http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/538.html
Tweet |
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-8168.html
2013/2/28 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
政権の浮沈は報道にかかっている。メディアに巧みに情報を供給すれば、世論操作は可能だ。
日米首脳会談での環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる「聖域」問題は、そんな単純な公式を示しただけだった。
実はTPPに関する日米共同声明は、ニュースでも何でもなかった。それが証拠に、欧米を代表する経済紙フィナンシャル・タイムズもウォール・ストリート・ジャーナルも「聖域」問題など全く伝えなかった。
そもそもTPP交渉では、「聖域」などという言葉は全く使われていない。自民党が衆院選公約で「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加には反対」と明記したのが初めてだろう。
現在、TPP交渉の参加国は11。いずれの国にも聖域らしきものがある。最終的には、各国の産業保護に配慮して関税を残す例外が設けられるのは常識といえる。
またオバマ米政権が日本の参加を熱望しているのも事実だ。日本が入れば、TPP参加国が世界の国内総生産(GDP)に占める割合は30%弱から40%弱へと拡大する。
交渉が本格化すればオバマ政権は議会から「一括交渉権限」を得る必要があるが、日本が交渉未参加の状況ではまだそんな手続きもしていない。オバマ氏はTPPと米欧自由貿易協定で製造業復活と雇用増を図る狙い。
だから日本の参加はオバマ戦略に王ラスだ。「交渉前(に)異例の『声明』」(読売)に応じたのはそんな理由からだ。
安倍首相はこれを受けて「聖域なき関税撤廃は前提ではないことが明確になった」と勝利宣言、党内でも一任を取った。
しかし共同声明は「聖域」という言葉さえ認めていない。国内事情で微妙な問題があると「センシティビティー」を認め、すべての物品が「交渉の対象」と確認した。実際は「交渉継続」(ウォール・ストリート・ジャーナル)で一致しただけだ。
安倍首相が自ら「聖域」というハードルを設け、自分の解釈でハードルを越えた、と宣言して、メディアもそれをうのみにしたというわけだ。
米外交誌フォーリン・ポリシーのブログはオバマ大統領自身が歴史問題を熟知していると書いた。安倍首相がタカ派色を封印してから実現した今回の首脳会談。共同会見も夕食会もなかった。
◇春名幹男 早大客員教授。1946年、京都市生まれ。大阪外大卒。共同通信ワシントン支局長、特別編集委員を経て現職。95年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。「秘密のファイル―CIAの対日工作」など著書多数。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK144掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。