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2013-02-26 陽光堂主人の読書日記
安倍政権は、次期日銀総裁に黒田東彦・アジア開発銀行総裁、副総裁に岩田規久男・学習院大教授と中曽宏・日銀理事(国際関係統括)を起用する方針です。未だ確定ではありませんが、この案を軸に決められることでしょう。
日銀に求められているのは、意図的にインフレを引き起こすリフレ政策を行うことで、これに従う面々がトップに据えられることになります。黒田氏と岩田氏は、リフレ派とされています。
黒田氏の役割は、これまでの「通貨マフィア」としての顔を活かして日本の金融政策を他国に理解してもらうことで、日銀総裁としての力量があるかどうか未知数です。実際の業務は、理事である中曽氏を中心に進められるものと思われます。
岩田規久男氏は、成長戦略がなくとも金融緩和だけでデフレ脱却ができると述べています。そんなことが可能かどうか、本書を読めば判りますが、幾ら日銀の当座残高を積み上げても、貸し出しが行われなければ景気の好循環は達成できません。
給料が増えず、消費が落ち込んでいますから、企業は借入をしてまで設備投資しません。消費が伸びて企業生産が拡大するというパターンが必要なのですが、リフレ派はそのための処方箋を掲げていません。リフレには、確固とした理論が存在しないようです。
リフレ派の人たちに言わせると、今の日銀には気合が欠けていて、その気になればデフレ脱却など容易にできるそうです。白川総裁がいなくなれば、問題は解決すると簡単に考えているようです。
白川総裁はもちろん、日銀幹部はリフレ派の主張が空論であることは重々承知していますが、彼らはお公家気質で正面切って反論しようとしません。短期国債などを買い入れてお茶を濁してきましたが、安倍政権の圧力に屈した形となりました。
黒田東彦氏は、インフレターゲット論者とされています。しかし、インフレターゲットはインフレ抑制のために導入されるのが普通で、デフレ脱却を目的とするのは前代未聞です。リフレ派は因果関係を逆さにしていて、インフレもデフレも結果であり、消費を上向かせることが必要です。
リフレ派の政策が推し進められると、資産インフレとなって国民生活は一層苦しくなります。ジャブジャブになったお金は株や不動産投機に回されて物の値段に跳ね返ります。東京の喫茶店のコーヒー代がなぜ高いのかと言えば、地価が高いからです。
金融緩和を必要以上に行えば、円の価値は下がり、円安となります。その結果、原油や輸入品の値段が上がって庶民の生活を直撃します。アベノミクスで喜ぶのは、余裕資金で投機を行うことのできる金持ちだけです。外資もウハウハで、ジョージ・ソロスは既に930億円も利益を上げています。
インフレ下では貨幣価値が下がるので、国民が持つなけなしの貯蓄も目減りすることになります。グローバル経済下では賃金が削られる一方ですから、泣きっ面に蜂となります。
最も警戒すべきは、円安が進んで金利が上昇し、国債の償還・発行に支障をきたすという展開です。現状で国債の金利が上昇したり、国債の売りが拡大したら、止められなくなる恐れがあります。国の借金と国民の金融資産は拮抗しつつあり、国債の発行も限界に近づいています。(ドルベースでは、既に国の借金が上回っている可能性があります)
財政破綻したら政府も困ると思うのですが、財務省は破綻した方が借金を帳消しにできて好都合と考えているのかも知れません。1000兆円もの借金は、まともな手段では返済出来ません。財務省出身の黒田氏がどのような運営をするのか注目されます。
(小幡氏の本は良書で推奨できますが、安倍が善意でリフレ政策を進めているという点はどうでしょうか? 筆者には、来年から導入される消費増税を正当化するのが目的としか思えません)
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