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陽光堂主人の読書日記
PC遠隔操作事件は、やや複雑な展開となっています。容疑者の片山祐輔氏は、愛知県豊田市の会社のパソコンを利用して犯行予告のメールを送り、イベントを妨害したとして威力業務妨害の疑いで逮捕・勾留されていたわけですが、東京地検は3日、処分保留として釈放しました。証拠不充分で立件できないと判断したのです。
ところが警視庁など4警察による合同捜査本部は、かつて大阪府警が誤認逮捕した2件について、偽計業務妨害とハイジャック防止法違反の疑いで片山氏を再逮捕しました。昨年8月に、航空機に「爆弾を持ち込んだ」とのメールを日本航空のHPに送信して引き返させ、また、同じPCから昨年7月に大阪市のHPに「ヲタロードで大量殺人する」と書き込み、警戒を強化させたというものです。
合同捜査本部の幹部は「客観的な証拠はそろっており、有罪は揺るがない」と自信満々のようですが、別件で逮捕して失態を取り戻そうという魂胆が丸見えです。いつものことながら、ここまでやるのかという感じです。
片山氏が犯人なのか冤罪なのか、部外者には分かりません。ただネット犯罪は真相追及が極めて困難なので、本人が自白でもしない限り、有罪に持ち込むのは困難です。(裁判で「推認」で有罪にするという手もありますが…)
最初のイベント妨害事件の立件が上手くゆかなかったのは、片山氏が録音・録画がなされない取り調べには応じない旨を告げたため、自白を強要できなかったためです。状況証拠だけでは容疑を固めきれなかったのです。
捜査本部が逮捕の決め手の一つとしていたのが、神奈川県・江の島で、防犯カメラに猫と接触する片山氏が写っていたことですが、この猫は江の島では(猫好きの人の間で)有名な存在だそうで、単に一緒に写っていただけでは決め手となりません。猫に首輪を付けている場面が写っているなら別ですが。
一連の事件で真犯人が使ったのは「iesys(アイシス)」という遠隔操作ウイルスですが、アイシスは「C#」という特殊なプログラミング言語で作られており、片山氏はこの言語を使えないそうです。特殊な言語が使われているなら、容疑者の範囲はかなり狭められると思うのですが…。
このウイルスを広める際、米国のサーバーが使用されていますが、FBIによると、このサーバー内に事件に使われたものと同じアイシスが残っており、片山氏が派遣されていた先の会社のPCで作られたことを示す「痕跡」も残っているとされています。
これに関し、主任弁護人の佐藤博史弁護士は、「米国のサーバーにあったウィルスと、日本で遠隔操作されたPCに残っていたウイルスは完全に一致しているはず。米国で『痕跡』が見つかったというが、なぜ、日本で遠隔操作されたPCから、その『痕跡』が見つからないのか」と疑問を呈しています。なるほど、言われてみればその通りです。
状況証拠では詰め切れないと見て捜査当局は諦め、汚名を注ぐべく別件逮捕に踏み切ったのです。別件容疑の捜査状況は不明ですが、こちらも見込み捜査で難航するものと思われます。
捜査当局によるデッチ上げは今に始まったことではありませんが、今回の事件でも繰り返されており、これは到底許容できません。東京新聞は、3月2日付の「こちら特報部」でこの事件を採り上げ、その汚い手口を告発しています。
佐藤氏が憤るのは、一連の事件で誤認逮捕をした反省を警察がしていないように見える点だ。警察は、片山容疑者の母親に対し、「警察の威信を懸けている捜査であり、しっかりした証拠を持っている」と話し、「親子の縁を切る」と書かれた書面に署名するよう求めたという。「母親がサインした書面を彼に示したら、どういうことになるのか。精神的な揺さぶりをかけようという、卑劣すぎるやり方だ」と怒りを表す。
(「日々坦々」資料ブログ)http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-8190.html
立て籠り事件などが起きた際、犯人の母親を連れてきて説得させるという手法がかつてよく使われましたが、その応用バージョンと見られます。如何にも日本的な遣り口ですが、卑劣であることに変わりありません。
足利事件や郵便不正事件であれだけ冤罪が暴かれ叩かれても、捜査当局に反省の色は見られません。警察の裏金の実態を暴いた仙波敏郎氏は、「警察は犯罪組織です」と実体験を元に語っていますが、その言葉が益々信憑性を帯びてきます。
一連の事件がどのような結末を迎えるのか未知数ですが、如何なる結果であれ、警察や検察の威信は一層低下することでしょう。元々威信などなく、この国の司法制度は江戸時代のお白州のままというのが本当のところなのですが、そう言ってしまうと身も蓋もありません。前近代性から脱却する道のりは、未だ遠いようです。
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