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http://ameblo.jp/shimarny/entry-11483496437.html
2013-03-04 21:22:32NEW ! Shimarnyのブログ
日経新聞は、規制緩和して農業の成長を唱えているが、日本がTPPに参加することによって生じる農業が抱える本質的な問題点に全く触れていない。
いくら規制緩和しても、いくら大規模化しても、日本の農業がTPP参加によって、耕地面積35倍の米国の農業、耕地面積10倍のカナダの農業、耕地面積10倍の豪州の農業と対等に競争などできるのだろうか。
どんな技術革新しても埋めることが不可能なハンデキャップを背負っているのだ。
そしてTPP参加で、待ち受ける日本の農業の結末も下記のデータで予測できる。
1農家当たりの耕地面積に換算すれば、日本の約2Haに比べて、米国が約200Ha、カナダが約300Ha、豪州が約2800Haとなるのである。
この数値が示す意味は、同じ農産品を同じ面積で作る場合の人件費を考えればわかりやすいだろう。米国に比べて100倍、カナダに比べて150倍、豪州に比べて1400倍の人件費が必要となるのである。
これが日本が輸入農産品に対して高い関税を導入せざるを得ない理由となるのだ。
TPP参加で高い関税が撤廃され自由競争の波に飲み込まれればどうなるだろう。
競争力が100倍以上も違えば、一瞬にして壊滅するのは目に見えているだろう。
耕地面積の狭い日本の農業が、TPP参加で貿易自由化して他の参加国と競争して勝利するには、競争力強化のために農家を淘汰するしかないのである。
つまり、米国の農家との自由競争には日本の農家を100分の1に、カナダの農家との自由競争には日本の農家を150分の1に、豪州との自由競争には日本の農家を1400分の1に淘汰が必要となるのである。
日本に農業従事者は300万人近くおり、そのうち270万人以上をリストラしなければTPP参加で日本の農業が同じ土俵で戦うことができないのである。
この結果、日本がTPP交渉で例外品目から除外されれば、その農産品に従事する農業は壊滅的なダメージを受けて、ほとんどの農家が廃業するのである。
この根本的な問題点に全く触れずTPP交渉に参加を叫ぶのが日経新聞である。
この根本的な問題点に全く触れず規制改革、成長戦略を叫ぶのが日経新聞である。
[3月4日 日経新聞]成長のために規制改革が不可欠だ
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO52378400U3A300C1PE8000/
日本の参加意欲表明「歓迎する」
安倍晋三首相は農業を成長戦略の重要分野と位置づけた。日本が環太平洋経済連携協定(TPP)に加わる道筋が見えてきた今こそ、貿易自由化に耐える強い農業を築かなければならない。農家の平均年齢は66歳に達している。耕作放棄地は40万ヘクタールと、農地全体の1割近くに及ぶ。このままでは自由化と関係なく、日本の農業は内側から崩壊してしまう。再生に残された時間は少ない。
コメと野菜は異業種
産業として伸ばす政策と保護政策を混同してはならない。安倍政権は、品質や安全性を高める日本の技術力を生かし、意欲ある若者が集まる成長産業へ変える方向に政策のカジを切るべきだ。それには輸出を支援するだけでなく、思い切った規制改革が欠かせない。農業はコメや野菜、果物、畜産物などの分野ごとに事業環境や競争力が大きく異なる。農業という名前だけでひとくくりに扱うと問題の本質を見失うだろう。
たとえば高関税に守られていなくても、多くの野菜生産者は自立している。過去3年で1000社を超えた企業の農業参入も半分近くが野菜だ。しかしコメや麦への参入は2割に満たない。供給カロリー(熱量)で計算すると39%しかない日本の食料自給率も、生産額ではじけば66%とけっして低くない。野菜や果物などは、穀類に比べて熱量は低くても付加価値が高いからだ。
政府はこれまで、農業をことさら弱く見せる熱量自給率を示し、だからコメ市場を守らなければならない、と強調してきた。この姿勢を改め、競争力の高い「攻めの農業」に転換するときである。和牛や国産ワインへの評価は、海外でも高まっている。まず、限られた農地でも技術で強さを引き出せる分野を後押しする政策を強化すべきだ。
一方、野菜などと違い、農地の大きさがコストを左右するコメは、全国横並びの生産調整を見直さなければ体質を強化できない。経営規模が大きいコメ産地や農家は生産量を増やし、潜在能力を最大限に引き出すべきだ。生産調整を続けながら経営規模を広げる政策には、そもそも矛盾がある。競争を避けて、小規模の兼業農家まで守るのが今の農政だ。その護送船団方式を見直せば、競争で行き詰まるコメ生産者が出てくるはずだ。こうした農家には、付加価値型の農業への転換や他の農家への農地の提供を促すべきだ。
