http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/377.html
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安倍総理とオバマ大統領の、午前中の会談を終えたところでの、簡易な中間的共同記者会見のビデオががホワイトハウスのサイトにアップされています。20分ほどですが、普段は、元気がよく、スマイルも多い大統領が、このとき、冴えない顔、一つのスマイルも見せない、つまり、外交儀礼上も、本来あってはならない風情になっています。阿部首相にも、スマイルは見えません。
http://www.whitehouse.gov/photos-and-video/video/2013/02/22/president-obamas-bilateral-meeting-prime-minister-abe-japan
また阿部首相は、今回、大統領に贈り物をしています。日本製のゴルフパターです。ワシントンポスト紙の報道があります。
http://www.washingtonpost.com/blogs/post-politics/wp/2013/02/22/japanese-prime-minister-presents-obama-with-special-golf-putter/
しかし、大統領が、これに返礼のギフトをした、という報道はどこにも、みられません。例えば、英国総理と、米大統領の会談の際、ギフト交換が必ずあります。特に大国の首脳会談では、これが普通の外交儀礼となっています。
返礼がなかったとしたなら、これは、本当に、儀礼を欠く、馬鹿にした態度といえます。ただし、オバマ大統領が英国首相が来米の際に、英国首相は歴史的に由緒のあるものをオバマ氏に贈呈、しかし大統領の返礼としての’ギフトがあまりにも、人を馬鹿にしたものだったので(ハリウッド映画のDVD)、大きな問題になりました。白人の文明でも当たり前のことですが、この点、オバマ氏の個人的資質の問題ともいえます。礼儀を知らない人間、日本的には義理、人情、浪花節が通じない人間ということなのでしょう。民主党の議員に日本人の義理・人情・浪花節の感覚が全くなかったわけですが、オバマ氏は、日本の民主党議員と同質の印象を持たせます。
さて、TPPですが、日米の共同声明について、原文に当たってみましょう。ホワイトハウスのサイトにアップされているのが以下です。
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2013/02/22/joint-statement-united-states-and-japan
The White House
Office of the Press Secretary
For Immediate Release February 22, 2013
Joint Statement by the United States and Japan
The two Governments confirm that should Japan participate in the TPP negotiations, all goods would be subject to negotiation, and Japan would join others in achieving a comprehensive, high-standard agreement, as described in the Outlines of the TPP Agreement announced by TPP Leaders on November 12, 2011.
Recognizing that both countries have bilateral trade sensitivities, such as certain agricultural products for Japan and certain manufactured products for the United States, the two Governments confirm that, as the final outcome will be determined during the negotiations, it is not required to make a prior commitment to unilaterally eliminate all tariffs upon joining the TPP negotiations.
The two Governments will continue their bilateral consultations with respect to Japan’s possible interest in joining the TPP. While progress has been made in these consultations, more work remains to be done, including addressing outstanding concerns with respect to the automotive and insurance sectors, addressing other non-tariff measures, and completing work regarding meeting the high TPP standards.
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3つの段落から構成されています。
第一段落を訳出すると、以下です。
”日米両政府は、以下のことを確認している。万一(仮にも)、日本がTPPに参加を決定し、交渉過程に入った場合、すべての商品(サービス含む)が交渉の対象になること。そして、日本は他のメンバー国に合流し、包括的で、高い基準の合意の達成を目指さなければならないこと。その内容は、2011年11月にTPPメンバー国リーダーが描いたTPP条約のアウトラインで描かれている内容のことである。”
日本の報道で、あえて誤訳されている点は、この、万一、という点です。この万一(あるいは、仮にも)という野は、条件説として、should を使っているところから出てきます。日本語翻訳では、通常、定型的に、これを万一、と訳していますが、要するに、shouldは実現性が非常に低い条件の場合なのです。つまり、文章を、正確に理解する場合、日米ともに、日本がTPPに参加決定することは、現実感が低いという認識を持っていることを意味します。日本側にとっても、米国の見通しとしても、日本が、参加を決定する、とうことに、強い、疑い、否定的な見方を共有していることが表現されています。
で、万が一、日本が参加決定した場合、日本は、既に他国によって作られた枠組みを無条件で、承服しなければならない、と表現してます。つまり、日本が参加を決定する可能性は、低いが、仮に参加決定した場合は、ともかく、日本は、四の五の言わず、既にできている条約にただ、服するだけですよ、としています。つまり、条約の内容について、日本は、国益に鑑み、ここを変えてほしいとかいうことは一切なしだよ、ということをいっています。今、この現時点ですら、条約の内容に、日本が意見をする余地はゼロ、だよ、ということなのです。
第2段落を訳します。ここは、実は、日本が仮にも、参加を決定した後のことを書いています。
”二国間では、それぞれ、センシティブな品目があって、例えば、日本は農業品目、アメリカは一定の工業製品などだが、この点を念頭において、両国jは以下のことを確認する。それは、日本がTPPに参加を表明したあとだが、日米間の交渉に入るに先立って、すべての関税を廃除するということを一方的に約束する必要はない、なぜなら、最終結果は、交渉の過程を通じて決められてくるからだ。”
ここのところ、約束の必要がない、という部分の主語があえて省かれていますが、これは、米国政府が、という意味しかありえません。
つまり、日本が、参加を表明するよね。で、その後、米国と交渉が始まるよね、その交渉開始の最初の時点で、米国は、すべての品目の関税を廃除するよ、という必要はないんだよ、なぜって、どの品目の関税を廃除する云々は、交渉できまってくるわけじゃないか、という意味です。
この部分は決定的に問題です。なぜかというと、○○をする必要はない、ということは、逆にいえば、○○をすることは、禁じられていない、ということを意味します。
例えば、You are not required to bring your own lunch when you join the picnic.
