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2013/3/4 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
果たしてこの人事は国民にとってプラスなのか、マイナスなのか。
「次元の違う金融緩和」の実現を掲げる安倍首相は、日銀総裁にアジア開発銀行の黒田東彦総裁(68)、副総裁には学習院大の岩田規久男教授(70)を就ける人事を決定。国会はきょう(4日)とあす、2人から所信を聞き、来週中に同意人事の採決を行う予定だ。
「リフレ派の考え方は、極めて明快。日銀がジャブジャブにカネをばらまけば、デフレから脱却し、景気が良くなるという単純なものです。企業や消費者が、この先物価が上がると考えるようになれば、価格が上がる前にモノを買ったり投資するようになるので、消費が増え、その結果、企業の収益が改善し、物価も上がっていくという発想です。黒田さんも、岩田さんも、筋金入りのインフレターゲット論者。〈黒田―岩田〉体制がスタートしたら、どんな手段を使ってでも、インフレ2%を実現しようとするでしょう」(民間シンクタンク研究員)
市場は「リフレ派」の起用に大喜びだ。大手証券マンはこう話している。
「株価上昇という結果が出ているのだから、日銀人事には大賛成。株が上がれば年金運用だって一息つきますよ」
安倍首相も「百の説明よりも、市場がどう反応するかだ」と勝ち誇っている。
しかし、わざとインフレを起こす「リフレ派」を総裁と副総裁に就けることが本当に正しいのか。そもそもデフレ不況から脱却できるのか。専門家からは異論が噴出している。「反対派」が圧倒的だ。
一橋大の斉藤誠教授は〈2%の物価上昇目標ですが、市場は中長期的にも実現できるとはまともに信じていません〉とバッサリだし、経済学者の池田信夫氏は〈10年以上前に散々議論され、効果がないと結論づけられた政策〉と説いている。
実際「インフレ2%」を起こすのは簡単じゃない。80年代のバブル期でさえ、平均1・3%だった。20年間も深刻なデフレ不況がつづいているのに、手品のようにインフレを起こせるわけがない。東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏はこう言う。
「日銀がどんなに頑張っても2%のインフレを起こすことは無理だと思う。この20年、すでに日銀は思い切った“金融緩和”を実施している。世の中に出回るカネの量を40兆円から130兆円に増やしています。それでもデフレから脱出できなかった。理由は、デフレの原因は資金不足ではないからです。いまでも市場にはカネがあふれている。企業の内部留保は200兆円です。デフレの原因は、賃金の低下です。これ以上、金融緩和をするのは、内臓疾患の患者に、もっと飲めと風邪薬の量を増やすようなもの。処方箋が間違っています」
もし、国内だけで経済が完結していれば、金融緩和の効き目も大きかっただろう。しかし、グローバル化時代では、中国や東南アジアからどんどん安いモノが入ってくる。「リフレ派」は、時代遅れというしかない。
何も知らない国民は「アベノミクス」に期待し、市場も「株価1万5000円だ」などと能天気に浮かれているが、このまま「リフレ政策」が実施されたら、国民生活が打撃を受けるのは間違いない。
「黒田―岩田」コンビが総裁、副総裁に就任したら、メンツにかけて「インフレ2%」を達成しようとするのは目に見えている。無理にインフレを起こそうとしたら、どうなるか。
給料は上がらないのに、物価だけ上がる最悪の事態に突入してしまうだろう。すでにリフレ政策によって「円安」が進み、その結果「輸入物価」が急上昇している。ガソリンは12週連続で値上がりし、小麦も4月から約10%上がる。
その一方で、国際競争にさらされている企業は、人件費を上げるつもりはまったくない。下請け企業も、取引先から低価格での納入を迫られ、社員の給料を増やす余裕はゼロだ。
「もし日銀が、これ以上の常軌を逸した金融緩和を行ったら、あり余ったカネが株や不動産といった資産に向かい、局地的なバブルを引き起こすでしょう。もともと、株や土地を保有している資産家は潤うが、何も持っていない貧困層は、輸入インフレで、さらに生活が苦しくなる。いま貯蓄ゼロの世帯は、約3割に達しています。彼らは土地も不動産も買えないでしょう。ますます格差が拡大してしまいますよ」(斎藤満氏=前出)
富裕層は潤い、貧乏人はさらに貧しくなる。それが「アベノミクス」である。安倍首相は施政方針演説で「皆さん、世界一を目指していこうではありませんか!」と異様に高揚しながら、7回も「世界一」を連発していた。あの姿を見て、心ある国民は、アベノミクスの不気味な結末を感じたはずである。
日本経済を破壊する「リフレ政策」など絶対にやらせてはダメだ。デフレ不況から脱出するために、いま日本がやるべき政策はハッキリしている。
デフレを止めるには、賃上げしかない。給与所得者の4割が年収300万円以下という現状では、消費が活発になるはずがない。企業は200兆円もの内部留保をため込んでいるのだから、安倍首相は吐き出させるべきだ。
「デフレ不況から脱出するためには、やはり日本企業の商品力を高めるしかないと思う。知恵をふりしぼって、新興国と“コスト競争”しなくても済むような、世界中が欲しくなるキラーコンテンツを生み出すしかない。たとえば、一時の“iPhone”です。農産物でもなんでもいい。コスト競争をする必要がなくなれば、賃金を削らないですみます。日本企業の国際競争力が低下したのは、この20年、設備投資を怠り、研究開発費を削ってきたからです。役員報酬と株主配当だけを膨らませてきた。安倍政権は、200兆円ある内部留保を設備投資や研究開発費に回させるように税制を変えるべきです」(経済評論家・広瀬嘉夫氏)
なのに、経済のケの字も知らない安倍首相は、「リフレ派」に洗脳され、「皆さん、世界一を目指していこうではありませんか!」とひとり、高揚しているのだから話にならない。
日本はもうオシマイだ。この国は破滅に向かい始めている。
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