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2013/3/5 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
民主政権の時と違う
安倍政権に対する大手メディアの対応は、民主党時代とは様変わりだ。まるで日本ハムのルーキー、大谷翔平選手に対する報道を見ているようである。安倍首相が何をやっても、ガンバレ! と応援している。
あれほど民主党に対して「マニフェストを裏切った」と責め立て、追い込んだにもかかわらず、自民党の“マニフェスト違反”については批判しようともしない。
たとえば、自民党は昨年12月の総選挙の時、「無制限の金融緩和を実施する」と公約していたのに、いつの間にか「無制限」を「無期限」に変えている。「無期限」なら1990年代からずっと行っているではないか。
「10年間で200兆円の公共事業を行う」という訴えも、いつの間にか「機動的な財政政策」に変わり、財政健全化も考えると言いだした。この調子では、参院選が終わったら、財政赤字を減らすためにと称して社会保障の削減に乗り出すだろう。
一事が万事この調子。もっとヒドイのはTPPである。自民党は交渉参加について、▽聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対する▽国民皆保険を守る▽食の安全安心基準を守る▽ISD条項に合意しない……など6条件をつけていたはずだ。
ところが、安倍首相は訪米に際して「聖域なき関税撤廃」が前提でなければ交渉に参加すると、6条件ではなく1条件にしてしまった。ほかの5条件はどうしたのか。
しかも米韓FTAを考えると「関税撤廃の例外」は、コメだけになりかねない。公約破りもいいところで、もし民主党政権だったら、大手メディアは徹底的に批判しただろう。
そもそも自民党は、選挙前はTPPよりもRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の方が有利だとも広報していた。ところが、RCEPを主張する議員はほとんどいなくなったが、誰も追及しない。
大手メディアは、なぜ自民党のマニフェスト違反を追及しないのか。マニフェスト違反が問題にされなければ、選挙の意味さえなくなり政党政治を破壊する。福島原発のメルトダウンを隠し、風評被害や電力不足キャンペーンと、メディアの情報操作は目に余る。新聞やテレビの衰退産業化は着実に進むだろう。
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