これは、ピクニックに参加する場合、あなたは、自分の昼食(弁当)を持参する必要はないですよ、という英文です。この文章は、ピクニックに参加する場合、昼食(弁当)を持参することを禁じているわけでは、ないですよね?持参しても、いいからね、という意味を含んだ内容です。つまり、どちらでも良い、それはあなたの判断におまかせしますということなのです。
つまり上記の第2段落でいっていることは、日本が参加を決定した場合、米国が、いや、今後の交渉は、一律に関税廃除する、というコミットメントはする必要はないが、それは、してもいいよ、許されるよ、それは米国の思し召し次第だよ、おまかせだよ、ということをいっているわけです。
で、この部分をとらえて、阿部さんが、参加するか否かの条件として、聖域なき関税撤廃を前提としないこと、としてきましたが、もし、この段落のこの部分を基礎に、この条件が満たされた、と阿部さんがスタンスをとるならば、それは、トリックだ、まやかしだ、ということになります。日本がTPPに参加決定する前に、米国は関税撤廃に例外を認めると共同声明で一切確約はしてはいないからです。それどころか、日本が参加決定後、交渉を始めるに際して、いや、米国としては、関税廃除は一律に認めない、といってよい、それは禁じられてはいないよ、という文章になっています。これは、日本が参加を決定するや否や、米国が、よし、それは良かった、でも、うちらとしては、これから始まる交渉過程で、一切、関税廃除の例外を認めないよ、と態度表明すればいいだけであり、それでもこの共同声明に、まったく反しないことになります。つまり、米国に、完全なフリーハンドが与えられてるわけです。この部分は、日本側が提示したと報道されていますが、典型的な、日本官僚の姑息で空疎、いやらしい、欺瞞的作文術となっています。霞ヶ関文学ここにありです。
この部分は、アメリカさん、参加を決めたら、私のカラダをすべて捧げます、それをどうとでも好きにしてください、といっているわけです。日本が参加決定したなら、煮て食っても焼いて食っても、お好きにどうぞ、お気に召すまま、という白旗にほかなりません。
第三段落を訳します。この部分は日本がTPPに参加を表明するまでの協議の手続き、過程について書いています。
”日本がTPPに参加するに際しての可能な利益という観点に鑑みて日米両国は、今後も協議を続ける。この協議において、これまで進歩はあったが、さらになされなければならないことが残っている。具体的には、未解決な懸念事項である自動車や保険分野、また、他の非関税障壁について議論を詰めること、またTPP条約の高い基準を満たすように、作業を完結することなどである。”
この段落は、日本が参加決定するには、まだ、課題がかなり残っている、という認識をしめしています。困難性の表明といます。
さて、第一段落のshouldという条件説に戻ります。これが文字通り、実現可能性が低い条件と両国が認識しているのか、それとも、単なる、文章のレトリックなのか、という問題です。
実は、報道では安倍総理は、大統領に対して、TPP参加条件として、自民党が公約した6条件について、言及をしたと報道されています。この点は、直前の、国会における共産党の紙議員のこの6条件は一つのパッケージですよね、聖域なき関税撤廃というのは、その一つにすぎないですよねと、執拗な質疑に安倍氏が、そのとおりだということを表明しています。
もし、安倍氏が、TPPに既に参加を決めているなら、大統領に、この6条件パッケージについて、あえて、言及しなかったのではないか、という推測は成り立つ余地はあります。このパッケージ説明を大統領にしている点では、安倍さんは、国民との約束を守ろうとしている誠実な態度が見て取れ、救われるところです。
大統領側は、この会談に先立ち、日本の国会での安倍氏のパッケージ理論の言質を取られていることを十分知らされてイッルはずです。そうだとすると、このshouldというのは、レトリックではなく、文字通りのニュアンス、つまり、日本の参加決定は相当なハードルがある、という実質的な見方を両国政府が認識している、ということの可能性が高いと、みられます。
上記で紹介した、二人の簡易な中間的共同記者会見でのオバマ大統領の、意気消沈しているような顔、気配には、日本のTPPへの参加見通しがとれないことの表情ではないか、という印象を持ちます。安倍氏の表情も、晴れ晴れしたところが全くありませんで、難しい顔で終止しています。もちろん、北朝鮮問題、中国侵略問題の難しさからくる表情ともいえますが、TPPの困難さもあるとみられます。
