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「政府の責任において判断する」と言わざるを得ない悲劇性
2月28日、安倍首相が「政府の責任においてTPP参加を判断する」と言う趣旨のことを宣言された。ただ、TPPは国民生活全般に大きな影響を及ぼすし、そもそもTPPの条約の中身さえほとんど明らかにされていない。そして、何よりも自民党はTPP加盟反対を掲げて政権についた。
2007年、安倍政権ができた当時、安倍政権たたきをマスコミ全体が大規模に行った。ニュースソースが明らかにされないままほぼ全メディアが一斉にスキャンダルを次から次へと伝えた。背後には安倍政権による郵政民営化阻止の動きがあったはずだ。そして、今現在も安倍政権内部で現状でのTPP加盟が日本の国益にかなうと考えている政治家の方はほとんどいないだろう。しかし、それでもTPP加盟を「政府の責任において判断する」と言わざるを得ないのが今の日本の状況だ。アルジェリアの天然ガスプラントでのテロについて暴力は許さないと重ねて述べても無事に生還されたはずの日揮社員の証言さえ報道にあがらず、アルジェリア軍や民間警備会社がどんな対応をしたのかは一切調査されないままだ。
TPP参加がどういう意味を持つのか、参加交渉の経過をなぜ公開しないことになっているのか、日米の国力の差などを日本の政治家はもっと国民に説明するべきではないだろうか。今の状況はある意味、日露戦争直後の状況とよく似ている。当時の日本国民の大多数はロシアに勝ったと喜び、もっと賠償を取るべきだと政府の弱腰をなじった。しかし現実は薄氷を踏む勝利であり、ロシアが降伏を選んだのは国内事情によるところが大きかった。このころから、日本の政治家は国内での優位性を確保するために見せかけの成果を国民に信じ込ませてきた。太平洋戦争後は主にアメリカの意向により、日本国内の政治が傀儡政治ではないということを装うためにお芝居が続けられてきた。しかし、ソ連崩壊に伴って日本優遇の時代は終わり、既に日本を国際的に食い物にしようという状況になっている。10年とか20年と言う期間をかけてそういった政策が実現されつつあるのだ。日本の政治家はあまり自分で責任を負いこんでしまわずに、現実の状況を日本の一般市民へ説明するべきではないだろうか。それさえも現実には難しいであろうことはよく分かる。しかし、それをしないとどうしようもないのではないだろうか。江戸時代末期、アメリカなどからの開国圧力を受けて江戸幕府は状況を当時の諸大名にほぼすべて説明したという。それが徳川幕府の終わりを招いたが、別の意味では植民地化を逃れる結果につながった。福島第一原発事故にしてもTPP交渉加盟にしても、政治家は情報公開をもっとするべきではないだろうか。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<1360>>TC:38546, BC:20864
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