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★「天木直人氏の視点ー(2013/03/06)」★ :本音言いまっせー!
きょう3月6日の各紙は一斉に大きく報じている。
TPPの事前協議において日米両国は農業と自動車の例外取引で大筋
合意したと。
これにより安倍首相は来週15日にもTPP交渉参加を宣言すると。
これは明らかに政府筋が流した情報をそのまま垂れ流す御用記事である。
国民を欺く作為的な報道だ。
しかし、さすがにメディアもウソはつけない。その記事を詳しく読む
と真実が見えてくる。
一つは日米合意などいまだ見られていないということである。
この報道は米国と事前交渉を重ねている日本側官僚の希望的見通しに
過ぎない。
二つは、かりに合意ができたとしても、それは取引などではなく
日本側の一方的な譲歩に終るということである。
すでに日本側は米国の自動車関税を維持し、輸入手続き簡素化で
米国車の日本市場参入を拡大させることで全面譲歩している。
それどころか米国は韓国とのFTAでは自動車関税で譲歩している
から、日本は差別的な不利をこうむることになる。
日本の自動車業界はそれを指をくわえて認めるというのだろうか。
その一方で農業の例外化についてはまったく見通しは立っていない。
それを決めるのは最後は米国議会だ。拒否されるおそれは多分にある。
要するに合意のメドはまったく立っていないどころか、日本が合意を
急ごうとすればするほど全面譲歩を迫られるという馬鹿な交渉が
行なわれているのだ。
そして安倍首相が来週にも交渉参加を宣言するというウソである。
安倍首相はもちろんそうしたいだろう。そして70%の支持率を背景
にそれを強行するだろう。
なぜならばオバマ大統領と約束してきたからである。
宣言できなければ鳩山首相の二の舞になる。それだけは避けたいに
違いない。
しかし私が報道の三つ目のウソという理由は、農業と自動車の取引が
成立したからといって、それだけでTPP交渉参加の条件がクリアした
ことにはならないということだ。
TPP協定の反国民性は自動車分野の譲歩だけではない。
医療・保険制度の市場開放から始まって多くの譲歩が待ち受けている。
それらを国民の前で十分に議論し、説明することなくTPP交渉参加
宣言を行なうことは国民を欺くことであり、許されないことである。
それを知っていながらTPP交渉参加宣言を容認する記事を当然の
ように書くメディアこそ大嘘つきだということである。
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