日本の官僚がいかに霞ヶ関文学でトリックを書き込もうと、TPPを進めるのに、両国は難渋していることが感じられます。それは第一段落と第三段落に、おいて、困難性が表明されていると見えます。自民党の圧倒的議員、多くの国民が反対している状況(メディアの嘘は論外)では、両国首脳が、苦い顔になるのも無理はないという印象です。
TPPに反対する議員に、上記の霞ヶ関文学の部分の虚妄性を徹底して批判、攻めてもらうよう要請します。また、他の5条件、特にISD条項はクリアできないことを強く指摘してくださるよう願います、高い基準という言葉が何度も出てきますが、この基準の中に毒素条項が鎮座ましましており、これが改廃される可能性はゼロなのです。
この共同声明のポイントですが、米国は、一律の関税撤廃に例外を保証する、ということなど、一言も言っていないということです。実際、何も言っていないに等しい、まことに空疎な文章です。日本官僚の騙しには、我々絶対乗ってはいけません。彼らのこの部分の霞ヶ関文学の嘘くささを、徹底して批判・攻撃することです。ただ、日米両国とも、日本の参加は、かなり、難しい部分があると言う認識を持っている様子があることです。
このTPPというのは、実は貿易プログラムに仮想した、日本という国を破壊するプログラムの何者でもありません。関税云々というのはレトリックです。われわれは、TPPに参加することは、死んでもしてはいけないことです。また、TPP推進者は中国にも今後入ってほしいと考えています。最終的には世界中に入ってほしいと考えているのです。中国、韓国が乗り込んで、さらに日本解体をすすめていくことを許すことになるのです。また、今回、日本が入らなかったとしても、今後、これに日本は入れ入れの圧力が一貫して続くのです。橋下氏、進次郎氏が、リーダーとして成長した場合、最終的には、TPP推進者だる彼らに、地獄に落とされることになります。
朝鮮が、日本を乗っ取り解体を目指していること、彼らが日本のメディアを乗っ取ってしまっていることを最近知るに至りましたが、メディアが、TPP参加を絶対としているのは、要するに、朝鮮が日本を壊すことができるなら、どんな手段でも促進する、ということだからです。
ニュージーランドのTPP主席交渉官だった、マーク=シンクレアですが、彼が、密電で、TPPは日本と韓国を破壊することが目的だと書いていたことがwikileaksされましたよね。
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/717a26148bbd3fa2404e1dbec00acf9f
彼は、なんと、現在駐日ニュージーランド大使となっており、自民党の、TPP反対議員のとりまとめ役、衛藤征十郎議員の事務所や、なんと日本維新の松井一郎幹事長事務所、その他の機関を訪問し、TPPを激しくプッシュしています。日本語が異常に達者ですが、その点を生かして、激しく、関係者、メディアなどに圧力をかけて回っていると思います。日本に今後数年かはいて、TPPで破壊を推進する工作作業をしていくわけです。こういっては誠に申し訳ないですが、彼の顔や雰囲気からみて、温順温厚で熟練のプロの大使という印象はなく、若く獰猛な猟犬、あるいはハウンドドック、ハイエナのイメイージが強いです。衛藤議員に、彼に対して、あんた、TPPで日本を滅ぼすって書いてたよね、ぐらい問いつめてほしかったですね。
http://www.seishiro.jp/archives/4903.html
http://jinf.jp/news/archives/7753
私は、安倍さんがTPPについて何を考えているのか、非常にわからなくなりました。また彼の背後でいかなる力が働いているのか、分からないです。国民一体となり、とにかく、絶対反対の意思表示をしていくべきと考えます。ただ、今回うまく逃れることができても、今後、日本をTPPに入れようとする勢力と、日本国民とが激しく、緊張関係に入りますから、この緊張に耐えて、押し返し続ける覚悟、ハラを決めてかからなければなりません。日本人は中国、朝鮮、西洋陣営からの日本解体攻撃を忍耐強く、跳ね返し続ける強靭な精神力が必要とされます。
シカゴトリビューン紙によると、民主党の下院議員のトップ有力者サンダー=レビン議員は、農業と自動車について無条件に開かないのなら、日本参加について、米国議会を通過することはない、と発言しています。
http://articles.chicagotribune.com/2013-02-22/business/sns-rt-us-usa-japan-abe-tradebre91l1a9-20130222_1_tpp-talks-trans-pacific-partnership-talks-vietnam-and-brunei
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