]第12条 【自民案】この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない 【小沢案】この憲法の保障する基本的人権はすべて公共の福祉及び公共の秩序に遵う。公共の福祉及び秩序に関する事項については法律でこれを定める。 [幸福追求権]第13条 【自民案】全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない 【小沢案】この憲法が保障する生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならない。 ●第9章 緊急事態 【自民案】外部からの武力攻撃、地震等による大規模な自然災害などの法律で定める緊急事態において、内閣総理大臣が緊急事態を宣言し、これに伴う措置を行えることを規定。 ・内閣総理大臣は、武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。 ・緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。 ・緊急事態の宣言が発せられたときは、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる ・内閣総理大臣は、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。 【小沢案】内閣は、国又は国民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある緊急事態発生した場合は、緊急事態の宣言を発令する。緊急事態に関する事項は法律で定める。 ●第10章 憲法の改正 【自民案】憲法改正の発議要件を衆参それぞれの過半数に緩和。
【小沢案】一旦日本国憲法の無効を国会で宣言し、その上で新しい憲法を作りなおして、可否を問う。 (参考文献) ■文藝春秋 1999年9月特別号 所収 「日本国憲法改正試案」小沢一郎(自由党党首) http://www.ozawa-ichiro.jp/policy/04.htm ■自民党・憲法改正草案 http://www.jimin.jp/activity/colum/116667.html
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