農地の規模拡大や集約を後押しするために、農地法は、企業による農地所有の解禁を含めて抜本的に見直す必要がある。農業に情報技術を導入したり、製造や販売と融合させたりする強化策の障害とならないためにも、思い切った改革を打ち出してほしい。農産物の収量は天候にも左右される。経営安定のために一定の所得補償は必要だ。ただ、所得補償も横並びではなく、生産性を引き上げる制度の設計が欠かせない。消費者にとって農業支援策はどのような利益に結びつくか、分かりやすい説明も求められる。
農政の壁を突き破る
1993年にコメの部分開放が決まった際には、農業対策だけでなく、市場での需給調整を通じ農業を強化していく対策に取り組んだ。ところが供給過剰が露呈し、取引価格が急落すると農業協同組合が抵抗を強め、2011年にコメの公設現物市場は廃止された。企業は消費者の動きに絶えず目をこらし、商品や売り方を工夫している。農業を産業として成長させるためには、需要の変化をかぎ取り、経営意識を高める市場の存在は不可欠だ。
生産者が農産物の販売を農協組織に委ね、売り上げは平均価格で精算する共同販売という仕組みで創意工夫は生まれにくい。競争力強化の視点から農協制度の改革も進めてもらいたい。農協や農業に関係が深い議員は、これまで通りの農政の枠組みを守る姿勢に傾きがちだ。その発想の壁を突き破り、農業の再生につなげられるか。農政改革の成否は、安倍首相の政治指導力にかかっている。
日本経済の復活を目指すアベノミクスは、「3本目の矢」である成長戦略が最も重要だ。日本の農業は、成長産業として生まれ変わってほしい。そのための改革が本物でなければ、安倍政権への国民と市場の期待は失望に変わる。
まず、平均年齢66歳と耕作放棄地40万ヘクタールだけで、「日本の農業は内側から崩壊」「再生に残された時間は少ない」と断じるのは愚かだろう。
平均年齢の高齢化が示すのは、世界的にも耕作地の少なく農業従事者の多い日本で、自然淘汰が起こって競争力が強化されていることを意味している。
耕作放棄地の増加が示すのは、農業の大規模化に適していない日本で、小さな耕作地を手放すことによって競争力が強化されていることを意味している。
つまり、農業従事者が減ったから、耕作放棄地が増えたからという理由だけで、農業が崩壊しているという理論は日経新聞の勝手な思い込みに過ぎない。
少なくとも1農家当たりの耕地面積は年々増加しており競争力は強化されている。
そして、この根本的な認識の違いが間違った政策の提言に繋がっているのである。
そもそも、「野菜」を購入する判断基準と「米、麦」を購入する判断基準を考えれば、全く違う2つを比較すること自体が理屈として間違っているだろう。
「野菜」は最も生鮮食品と言え判断基準は新鮮さと産地直送であり競争力となる。
また、市場規模の圧倒的に違う「和牛や国産ワイン」との比較もお門違いである。
日本がTPPに参加したことで「和牛や国産ワイン」の販売が50%増加したからと言って、「米、麦」の販売が50%減少すれば全くお話にならない。
そして愚の骨頂が「付加価値、品質、安全、技術、情報」との言葉の羅列である。
日本の農業に「付加価値、品質、安全、技術、情報」が備われば、1農家当たりの耕地面積で日本の100倍となる米国、日本の150倍となるカナダ、日本の1400倍となる豪州と勝負できるのだろうか。
日本の農業に「付加価値、品質、安全、技術、情報」が備われば、農家を米国との競争で200分の1に、カナダとの競争で300分の1に、豪州との競争で2800分の1に淘汰させずに済むのだろうか。
日本の農業に「付加価値、品質、安全、技術、情報」が備われば、農業従事者を最低でも270万人のリストラしなくても日本の農業が米国やカナダや豪州の農業と同じ土俵で戦うことができるのだろうか。
そして、これは「生産調整を見直しや農地法の改正」に置き換えても同じである。
つまり、日本の農業に「付加価値、品質、安全、技術、情報」を備えても、日本の農業で「生産調整を見直しや農地法の改正」をしても答えは同じである。
どのような政策を断行しようとも、絶対に埋めることができない競争格差がある。
TPP交渉に参加すれば農業はハンデキャップを強いられ全戦全敗するのである。
そして、日本のTPP交渉参加は、外交儀礼で自動的にTPP参加と同意となることから、その時点で日本の農業が壊滅することは確定するのである。
これらより、日本の農業を改革して成長分野にするためには、1農家当たりの耕地面積を増やす農地法の改正とTPP交渉に不参加することが不可欠である
日経新聞は、抽象論だけ語り綺麗事だけ語り、農業の危機と規制の緩和を訴えているが、数字が物語るのは日本のTPP参加による農業の突然死である。
もし、TPP交渉参加の賛成派が農業改革を語るのなら、1農家当たり耕地面積で日本が約2Ha、米国が約200Ha、カナダが約300Ha、豪州が約2800Haをどう克服するのか述べるべきだろう。
データに基づかず雰囲気だけで農業は成長できると吹聴するほど愚かな事はない。
日本の農業に農地改革や農協改革、生産調整や所得補償などの改革は必要であるが、日本がTPP交渉に参加して農業を壊滅させては元も子もないだろう。
農業が壊滅することを防止するためには日本がTPP交渉に不参加するしかない。
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